ロイヤルファミリー特集 英国ロイヤル・ファミリーが世界から愛される理由とは?

Culture 2019.03.28

世界で最も有名な一族であるイギリスのロイヤルファミリー。とりわけ次世代の王室メンバーは、その一挙一動がニュースになる注目度の高さ。雲の上の存在といえど、人間味ある素顔を知れば、彼らをもっと好きになる。

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前列左から、ジョージ王子、チャールズ皇太子、カミラ夫人、シャーロット王女。後列左から、キャサリン妃、ルイ王子、ウィリアム王子、ハリー王子、メーガン妃。photo:©Alpha Press/amanaimages

世間を揺るがしたチャールズ皇太子とダイアナ妃の離婚劇からおよそ23年。当時は最大の悪役として世間から憎まれた皇太子も、現在は70歳。2018年11月の誕生日に合わせて公開された家族ポートレートでは、再婚したカミラ夫人と息子たち一家に囲まれて、にこやかな笑みを浮かべているが、すでに好々爺(こうこうや)といった表情が印象的だ。ハリー王子の妻となったメーガン妃に、ウィリアム王子とキャサリン妃の第3子ルイ王子も加わり、皇太子一家の前途は明るく、安泰に見える。

新しい扉を開く、メーガン妃。

2018年は、なんといってもメーガン妃のロイヤルメンバー入りが英国王室最大のニュースだったろう。史上初となるアメリカ出身の民間人で、離婚歴がある年上の女優で、フェミニストの人権活動家――。さらに母親がアフリカ系アメリカ人で、ミックスカルチャーのバックグラウンドを持つ。何もかもが前例のない新時代のプリンセスに、世界中が釘付けになった。結婚式は英国の伝統に、メーガン妃のルーツに合わせた演出が盛り込まれ、誰もが新しい王室がつくられることを予感した。実際、ハリー王子は、今後は開かれた新しい王室像を打ち立てることを目指すと明言している。サセックス公爵夫人となったメーガン妃は、ファッションも言動も自分らしいスタイルを崩さず、王室での新生活をマイペースに楽しんでいるようだ。バッシングなんか気にしていられない。そんな声が聞こえそうなほど大胆な振る舞いは、気持ちいいほど潔い。思えばダイアナ妃も、次々とタブーを打ち破ってきた王室改革のパイオニアだ。閉塞した世界には、ときに新しい風を吹き込む必然がある。長い目で見ると、メーガン妃が第二のダイアナ妃になり得るかもしれない。そんなメーガン妃も春には母となる。今年のビッグニュースは夫妻の第1子誕生に尽きるだろう。育児でも、あっと驚かせてくれることがありそうだ。

改革が目覚ましいのはハリー王子の周辺だけではない。ウィリアム王子の子どもたちにも、時代に即した新しい教育が施されている。普通の子育てを願った夫妻は、「人にやさしくあること」を重視するリベラルなスクールにジョージ王子を託している。新時代の王室は、多様化が進む現在に合わせて、あらゆる価値観も受け入れる必要があるのだろう。求められているのは、国民と同じ目線に立ち、痛みを分かち合える君主だ。伝統を大事にしながらも絶えず前進しようとする王族は、唯一無二。一瞬たりとも目が離せない。

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ファッションから日常まで、知っておきたい英国王室トピックス。

※『フィガロジャポン』3月号より抜粋

réalisation:ERI ARIMOTO

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