交流の場で、自分のことを話す時のポイントとは?

Culture 2020.01.30

「こんにちは」の後、どんなことを話せばいいのか? ネットワーキングイベントで人に話しかける時にはどうしたらいいのか? そもそも、誰と会話をしたらいいのか? 一般的なビジネス上の出会い同様、ネットワーキングも事前に準備しておくのが正解だ。

200128-comment-se-presenter-dans-un-evenement-networking-.jpgビジネス交流会でどうやって自己紹介をするかは、頭の痛い問題。準備をしっかりして目的を明確にすることが成功の秘訣だ。photo : Getty Images

「こんばんは、お会いできてうれしいです」。そして、名刺交換。

ひと晩に10回も同じことを繰り返して、あなたの頭の中では挨拶を交わした人たちの名前がグルグル。みんなとても魅力的だが、ビジネスの観点で有益な出会いはなかった。ネットワーキングイベントに参加しても、期待したような成果が得られないこともある。

知らない人だらけの懇親会や、企業幹部が顔を揃えるパーティーのような緊張する場で、どう立ち回ればいいというのか? さりげなく会話に入って、大企業のトップマネージャーや成功した起業家に近づくなんて、どうしたらできるの?

「ネットワーキングにはプランが必要です」と力説するのは、経営コーチのイザベル・ステメール。ビジネスネットワーク「Club d’affaires Protéine」における女性経営者部門フランス代表で、『Tu te lèves et tu décides de développer ton réseau(立ち上がって、とにかく人脈づくりを始めなさい)』の共著者でもある。「通常思われているのとは逆に、人脈作りはとても戦略的なものです。ネットワーキングは何かのおまけではなく、まさにそこから自分が成長したり、ビジネスを発展させる足がかりなのです」。パーティ、朝食ミーティング、交流会と、闇雲に足を運ぶだけでいいはずがない、というわけだ。

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あなたは何を求めているのか?

最初のステップは、自分の目的を明確にすること。潜在的な顧客との出会いを求めているのか? それとも投資家を探しているのか? あるいは知名度を高めたいのか?

「こうした問いに答えを出すことで、どんな人たちと関わりを持つべきか、どんな人に近づくべきかを、自分で把握できるようになります」とステメールは説明する。「このプロセスを省いてしまうと、無駄骨を折ることになります」

イベント主催者と面識があるなら、参加者リストを見せてほしいと頼んでみよう。あるいは、ビジネスサロンやカクテルパーティに参加する前に、SNSに出席を予告する書き込みをすれば、同じイベントに参加する人を見つけられるかもしれない。

アプローチの準備をする時に、ネットワーキングとはあくまでもファーストコンタクトの場だということを頭に入れておくこと。より深い関係を築くのは、一対一の対話を重ねてお互いをよく知ってからだ。「まずは誰かと出会って、10分間一緒に過ごし、相手の興味を引くこと。それだけを考えましょう」とステメールは説明する。「これはいわばトリガー(引き金、起動装置)なのです」

スタートアッパーを見習って売り込む

このトリガーの扱いには、細心の注意を払わなければならない。つまり、ネットワーキングでは対話相手の印象に残るように、簡潔に、そして相手の注意を引くように話をすることが大切だ。したがって「売り込み方法」を前もって準備しておくことが必要となる。「話す相手が違えば、売り込みの内容も変えないといけません」とステメールは強調する。できるだけ有効なプレゼンを準備するために、どんな人と会えるのかを知っておくことが重要です」。

相手に合わせて、話の内容とアピールする情報を選ぶこと。相手が投資家なら、自分の事業について明瞭に、かつ簡潔にまとめてプレゼンすること。就職先を探しているなら、マネージャーの目を引くように、自分の能力やスキルを最大限に売り込むこと。

いずれにしても、売り込みのポイントは同じだとステメールは強調する。「自営業でも、会社員でも、起業家でも、伝えるべきことは自分が何をしているのかではなく、なぜしているのかということです」。携わる事業がどんな需要に応えるためのものか、担当するサービスがどんな問題を解決するためのものかをわかりやすく紹介したうえで、自分の経験に基づいた具体例を挙げて説明することだ。

「売り込み内容を書き出して暗記し、鏡の前で繰り返し練習してから、信頼できる人に聞いてもらって意見をもらうといいでしょう」とステメール。その時は、あなたのことをよく知っている身近な人に頼むのがいい。あなたが売り上げを2年で3倍に伸ばしたとか、あの学校であんな教育を受けたとか、あの国であんなポストに就いていたとか、自分では気付かなかったセールスポイントを指摘してくれるだろう。

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アプローチは慎重に

ビジネスイベントに参加する時に多くの人が頭を悩ますのが、どういうアプローチ方法がいいのかという点だ。ニコニコしながら何も言わず、会話をしているグループの傍にじっと立って、話が終わるのを待っていればいいのか? それとも会話の途中で割り込めばいいのか? 

その両方です、とステメールはアドバイスする。「最も有効な方法は、人の輪の中にさりげなく加わって、他の人たちが話すのを聞くことです。おもしろそうな人がいたら、その人にその人自身に関する質問をしてみるのです」。質問する前に、ごく簡単に自己紹介をする。ただし、この時に自分のことを話しすぎないように。盛り上がっている会話に水を差さないよう、手短にすませるのがポイントだ。

「あなたに促されて話をした人は、自分の話が終わった後、今度はあなたに質問をしてくれるはずです。ですが、まずは人の話を聞くことが重要なのです」とステメールは言う。こうすれば、気後れしているように見えたり、逆に野心満々に見られることも避けられる。

あなたがその場にいるのは、お金にしろ、仕事にしろ、顧客にしろ、何かを探しているからに他ならない。とはいえ、初対面の人たちにいきなり頼みごとをするのは、決して有効な戦略とは言えない。

まずは人の役に立つ

こうした場でのびのびと振る舞うには、まず自分から何かを提供するのがいちばんだ。といっても特別な準備をする必要はなく、自分自身のことを話すだけで十分。あなたの経歴、能力、人脈を通して、すでに人に提供できるものをたくさん蓄えてきたのだということを覚えておこう。「すでに会ったことのある人と再会した時、あるいは初対面の人と初めて話をする時でも、自分の近況を話してみましょう。『アメリカで顧客がついた』『店舗を開店した』etc.。こうした話題が糸口になって相手が話にのってくれば、場合によっては後日会う約束をしてくれたり、おもしろい人を紹介してくれるかもしれません」

いずれにせよ、対話相手に「あなたと働いてみたい」「あなたのためになることをしてあげたい」と思ってもらえるように努めよう。「そのためにも、知らない人同士を引き合わせる仲介役を買って出るのはいい方法です。いわばキーパーソンとして振る舞うわけです」とステメールは解説する。「この人は適切な人を紹介してくれると思われれば、こういう人を知らない?と聞くために、みんながおもしろい情報を寄せてくれます。あなたにとってメリットのある情報を提供してくれるかもしれません。その時に大切なのは、情報をふるいにかけること。とっておくのは自分に役立つ情報だけ。それ以外の情報は、人と人を繋ぐために使うのです」

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texte : Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr)

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