カンヌ映画祭2冠! 90年代パリを駆け抜けた若者たち。

Culture 2018.05.25

生死の刻限が近づく日々を、ビートを刻むように全うする。

『BPM ビート・パー・ミニット』

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大勢のHIV感染者が死にいたる中、政治の無策や社会の無理解を訴え、ゲイコミュニティを中心に1989年、ACT-UPパリが発足。討議を重ね、街に繰り出す若者たちの活動を、自ら渦中にいたカンピヨ監督が再構築する。生死のタイムリミットが迫り1分先も見通せない日常に、予定調和の作劇は通用しない。活動家ショーンの最期を母と恋人と仲間で看取る場は崇高さをも感じさせ、製薬会社や学校への血気にはやる攻撃も、冷めた見方では済まなくなる。カンヌ国際映画祭でグランプリと国際批評家連盟賞をダブル受賞。

『BPM ビート・パー・ミニット』
監督・脚本/ロバン・カンピヨ
2017年、フランス映画 143分
配給/ファントム・フィルム
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
http://bpm-movie.jp

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*「フィガロジャポン」2018年5月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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