クリエイターの言葉

Z世代のスター、待望の初アルバムをリリース。

インタビュー

恋した女の子が着ていた赤に、想いを馳せて。

ガール・イン・レッド|シンガーソングライター

ガール・イン・レッドことマリー・ウルヴェンは、ノルウェー出身の現在22歳。5年前からEPを発表し、2017年の「I wanna be your girlfriend」で注目を集めた。レズビアンとしての心情を率直に述べた歌詞と親しみやすいメロディ。その鮮烈な融和が世界のティーンの心を捉えたわけだが、初アルバム『if i could make it go quiet』からは、アーティストとしての覚悟も感じとれる。

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「失恋など痛みに向き合いながら、1曲1曲、時間をかけて作りあげた」と彼女が語る、ファーストアルバム。曲調とサウンドはバリエ豊富だ。先行シングル「Serotonin」はビリー・アイリッシュの兄であるフィニアスが共同プロデュースし、赤裸々な歌詞に反して風通しのいいポップに。ダークなセカンドリード曲「Body And Mind」では、死期の悟りをテーマにしつつ自己愛についても歌い込んだ。『if I could make it go quiet』アステリ・ エンタテインメント ¥1,681 〜

「19年から20年初頭にかけて書いた曲を録音したこの作品は、その時期の日記みたいなもので、自分の成長の記録とも言える。その頃の忙しさと感情の動きはまるでローラーコースターのようで、それはサウンドにも反映されていると思う」

確かに、軽やかなシンセポップ、荒ぶるインディロック、メランコリックなスローまで、サウンドに統一感はなく、まさにローラーコースターのごとく感情が上がり下がりする。音楽の様式にとらわれず、曲の持つテーマの核心にどれだけ迫れるか、表現者として真摯に向き合っていることがわかる。

「曲作りも同じ手法を用いることはなくて、ギターで作ることも、ドラムビートから入ることも、ピアノの前で閃くことも、犬の散歩中に言葉が浮かぶこともある。ただ、悲しい歌詞に悲しいメロディをつけることは誰もがやっているので、なるべくそうじゃない新しいやり方を探るようにしているの」

シングル「Serotonin」がまさにそうで、歯切れのいいビートの曲でありながら、壊れる寸前の心の不安定さを歌っている。「相反するもののコントラストに惹かれる」と言い、それは物思いにふける人物の周りに花が咲いている奇妙なタッチのアルバムジャケットの絵にも表れている。

「悲しさの中に少しだけハッピーが見えたりとか、そういうのが好きだから、たまたまギャラリーでひと目惚れしたこの絵をジャケットにした。どこか自分に似ている気もするし」

赤いスウェット、赤い花。「Serotonin」のMVに出てくる風船も赤かったし、そもそも名前がガール・イン・レッドだ。

「赤になんの意味があるか? 特にないけれど、ずっと前に、フェスである女の子に恋をして、その子が赤いスウェットを着ていて。その子との関係の感傷的な気持ちから、ガール・イン・レッドと付けたから……。いま訊かれるまで気付かなかったけど、確かに自分にとって、赤は特別な意味を持つ色なんだね」

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ガール・イン・レッド/GIRL IN RED
1999年2月、ノルウェー生まれ。マリー・ウルヴェンによるソロプロジェクト。インスタグラムは200万人がフォロー。楽曲はSpotifyですでに10億回以上の再生回数を記録している。

*「フィガロジャポン」2021年8月号より抜粋

text : Junichi Uchimoto

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