平野由希子のおつまみレシピ

「ふきのとうのオイル漬け」の作り置き

季節の変わり目。体調を崩しやすい時でもあります。花粉症の方にとっては辛い季節の到来。こういう時には、体の中の毒素を取り除いてくれる食材をいただくといいそうです。そんな食材の代表が「ふきのとう」。雪の中から芽吹くパワーを持った「春の使者」とも呼ばれる山菜です。冬の間に体内に溜まった毒素や老廃物は、春のほろ苦味をもつ食材によって、体外に排出されるそう。春先になると、山菜やほろ苦い食材が食べたくなるのは、ごく自然なことなわけです。まだまだ、動物的なところが自分にも残されていると、少し安心したりもします。こうした欲求は大切にしないと。

ふきのとうといえば、まずは天ぷら。ですが、こちらは蕎麦屋や天ぷら屋でいただくとして、おすすめしたいレシピが「ふきのとうのオイル漬け」。丸ごとゆでて、オリーブオイルに漬けておくだけの簡単さ。しかも今や大人気の「作り置き」レシピです。

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このまま食べるのはもちろん、生ハムやアンチョビ、チーズを添えるだけで十分なおつまみになります。アンチョビと合わせて炒めてパスタソースにしたり、パンやピザ生地の上に刻んだオイル漬け、チーズをのせて焼いたり。もちろん、肉、魚との相性もいいので、トマトソースやひき肉味噌に加え混ぜたり、重宝することこの上なしです。

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そして、どれもこれもがあまりにもお酒に合う料理になってしまいます。私のおすすめはアルザスのリースリングや、ハーブの香りの爽やかなソーヴィニヨンブランなど。ロゼワインと山菜の相性もぜひもの。あれこれと合わせてみたくなります。

ちなみに欧米では、山菜を食べる習慣はありません。グルメなフランス人でも、アスパラソバージュを食べるくらいでしょうか。「山菜でワイン」は日本に生まれた私たちの幸せな特権、存分に享受いたしましょう。


<材料 作りやすい分量>
ふきのとう 6〜8個
塩 小さじ1/2
オリーブオイル 1/3カップ

<作り方>
1 ふきのとうは茶色くなっている部分を取りのぞく。沸騰した湯に塩を加え、ふきのとうを加えて2分ほどゆでる。
2 冷水にとった後、水気をしっかり絞る。大きいものは縦半分に切る。
3 塩を振って混ぜ合わせ、保存瓶などにいれてオリーブオイルを回しかける。

Wine365
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平野由希子

フランス料理とワインを愛する料理家。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。2015年にフランス農事功労章を叙勲。著書に『ma cuisine おいしさの引き出し方』などがある。instagramは@8yukiko76hirano  料理教室cuisine et vin主宰。http://www.yukikohirano.com
愛猫クミンの様子は別のInstagramから@cumin_chatnoir

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