南仏プロヴァンスで猫さがし。

美しい庭の家と、固い意志を持った猫のウォーホル。

桜が咲いたから、お花見においでとランチに誘ってくれたのは、このブログの第一回でご紹介した、飛んでいってしまいそうな名前のふわふわ猫、プリュムの飼い主。

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プリュムの家は、何を隠そう私の憧れの家。「プロヴァンスの田舎暮らし」って、その響きを聞くだけで、さぞかし素敵な暮らしなんだろうと、想像が膨らみますが、そんな私のめいっぱいの想像なんて軽く超えてくるほどの美しい生活をなさっている、プリュム(とその家族)。お邪魔する度に、いくつものうっとりを突きつけられるのです。

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そのなかでも最も羨むべきは、広くてちょっとワイルドな庭。ほどよく手入れされ、ほどよく放置されたこの庭は、雑草にも生きる余地を与えているのが魅力です。住んで20年以上経つというこの家のマダムにとっても、未だにいろんな発見が潜んでいるんだとか。

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季節ごとのお楽しみは、チェリーやくるみ、アーモンド、オリーブの収穫。
肩から斜めにカゴをさげて、はしごにのぼって、さくらんぼやオリーブをとるなんて経験、私はこのお宅で初めてさせてもらいました。(別に私、都会育ちってわけでもないんですけどね。)
そして、「はしごに乗っても手の届かない場所にあるチェリーは、鳥たちのもの」という話を聞いた時には、鳥も人も、こうして自然の恵みの中で生かされているんだと、当たり前なのに、すっかり忘れていた人生の大事なことを思い出させてもらったような気持ちになりました。

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さて、春を迎え、すでにだいぶ毛を減らした印象のあるプリュム。そしてそこには、新たな猫の姿がありました。

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彼は、ウォーホル。あのアンディ・ウォーホルから名前をもらった、イケメン猫です。
もともとは数軒隣の家で、飼い主やお母さん猫とともに暮らしていましたが、その飼い主家族が、同じ街の中でお引っ越し。でも、彼は決めていました。「おれはぜったい、ここをはなれない。」と。

新居から、にゃんにゃにゃんにゃとひとり歩いてここまで戻ってきたウォーホル。飼い主は、彼が元の家の近くに戻っていると知ると、その度に迎えに来ては新居に連れ帰っていたそうですが、4度目にしてついにギブアップ。そこで、そんな彼の意志を尊重し、プリュムの飼い主がウォーホルの面倒も見ることにしたそう。

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ちょっと迷惑そうなプリュムを横目に、我が物顔で庭を歩く、ウォーホル。
その気持ちわかるよ、私が猫でも、こんな素敵な家があれば、居ついちゃうもの。

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中川史恩

都内在住、猫好きエディター。フランス生まれの保護猫ミャウと暮らす。好きな食べものは帆立の貝柱とチップス全般。苦手なものは直射日光。将来の夢は鶏と暮らすこと。@chez_miaou

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