女同士、映画について語りあえば。

特集

映画は、これまで歩いてきた人生を映し出す鏡

『おしゃれも人生も映画から』

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地曳いく子、立田敦子著 中央公論新社刊 \1,404

人生の酸いも甘いもかみわけた女同士、ざっくばらんに語りあえば、映画もこれまで歩いてきた人生を映し出す鏡になる。ベストセラー『服を買うなら、捨てなさい』(宝島社刊)の人気スタイリスト・地曳いく子さんと映画ジャーナリスト・立田敦子さん。プライベートでも仲のいいふたりが、歯に衣着せぬ言葉で語り合うのが楽しい。

「オードリー・ヘップバーンは、ジバンシーを発掘してデザイナーによって自分のスタイルをつくりあげた最初の女優」「おしゃれなんだけど、演じるのは男に見初められる役というのが残念」「ジャンヌ・モローは恋多き女。彼女の衣装は、ピエール・カルダンが手掛けている。彼にひと目惚れしたモローは、カルダンがホモセクシャルと知っていても、自分のものにしたかった」 

俎上に上がるのは往年の名女優ばかりではない。『レッド・スパロー』(2017年)でカッコイイ女スパイを演じたジェニファー・ローレンス、『SOMEWHERE』(2010年)でソフィア・コッポラが自身の少女時代を投影したヒロインを演じたエル・ファニング、次世代のファッションアイコンへの目配りも欠かさない。

全身最新ファッションで固めても残念な人がいるいっぽうで、ジェーン・バーキンのように白いシャツにデニムでもおしゃれな人がいるのはなぜなのか、そのヒントは「おしゃれカルト映画にアリ」と地曳さん。「私がおしゃれだなって思う友人や業界人は、ほとんど若い時に『おしゃれカルト映画』にハマった人たちでした」「日常ではあまり出会わないノイズのような感覚、それが人と違った『おしゃれ』と言われる人の共通項なのかもしれません」。

恋愛適齢期って何歳までなのか。幸せな年の重ね方、死に方まで、いつだって映画は少し先の未来を見せてくれた。かつてはセックスシンボルだったけれど、80代のいまもラブストーリーを演じてのけるジェーン・フォンダ。オスカー女優の新時代を切り拓き、60代のいまも主演作が途切れないメリル・ストリープ。美しすぎるシャーリズ・セロンや整ったカワイコちゃん顔のナオミ・ワッツがむしろアクの強い作品で新境地を見せたように、ハリウッドも型にハマった美しさより個性が求められるようになった。

若干駆け足なのが惜しまれるが、語る言葉に思わず熱がこもるのは、単にその映画が好きだからという以上に、仕事や人生の岐路に立ったあの時、力をもらった、励まされたからに違いない。『ドリーム』のような、埋もれていた歴史に焦点を当てたガールズエンパワーメントな映画がつくられるようになるまでの流れを辿れば、その時代その時代に女優たちが体現し、切り拓いてきた女性たちの生き方が浮かび上がってくる。

réalisation : HARUMI TAKI

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