マリーヌ・ヴァクト主演、オゾン監督の心理サスペンス。

Culture 2018.09.07

瓜ふたつでありながら非対称な、双子をめぐるサイコスリラー。

『2重螺旋の恋人』

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パリで暮らす25歳独身のクロエは神経性なのか、万年の腹痛に悩む。訪れた医院の精神分析医ポールは聞き上手で、彼女に安心をもたらす。異才オゾンはふたりの恋物語を幹にして、枝葉のように「双子=分身」の主題を茂らせる。ポールとは真逆の双子の兄、野蛮な分析医ルイ(ジェレミー・レニエ一人二役の好演)に、クロエは拒みつつも吸い寄せられる。そのエロティックな吸引力が深層心理に訴えかけながら、また新奇な双子を出現させる戦慄感! 近すぎる双子は受精卵以来、片割れを食らうような闘争をも演じるのだ。

『2重螺旋の恋人』
監督・脚本/フランソワ・オゾン
2017年、フランス映画 107分
配給/キノフィルムズ
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
https://nijurasen-koibito.com

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*「フィガロジャポン」2018年9月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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