アンスイとキュキュロンで、秋の猫散歩。

四季のなかで、秋が一番好きです。色付く葉っぱ、高い空、そしてフランスに住み始めてからは、どこからともなく漂ってくる、暖炉の煙の匂い……ああ、よきかな。

さて、以前もご紹介した、リュベロン地方にある「フランスで最も美しい村」、アンスイ（Ansouis）へ行って来ました。この辺りで評判のレストランLa Closerieへ、念願叶ってランチをいただきに。思い立って電話をしてみたら、あっさり翌日の予約が取れてしまったのです。

予約時間より少し早く着いて、村を散歩。去年、道に転がっていた猫にも再会できました。

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アーティチョークの土台の上に、表面をぎゅっと焼かれたフォアグラ。（私史上最高のフォアグラでした。）ソースにも、具にも、飾り（？）にもセップ茸がふんだんに使われていて、秋をじゅわっと感じられます。これが前菜なんて信じられない。

メインに選んだのは、お魚。この日はスズキ。これまたきのこを使ったスープとともにいただくのですが、ラビオリに包まれたスズキさん、皮のぱりっと感は残されていて、ああこれがミシュラン星つきレストランの技か。と感嘆のため息。

この日のもう一つのメインは、鹿肉でした。こちらも絶品。デザートは3種類から選べて、私はフレンチトーストを。

ディスプレイも秋ですね。

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食後は、ぶどう畑に囲まれた近くの村、キュキュロン（Cucuron）まで移動して、腹ごなしにまた散歩。

オフシーズンのプロヴァンスの村々は、観光客もまばらで、穏やかな時間が流れます。夏のピカーン！と輝く、言ってみれば高校球児のような空はないけれど、ちょっと黄色味がかった、町内会のゲートボール的な優しい空気、コントラスト淡めの、暖かい木漏れ日を感じられるのは、やっぱり秋。石造りの街並みには、アンティークフィルターをかけたかのような、秋の昼下がりの雰囲気がしっくりきます。

この時期、猫の出現率も高い気がしますし。あちこちで猫たちがのらりくらり。