重荷になってきた友情を、うまく断ち切るには?

Culture 2021.05.24

長引くコロナ禍、繰り返されるロックダウン......。この機会に、人生をシンプルにして身軽になるために、負担になっている友人関係を解消しようと決心した人もいるのでは? ふたりの専門家が、心理学と外交術を駆使したメッセージの発信方法をアドバイスする。

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友人とスムーズに縁を切るには、話し合うこと。photo:Getty Images

おうち時間はじっくり物事を考えるのに最適な期間。普段の習慣や日常を見直した人も多いだろう。自分にとって必要なものは何か、そして特に、もう必要ではないものは何かを見極めること。この人生の「仕分け」は友情にも及ぶ。友人との関係を改善したいとき、あるいは相手を傷つけずに適度に距離を取りつつ、きっぱりと縁を切りたいときはどうしたらいい? 心理カウンセラーと心理学者がアドバイスする。

理由を伝える

決心したはいいが、伝え方に悩むところだ。言われた相手も簡単に納得してくれるとは限らない。スムーズに関係を解消するためには、話し合いが必要だ。「縁を切る理由を告げずに連絡を絶つのは、相手を不安にさせ、傷つけてしまいます」と心理セラピストのサラ・セリエヴィク(1)は言う。実際には、距離を取る理由を正直に伝えるのがベストだ。「“連絡しなかったのは、最近会話がはずまないと感じていたから。意見が食い違うことも多くなった。私たち、何かうまく行っていない気がする。あなたの意見を聞かせて”といったように」とセリエヴィク。できるだけ相手を傷つけないように、相手にも考えてほしいという気持ちを伝えよう。

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感情を整理する

自分たちの関係のどこに問題があるのかを把握するために、時間をかけてあらかじめよく考えよう。「私は何が気に入らないのだろう? 私はあの人と一緒にいる時間を楽しんでいるだろうか? 自分にも責任があるのでは?」こう自問してみるといいとセリエヴィクは言う。こうして反省した後なら、友人と理性的に話し合いができる。「こちらが感情過多の状態だと、友人に激しい感情を向けることになります。それでは相手も受け止めきれません」。要するに、感情的にならずに、心を込めて話すこと。

批判や非難はしない

「私はこう感じた。だから私はこうせざるをえない」という言い方をするようにしよう。つまり「自分が感じている気持ちだけを述べるわけです」というのは、心理学者のベアトリス・コペール=ロワイエ(2)。こうすれば相手の反応を見ることができる。心理セラピストのセリエヴィクによれば「あとは相手のエゴの大きさによります。自尊心が強いタイプなら、“何を言っているの、あなたの思い過ごしよ。被害妄想よ”という返事が返ってくる。そういう相手にこちらの言い分を理解してもらうのは難しいでしょう」。その場合は「反論せずに、あなたも考えてほしいと相手に伝えるといい。自然に疎遠になるはずです。相手もおそらくもう連絡してこないでしょうから」

焦らない

現在はとても特殊な状況なので、まずじっくり考えてほしいとコペール=ロワイエは言う。「焦らないようにしましょう。慌てて決断しないこと。ロックダウンをどう過ごしたかは人によって違うので、友人たちから期待はずれの反応が返ってくることもあります。生活が徐々に元のリズムを取り戻すにつれて、こうした友人たちへの見方も変化するかもしれません」

はっきり言う

決心がついたら、友情を終わらせたいという意志を相手に包み隠さず伝えることが大切だ。セリエヴィクは言う。「相手がこれまで自分にしてくれたことに感謝の気持ちを伝え、それぞれの人生が変化して、互いに相入れなくなったと説明することが重要です」

(1)Sarah Serievic著『Aimer sans masque』Seuil出版刊
(2)Béatrice Copper-Royer著『Et la Famille recomposée, pas facile mais possible』Solar出版刊

text:Lisa Connan (madame.lefigaro.fr)

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