立田敦子のカンヌ映画祭レポート2018 #02 カンヌ映画祭"場外乱闘"の続報!

Culture 2018.05.10

 去年に勃発した米国発の配信サービス会社Netflix VS カンヌ映画祭が映画祭開始前に再燃しました。
 Netflixオリジナル作品は、インターネットでの配信を中心としており、配信のみ、あるいは劇場公開が行われる場合も配信と同時という方針がある。
が、一方でフランスでは劇場を守るために、配信は劇場公開後の36ヶ月後という基準がある。
 つまり、フランスではNetflixオリジナル映画の劇場公開は事実上無理で、自国で劇場公開されない映画を(フランスが誇る)カンヌの(栄誉ある)コンペ作品に選出する必要はない。というフランス映画興行界の主張に映画祭側が追随したもの。

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カンヌオフィシャルポスターは、ジャン=リュック・ゴダールの『気狂いピエロ』より、ジャン・ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナ© Design : Flore Maquin - Photo : Pierrot le fou © Georges Pierre

 去年はポン・ジュノ監督の『オクジャ/Okja』やノア・バームバック監督の『マイヤーウィッツ家の人々』がコンペで上映されるも無冠に終わりましたが、今年はNetflix側がすべてのジャンルからの「撤退」を表明。

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『okja(オクジャ)』は、ポン・ジュノ監督が女優のティルダ・スウィントンらと再びタッグを組んだ作品。Netflixで独占オンラインストリーミング中。https://www.netflix.com/jp/

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“新世代のウディ・アレン”の異名を持つ、ノア・バームバック監督作『マイヤーウィッツ家の人々』もNetflixで視聴できる。https://www.netflix.com/jp/

 映画祭のディレクター、ティエリー・フレモーはこれを「ラウンド2」と呼んでいますが、映画ファンのためにも、来年の「ラウンド3」あたりでの早々の決着を望みたいものです。

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映画祭のディレクター、ティエリー・フレモー©Philippe Quaisse

映画ジャーナリスト 立田敦子
大学在学中に編集・ライターとして活動し、『フィガロジャポン』の他、『GQ JAPAN』『すばる』『キネマ旬報』など、さまざまなジャンルの媒体で活躍。セレブリティへのインタビュー取材も多く、その数は年間200人以上とか。カンヌ映画祭には毎年出席し、独自の視点でレポートを発信している。

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