名作で有名な"あの子グマ"が、ロンドンからやってくる!
ニュース
アイバー・ウッド画 商品化のためのアイデア画、1970 年代後半 Illustrated by Ivor Wood © Paddington and Company Ltd 2018
「どうぞこのくまのめんどうをみてやってください。おたのみします」
こんな札を首から下げ、駅のプラットホームにたたずんでいた子グマ。これが世界中で愛され続けているイギリスの児童文学「パディントン」シリーズの主人公・くまのパディントンと、その後彼の面倒をみることになるブラウン夫妻との出会いでした。帽子をかぶり、ペルーからたったひとりでやってきたという、その子グマが立っていたのはパディントン駅。そんなわけで子グマは「パディントン」と名付けられました。
作者のマイケル・ボンド氏は、このプロローグについて、第二次世界大戦のロンドン空襲によって郊外に逃れた子どもたちが名札をつけて駅をさまよっていた光景が忘れられず、平和への願いを込めてくまのパディントンが心やさしい家族に拾われるエピソードを描いたと語っています。ロンドンを舞台に、ブラウン夫妻と二人の子どもたちとパディントンが繰り広げるユーモアに満ちた物語は、大人気となり、多くのシリーズが生まれて絵本やアニメーション、映画やぬいぐるみなどにも展開されています。
「パディントン」シリーズの生誕60周年を記念した本展では、児童書の挿絵でおなじみのペギー・フォートナムの原画や、絵本の原画、4コマ漫画など、絵本作家やイラストレーターたちが描いたさまざまなパディントンが勢ぞろい。ドイツのシュタイフ社が作った、ファンにはたまらない貴重なぬいぐるみも。また、昨年6月に亡くなった作者のマイケル・ボンド氏に取材した特別映像も必見です。舞台となったロンドンの名所やイギリスの文化も合わせてたどりながら、パディントンの物語を堪能してください。
R.W.アリー画 絵本『クマのパディントン』の原画、2007 年 Illustrated by R.W. Alley Illustrations copyright © R.W. Alley 2018
ペギー・フォートナム画 『パディントン、テストをうける』の挿絵原画、1979 年 Illustrated by Peggy Fortnum © Paddington and Company Ltd 2018
マイケル・ボンド氏 © P&Co. Ltd. 2018
【関連記事】
骨董の目利きが営む、千葉の私設ミュージアム。
見て、遊んで、食べて、市原湖畔美術館でアート入門。
会期:2018年4月28日(土)~6月25日(月)
Bunkamura ザ・ミュージアム
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
営)10時~18時 ※金、土は21時まで。※入館は閉館の30分前まで
休)5月8日(火)、6月5日(火)
一般¥1,400
tel:03-5700-8600(ハローダイヤル)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_paddington/
texte:SATSUKI UCHIYAMA