京都上賀茂神社にて「夏越大祓」
デコラトリスの多賀谷洋子です。
あっという間に、今年も折り返しとなってしまいましたね。いかがお過ごしでしょうか。
コロナ以前は、時間が空くと、ぷらっとソウル美容一人旅に出かけていましたが、最近はもっぱら京都。
関西でも、少しずつ個人宅のコーディネートご依頼を頂くようになったこともあり、今年上半期の京都旅頻度はとても多くなり嬉しい限り。
6月は平均睡眠時間3,4時間とハードな日が続きましたが、月末だけは何も予定を入れず再び京都へ。
念願の上賀茂神社「夏越大祓」神事に伺いました。
京都では、いくつもの神社で同様の行事が執り行われますが、こちらは小倉百人一首にもその情景が詠まれるほど有名で、その古式ゆかしき雅な世界を、いつかこの目で確かめたいと思っていました。
修学旅行生は少しずつ戻ってきているとはいえ、まだインバウンド皆無に等しい今のうちがチャンスかもしれませんしね。
ちょうど、年末年始を京都で過ごし、初詣に伺ったのもこちらの神社。上半期、無病息災、且つよいご縁をたくさん頂戴し、明るく過ごすことが出来た感謝の気持ちをお伝えすることも兼ねています。
そういえば、新年には限定の馬おみくじも引きました。(干支の他に、加茂茄子などもありました)
宮中の古式競馬発祥の地でもあるこちらの神社には、神様に奉納する神馬(しんめ)がいるほどで、馬好きにとっては聖地のような場所。
ちょっと違うかもしれませんが、年末、パリのエルメスの担当の方からクリスマスカードが届いていたことを思い出し、馬つながりということで
「今年こそはサントノーレのお店に行けますように!」そんな願いも込めて、こちらを選んだのでした。(笑)
さて、本題の夏越大祓式ですが、開始時間の夜8時になる頃、装束をまとった神職の方々が茅の輪くぐりをされ、橋殿に向かわれます。
その神々しいさまは、まるで時代絵巻を見ているかのよう。
「風そよぐ ならの小川の夕暮れは
みそぎぞ夏の しるしなりける」
百人一首に編纂されている藤原家隆が詠んだ歌ですが、お祓いをして頂く際には、頭を下げてこちらを復唱するとよいとのことで、心の中で何度か繰り返します。
旧暦でいうならば秋の気配も濃くなり、心地よい涼しい風が吹いてくる晩夏の夕暮れの神事。
日中は暑さで朦朧とするほどでしたが、マイナスイオン溢れる気のよいこの空間では、心身共に浄化されていくようです。
罪や穢れを払い落とすための人形は、橋殿脇の「ならの小川」に祝詞ともに流されていきます。
水面に反射する篝火の元、この日集まった一万体以上の人形は幻想的な光を帯びて、なんともいえぬ美しさ。
いにしえの頃と現代では季節感にかなりのずれがあり、これからが夏本番というところ。
儀式を終えて鳥居の向こうに退出される神職の方々の後ろ姿を拝みつつ、
猛暑が憂鬱ではあるものの、清々しい気持ちで、これからの半年間に新たな願いを込めたのでした。
自分では気づかぬうちに、溜まってしまったかもしれない邪気やイーヴルをきれいさっぱりと一掃し、残りの半年間、ピュアな気持ちで生活をしていける準備が整ったような快適さです。
皆様も、どうぞお元気に後半をお過ごしくださいますように。
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