首藤康之らが出演、舞踊とダンスの垣根を超えた密室劇。

Culture 2019.01.24

自分という存在を浮かび上がらせる、他者の視線。

『出口なし』

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出演の首藤康之、中村恩恵、秋山菜津子。ダンスと演劇のジャンルで傑出した存在である3人が、言葉と身体の両面から互いを触発し合う新鮮なチャレンジ。

ジャン=ポール・サルトルによる不条理劇の名作『出口なし』を、芸術監督白井晃の構成・演出で上演。ダンサー首藤康之、ダンサー兼振付家の中村恩恵と、女優秋山菜津子をキャストに迎え、演劇と舞踊の垣根を越える表現に挑む。

窓がなくドアも閉じられた空間に連れてこられた3人の男女。そこはどうやら死後の世界であるらしい。見知らぬ互いを見つめ合い、出口のない場所にい続けるしかない彼ら──。緊密なセリフで、他者の視線によってしか自身を確認できない人間という存在の本質を浮かび上がらせたこの作品に、身体性を前面に押し出すことで新たな光を当てようという試みだ。

「言葉を身体表現に変容させること、身体表現を言語化することの振幅運動の中で、いままで見えなかった心理の在り方が浮かび上がってくる」と語る白井。“密室”という戯曲の設定に近いスタジオ空間での上演。スリリングで濃密な時間が体験できそうだ。

『出口なし』
KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ(横浜・日本大通り)
日程:1/25〜2/3
全席指定 一般¥6,000、U24チケット¥3,000 ※各種割引料金あり。

●問い合わせ先:チケットかながわ
tel:0570-015-415
www.kaat.jp

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*「フィガロジャポン」2019年3月号より抜粋

réalisation : KAORI SHINDO

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