平野由希子のおつまみレシピ

「さつまいもとれんこんのアンチョビきんぴら」で晩酌を

芋、栗、かぼちゃのホクホクものが、おいしい季節。焼き芋や栗ご飯、かぼちゃの煮付けに顔を輝かせている方も多いことでしょう。ですが、もしかすると、これらのややスイートな料理にはそそられないのよね。という方も少なくないように思えます。

私の周りのワイン好き、お酒好きの女性たちに結構多いのが、プリフィックスのコースでデザートもしくはチーズの選択肢があれば、決まってチーズを選ぶ。甘いものは食べることは食べるけれど、パンケーキの行列に並ぶことはなく、小腹が空いたからといって、お菓子を食べるよりは、柿の種を好み、酒肴に目がない。そして、お酒の摂取量はひとりワイン1本は当たり前。という傾向。

彼女たちには、スイートポテトや焼き芋ではどうも喜んでもらえないようです。そして、圧倒的に人気のある野菜がれんこん。れんこん好きという女性はかなり多いようです。かくいう私もれんこん派。そこで、さつまいもとれんこんをアンチョビとバターできんぴらにしてみました。これなら酒飲みにだって箸を伸ばしてもらえるはず。

さて、何を飲みましょうか。きんぴらを食べると私は自動的に赤ワインが飲みたくなるのですが、バターのこっくりとした味わい、アンチョビの風味はオレンジワインも捨てがたい。日本酒ならば濃厚で旨口タイプの山廃仕込み。焼酎ならば、やっぱり芋焼酎で決まりでしょう。

甘党、左党にも、そしてワイン好きから日本酒、焼酎好きまで懐の深いのがこんな料理。好きなものを好きなように飲むのは、今に始まったことではありませんが、最近はますますそんな傾向に拍車がかかってきたようです。ああ、晩酌はとても自由。

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さつまいもとれんこんのアンチョビきんぴら

<材料 2〜3人分>
さつまいも 1本
れんこん 1節
オリーブオイル、バター 各大さじ1
アンチョビ 2枚
にんにく 1/2かけ
こしょう

<作り方>
1.さつまいもは、皮付きのまま7〜8mm厚さに斜め切りにし、棒状になるように1㎝幅に切り、水にさらした後、水気をふく。れんこんは皮付きのまま5㎝長さ、1㎝幅の棒状に切り、さっと水洗いをした後、水気をふく。
2.フライパンにオリーブオイルを熱し、1を入れて弱火で3〜4分炒める。
3.バターを加え、にんにく、アンチョビのみじん切りを加えてさらに炒め合わせ、仕上げにこしょうをふる。

平野由希子

フランス料理とワインを愛する料理家。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。2015年にフランス農事功労章を叙勲。著書に『ma cuisine おいしさの引き出し方』などがある。instagramは@8yukiko76hirano  料理教室cuisine et vin主宰。http://www.yukikohirano.com
愛猫クミンの様子は別のInstagramから@cumin_chatnoir

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