フィリップ王配の葬儀、沈黙のなか執り行われる。
Culture 2021.04.18
4月9日に99歳で亡くなったフィリップ王配の葬儀が、4月17日、限られた参列者が見守るなかで行われた。ロイヤルファミリーの悲嘆がひしひしと伝わってくる葬儀となった。
父、フィリップ王配の葬儀で、棺につき添うチャールズ皇太子。(ウィンザー城、2021年4月17日) photo : PA Photos / Abaca
国葬は望んでいなかった。コロナ禍のなか、最も近しいファミリーの一員だけが最後の別れを告げた。4月17日土曜日、4月9日に99歳で亡くなったフィリップ王配の葬儀がウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂で行われ、たった30人が参列した。
セレモニーに先立つ葬列で、エディンバラ公の棺に付き添ったのは、悲嘆にくれるチャールズ皇太子、妹のアン王女、そしてアンドルー王子とエドワード王子。そして、ウィリアム王子とハリー王子の間には、いとこのピーター・フィリップスの姿があった。
マスク姿のエリザベス2世女王は、最初から最後まで、たったひとりで参列した。付き添いの女性とともにベントレーに乗って英国国歌「God Save the Queen」の第一楽章とともに到着。完璧な沈黙のなかで全てが行われた。女王の自筆のカードが、棺を飾る花束の上に置かれていた。
【写真】フィリップ王配葬儀、写真で見るロイヤルファミリーの悲しみ。
ずっと前から用意されていたセレモニー
ハリー王子とその叔父のアンドルー王子がロイヤルファミリーの一員としての公務についていない(ハリー王子はメグジット以来、アンドルー王子はエプスタイン事件への関与が理由で)ことを考慮して、フィリップ王配の葬儀への出席者は軍服ではなくスーツ姿だった。
しかしこうした調整は別として、この葬儀のオーガナイズは、何年も前から王配自らが入念に考え抜いたものだった。自然へのオマージュが多かった歌の選曲、棺に置かれた勲章メダル、王配自身が考案した、棺を運ぶランドローバーまで。この歴史的な1日は、フォース・ブリッジ・オペレーションと呼ばれ、亡き王配の望み通りに運ばれたのだ。
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ウィリアム王子とハリー王子の再会
カンタベリー大司教に迎えられてセント・ジョージ礼拝堂に最初に入場したエリザベス女王は、太陽の光に輝く棺に最後の視線を向けながら涙をこらえていた。礼拝堂には、夫を待つキャサリン妃とカミラ夫人の姿が。妊娠中のメーガン・マークルは葬儀には来られないと発表していた。
キャサリン妃の胸元には、エリザベス女王の所有する、以前にはダイアナ妃も身につけたことのある真珠のネックレスが飾られていた。
王室のしきたりに従って、ハリー王子は兄のウィリアム王子の一方後ろを歩き、礼拝堂に入場した。礼拝堂の身廊の中で、ソーシャルディスタンスを尊重し、マスクをつけ、数メートル離れたふたり。だがその距離はこれまでにないほど遠いものだったかもしれない。
ふたりがキャサリン妃と交えて言葉を交わしたのは、やっとセレモニーを終えて礼拝堂を出てから。キャサリン妃はその後、兄弟をふたりだけにするために、そっと身を引いた。兄弟がともに歩いたのは、1年ぶり以上のことだった。
texte : pascaline potdevin (madame.lefigaro.fr)