クストリッツァ9年ぶりの新作! 奇想天外な愛の逃避行。

Culture 2017.10.05

民話的な村の戦火が喚起する、悲劇なのに陽性の"愛の寓話"。
『オン・ザ・ミルキー・ロード』

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隣国と戦争中の某国小村、サラエヴォ出身の巨匠クストリッツァ自ら飄々と演じるコスタは、銃弾飛び交う中、ロバに乗って新鮮なミルクを運ぶ。モニカ・ベルッチの異邦の美女は、村の戦争英雄の花嫁としてここに落ち延びながら、多国籍軍の嫉妬深い将軍との因縁から追われる身。ふたりが恋に落ち、捨て身の逃避行となるに連れ、バルカン音楽の即興演奏や灼熱ダンス、ハヤブサや山羊や鴨や蛇など動物たちとも気脈を通じ、映画は不穏な日々を吹き飛ばす生の奔流と化す。

『オン・ザ・ミルキー・ロード』
監督・脚本/エミール・クストリッツァ
2016年、セルビア・イギリス・アメリカ映画 125分
配給/ファントム・フィルム
TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中
http://onthemilkyroad.jp/

*「フィガロジャポン」2017年10月号より抜粋

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réalisation : TAKASHI GOTO

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