「まず、靴を決めてからコーディネートを考えるんです」。あるスタイリストの女性が語るのを聞いて、はっとさせられた。その日の予定や天候、そして気分に、最も左右されやすい靴を先に決めると、全体のイメージがまとまりやすく、無駄がない。何よりおしゃれがうまくいく。ファッションが俄然楽しくなると言って。
ふと思った。ファッションにおける靴は、もしかしたら、メイクでいうとリップかもしれない。リップから始まるメイクがあっていい。そうすれば、美しさはうまくいく、メイクが楽しくなる、と……。 歩く日はフラットシューズ、ドレスの日はピンヒールみたいな王道もあり。一方で「デニムにパンプス」や「ドレスにスニーカー」のように、靴は〝はずし〟の役割も果たす。いまや法則もなければ、正解もない時代。むしろ決められた「何か」から解き放たれた人が魅力的と誰もが思ってる。靴をリップに置き換えてみてほしい。ドレスアップの口紅、普段着のグロス、とオーソドックスな選び方をしたら、自ずとそのつけ方はもちろん、肌の質感やアイメイクの強弱で工夫をして、いまっぽく自分らしく、バランスを取りたくなる。逆に、赤をカジュアルに、ベージュをドレスアップに、とはずしたいなら、センスを試されるぶん、よりわくわくさせられるはず。さらには、つけている間中、気が抜けないような主張のある一本を選べば、頭のてっぺんから足の爪先までディテールにこだわりたくなり、心まで解放してくれる粘膜のような色艶を選ぶと、肩紐が滑り落ちそうなキャミソールドレスが纏いたくなる。リップはワードローブの一部、いや、主役と言ってもいいだろう。
リップが今日の私をつくる。
しかもリップは、一日のうち何度でも着替えられる。朝は透ける赤、夜はセミマットな赤と質感を変えてもいいし、色の異なる口紅とグロスを重ねてもいい。食事や会話など、「落ちる」をあらかじめ計算に入れて色選びをしたりつけ方を工夫したりするのも、大人っぽくてエロティック。思えば、リップが顔をつくり、バランスをつくり、結果、女性像をつくる。そう、リップが、今日の「私」をつくるのだ。
クレ・ド・ポー ボーテから生まれるリップには、どれにもメッセージが込められていると思う。「この唇で、あなたはどんな女になりますか?」と。答えは無限。もはや、似合うだけじゃ物足りない。今日の私を演じるための唇でなくちゃ満足できない!
ピンクも青みも苦手。でもこのグロスで初めて、つけたくなる青みピンクに出合った。光によって印象が変わり、青みが主張しない。まぶたのツヤと繊細なまつ毛だけの、抜け感メイクに合わせたい。
¥4,320
早朝からつけられる“がんばらない”ローズレッド。ブリアンアレーブルエクラ 7に重ねると、青みのニュアンスが加わって一筋縄ではいかない赤に変身。この2色の組み合わせに夢中。
¥6,480
松本千登世
PROFILE 雑誌、単行本など、美容やインタビューを中心に活動。美の本質に迫る『結局、丁寧な暮らしが美人をつくる。今日も「綺麗」を、ひとつ』(講談社刊)など、著書多数。
ピンク系のリップを男性に向けて使うのは、意外とハードルが高い。モテたいのかな、と思われるのが厭で、ついつい避けがちになるからだ。こういうものは、あえて独りの時間に選びたい。書店に入り浸ったり、芝居を観たり。少し文化的な趣味に費やす時なんかに。落ち着いたベージュのタートルに合わせると、口元の可愛らしさがギャップになって、いつもより知性的な気分になれそうだ。こういう色のリップをつけて独りで読書をしている女性をカフェで見かけたら、私は「格好いいなあ」と思います。
¥6,480
昔から「化粧をしてる」と思われるのが、どうにも恥ずかしいので、リップは目をひき過ぎないで、表情の一部としてさりげなく華を添えてくれるくらいが理想だ。
このリップなら、公園に出掛けたい。娘を思いきり遊ばせるために、汚れてもいい格好をついついしがちだが、ほどよい緊張感がうまれそう。「おしゃれを頑張った感」がいちばん格好悪いと思っているので、主張しすぎずに。女を忘れちゃ駄目だよなあ、と密かに思わせてくれそうな一本だ。
¥4,320
本谷有希子
PROFILE 2000年に「劇団、本谷有希子」を立ち上げる。2009年『幸せ最高ありがとうマジで!』で第53回岸田國士戯曲賞を受賞。2013年『嵐のピクニック』で第7回大江健三郎賞を、2014年『自分を好きになる方法』で第27回三島由紀夫賞を受賞。2016年『異類婚姻譚』(いずれも講談社刊)で第154回芥川龍之介賞を受賞。
透明感を保ちつつも自然に色づいてくれるので、デイリーユースにしている一本。古着やカジュアルなファッションの時にこれをつけると、さりげないみずみずしさがプラスされて、コーディネートが格上げされる気がする。デニムパンツやコートのポケットにさらっと忍ばせて、リップクリームのように気負うことなく使うのが自分流です。
¥4,320
昔に比べて、少しよそゆきの顔をしたい、しっかりとした大人に見られたい、そんなシーンが増えてきた。真面目な格好をした時に、赤リップはやりすぎだし、ピンクだと若すぎる、でもベージュはちょっと、という迷いに答えをくれた救世主カラー。全方位的にいい顔をしてくれるこの色とツヤ感が、まだ少し曖昧な自分の背中を押してくれるような気がして。¥3,780
ホルダー(ルージュエクラC)¥1,620
青柳文子
PROFILE 1987年、大分県出身。雜誌のほか、映画、TVドラマ、バラエティ番組、アーティストMVなど多方面で活躍。執筆業ほかさまざまな分野で才能を発揮し、20代女性の支持を集める。
Instagram: @aoyagifumiko
私にとってリップとは、新しい自分に出会えるもの。色と質感によって、同じ服を着ても、違う女性像を演出することができる。
個人的にマットなリップばかり使っていた中、このほとんど色のつかないグリッターのグロスが新鮮で、目に留まった。シンプルだけど強さがある、ストイックな服で抜け感を出す時にぴったり。
¥4,320
一見難しそうなこの色は、肌なじみが良く、春らしいトランスペアレントな服や、色の濃い服など、意外とどんなファッションにも合う。普段つけない色のリップをたまに塗ると、人から褒められるのもうれしいけれど、自分自身の仕草も変わったりするのが楽しい。それがリップを着替える醍醐味だと思っている。
¥4,320
渥美千恵
PROFILE フィガロジャポンをはじめ、雑誌の撮影をメインに活動。品のある凛としたスタイルに、エッジの利いた組み合わせ提案を得意とする。
クレ・ド・ポー ボーテは、この春、新たに、メンバープログラム「Clé de Peau BEAUTÉ for your Radiant Day」をスタート、新商品のご体験、特別なイベントへのご招待など、メンバーのみなさまだけの特典をご用意しております。
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抽選で10名様に新リップグロス
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