コロナ禍で変わる、フランス人女性の人生設計。

Culture 2021.02.03

2回目のロックダウンが解除されても、テレワークが推奨される状況はまだまだ続きそう。ある調査によると43%の女性が将来パートタイムへの移行を考えているという。背景には精神的負荷やストレスの増大があるようだが、この数ヶ月間に多くの人が人生の優先順位を見直したという証拠でもある。

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コンサルティング事務所Empreinte Humaineの委託でOpinion Wayが実施した調査によると、質問に答えた女性の43%が仕事と家庭のバランスを取るために働き方を見直したいと考えているという。Photo:IStock

すべての女性が決断を下したわけではない。しかし考えている人は多そうだ。12月16日に公開されたある調査によると(1)、フランスの女性会社員の43%、男性会社員の32%が、家事や育児により多くの時間を割けるよう将来パートタイムで働くことを考えているという。

この調査はフランスの調査会社Opinion Wayが、職場における心理社会的リスクと環境クオリティを専門とするコンサルティング事務所Empreinte Humaineの委託を受けて実施したもの。調査対象となった会社員たちは、テレワークによって精神的負担がさらに増えたと感じており、とりわけその負担は女性の肩に重くのしかかっているようだ。

昼間に子どもの世話や家事を行うために、通常の勤務時間以外にも働かなければならなくなったと回答したのは、男女合わせて10人中4人以上。とくに苦しい状況にあるのは働く女性の71%を占めるワーキングマザーで、心理的苦痛を抱えていると回答したのは、女性全体では58%であるのに対し、ワーキングマザーでは78%に上った。

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割り込み業務に翻弄されない、より柔軟性のある働き方

「企業に勤める親にとっては、仕事自体の負担よりも、急な案件が入るかもしれないという不安の方がストレスの要因となっている」と調査報告書は述べている。

ランチタイムにかかってくる緊急の電話、夕方の4時30分に舞い込む「こんにちは」も「ありがとう」もないメールの嵐。そろそろ学校から子どもが帰ってくる時間だというのに……。いくつもの小さなトラブルは、いつでも即座に答えなくてはいけない最優先事項となり、計画を立てて仕事を進めることも、休憩時間を取って子どもの相手をすることもままならない。

ゆえに、プライベートや家庭も充実させるため、ストップ&ゴー・モードで時間の使い方を見直したい人が増えている。ロックダウンでテレワークを余儀なくされつつも、生活のスピードが若干緩んだことで、仕事の合間に子どもの宿題を見る時間が取れるようになったり、夜の10時に洗濯をする必要がなくなったりと、自宅待機生活がこれまでとは違う日常を試すチャンスになったのかもしれない。仕事を最優先にして骨身を惜しまず働くという考え方を問い直した人もいるようだ。

「会社員の多くが人生の優先順位を見直した」と調査報告は指摘する。「パートタイムへの移行を考える、労働時間をより柔軟に調整できる働き方を望むといったことに、心のバランスを取り戻したいという欲求の高まりが顕著に表れている」。次なるステップは、自分がどんな生活リズムを必要としているのかを考えること。そしてそれを実現する方法を見つけることだ

平気なふりは苦痛を増幅させるだけ。調子が悪いことを受け入れてみては?

管理職の10人に6人が、心理的苦痛を抱えている部下がいると回答している。一方で10人中8人が、リモートワークでは部下の苦しみに気づきにくいと答えている。しかも会社員の2人に1人が、同僚に心配をかけないために、調子が悪いときでも平気なふりをしているという。その結果、よけいに事態が悪化しているのが現状だ。我慢して平気な顔をしている人では、苦痛を抱えている割合(67%)が平均値(50%)より明らかに高い。「実際に感じているのと違う感情を表現することは、心理的にとても負担がかかります」と、Empreinte Humaine代表で産業心理学者のクリストフ・グエンは警告する。「これは長期的に見ると正しいメンタルヘルス対策ではありません。ストレスを受け留める力や、ストレスから回復する力を削いでしまいます」。だから辛いときはできるだけ上司や産業医に気持ちを打ち明けたほうがいい。

(1)第2回自宅待機後の会社員の心理状態に関するバロメータ調査第5波。Empreinte Humaineからの委託を受け、調査会社OpinionWayが2009人の会社員を対象に12月2~9日の期間に実施。

texte : Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr)

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