Music Sketch

野外フェスといえば、フジロックフェスティバル'14

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直前の記事になってしまいましたが、今年もフジロックフェスティバルの時期がやってきました。今まで行ったことがなくて、初めて行こうか迷っている方には、是非足を運んでほしいですね。今年で第18回目を迎えますが、第1回目から参加している身としては、年々細部にわたってますます改良されていて、大自然の中で音楽やアートを体感できる"野外フェス"という名にふさわしい、そのエリア全体がエンターテインメントな会場になっていると思います。

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フジロックフェスティバルのGREEN STAGE。この爽快感はクセになります。Photo:宇宙天使☆スター

初心者向けに書いておくと、場内はかなり歩きます。足場が良くない場所もあるので、歩きやすいスニーカーと、雨が降った時のためにしっかりしたレインウェア&レインブーツは必須(全く雨が降らなかったのは2012年のみ)。そして晴れた時のための日焼け止めと虫除けスプレーやリング、夜冷えた時のためのパーカーも是非用意して。あとは携帯やお財布が濡れないようにジップロックのような水が入らない袋、土埃を避けるためのストールやマスク、帽子やサングラスも必須。場所取りも兼ねたアウトドアチェアやシートの放置は禁止されているので、持ち運びやすい携帯用のチェアを用意しておくと便利です。混む時はとても混みます。フードコートで座れないこともしばしば。なお会場の入り口でビニール袋が配られますが、これはゴミ袋にもシート代わりにも簡単な雨具代わりにもなるので、必ず受け取って下さい。そして言うまでもなく、フジロックは世界で一番ゴミの出ないクリーンなフェスと賛辞されていて、有名なフェスとして海外からも参加を希望するミュージシャンが多いことでも有名です。

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音楽から離れ、川の水に浸かって、のんびりする時間も。Photo:Go Okuda

メインとなるGREEN STAGE、WHITE STAGE、気鋭のアーティストが集うRED MARQUEEをはじめ、ライヴが随時行われる会場は13カ所もあり、HPを見てもらえばわかるように、出演者の数はとてもとても多いです。基本フジロックというとイギリスのミュージシャンが多いような気がしますが、邦楽のアーティストを含め、ジャンルに関係なく多種多様なミュージシャンが集まっています。そして、FIELD OF HEAVENやORANGE COURTでの演奏に代表されるような、その場の空気から音楽を生み出していくようなジャムセッションを中心としたパフォーマンスが多いのもこのフェスの特徴だと思います。

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夜遅くまで開いているCRYSTAL PALACE TENTのような会場も。Photo:宇宙天使☆スター

この他にも、子供と遊び場KIDS LANDで戯れたり、木道亭に進みながら森林浴を楽しんだり、冷たい川の水に足をつけてのんびりできる一方で、世界各国の食が集ったフードコートやサーカスのようなTHE PLACE OF WONDER、またCafé de ParisやPYRAMID GARDENといった風情ある会場でパフォーマンスを堪能するなど、楽しめる場所は際限なくあります。

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《FIRST AID KID》スウェーデンの美人姉妹。ジャック・ホワイトが絶賛し、今ではイギリスのグランストンベリーやアメリカのロラパルーザといったフェスに出演し、安定した人気を得ている。

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《FOSTER THE PEOPLE》ロサンゼルスを拠点とする3人組。最新作『スーパーモデル』も素晴らしく、絶対にオススメ!!!

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《BASEMENT JAXX》イギリスで絶大な人気を誇るダンス系ユニット。フジロックではお馴染み。

さて、FIGARO読者にオススメのミュージシャンといっても、もう好きに楽しんでいただきたいし、私自身も観たいライヴがありすぎて書き切れないのですが、たとえば25日(金)は、THE LUMINEERS(26日も出演)、HUNTER HAYES、FIRST AID KITあたりをのんびり堪能してから、夕暮れ時に向けてFOSTER THE PEOPLE〜BOMBAY BICYCLE CLUB〜電気グルーヴと踊りまくり、空腹を満たした後はBASEMENT JAXXへ突入という感じでしょうか。DISCLOSUREは過去2回見ていますが、野外のライヴも体感してみたいですね。その一方でROVO and System7〜MOE.の流れもとても心地よいと思います。深夜も元気なら、オールナイトフジで踊り明かして。

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《DAMON ALBARN》ブラーのフロントマンであり、ゴリラズをはじめ、多彩なプロジェクトを展開。ソロアルバム発表後のステージだけに期待が高まる。

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《ARCADE FIRE》カナダ出身で、現在は6人編成。グラミー賞をはじめ数多くの賞を受賞し、ユニークな音楽性からも世界最高のライヴバンドの一つと言われている。

26日(土)はフェス好きにはたまらないパーティ・バンドが多く、この日もとても盛り上がりそう。また、私はマイク・スコットが大好きなので、THE WATERBOYSは是非見たいところだし、DAMON ALBARNはどんな編成でどのようなステージを繰り広げるのか気になるところ。ST.VINCENTは何度も見ていますが、さらに進化していそう。そしてARCADE FIREも必見。イギリスで絶大な人気を誇るBIFFY CLYROのパフォーマンスも気になります。のんびり飲みながら観るのも良し、チラ見しながら興味が湧いてきたら前で見るのも良し、まぁ人気の高いものは入場規制が入る場合がありますが、山道なので行き来はスムーズではなく、そこはゆるりと楽しんでいただきたい気がします。モッシュなどで騒ぎたい人たちはNGなので、そこはフジロックのマナーを守ってほしいです。

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《JOHN BUTLER TRIO》オーストラリア出身の3人組。ロックやブルースなどを超えたグルーヴありきの音楽がとにかくカッコイイ。

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《THE FLAMING LIPS》奇才ウェイン・コインを中心としたアメリカのバンド。スペースロックとも呼ばれるユニークな世界観を展開。

27日(日)の絶対オススメはJOHN BUTLER TRIO。またドラマーが変わってしまいましたが、ジョン・バトラー自身が放つグルーヴ自体は変わらないはず。フジロックでこそ体感してほしいバンドです。THE FLAMING LIPSも単独公演のような仕掛けはないにしても、絶対に何かやってくれそう。ASGEIRは夜になってから聴きたかった気分ですね。KELISとOUTKASTも楽しみです。とはいえ、実は個人的にはハコとしてRED MARQUEEが好きなので、この日は特にdowny〜OWEN PALLETT〜OK GOあたりから最後のLORDEまでいたいような。でも、LORDEは単独公演のチケットを購入したので、あまりにこちらが混んでいたら諦めます(苦笑)。この日に限らず、邦楽も好きなバンドが多々出るので迷いますが、友達と一緒に見たいものや、なかなかフェスでしか観られないミュージシャンを優先するのもアリだと思います。

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《KELIS》最新アルバム『フード』が素晴らしかったので、その歌声に聴き惚れたい。

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《OWEN PALLETT》同じカナダ出身のアーケイド・ファイアーや、ビョークとも交流の深い天才肌のミュージシャン。スパイク・ジョーンズ監督の映画『her/世界でひとつの彼女』は第86回アカデミー賞「作曲賞」にノミネートされている。

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《LORDE》弱冠17歳で、時の人になってしまったニュージーランド出身のシンガー・ソングライター。生で歌が聴けるのは大興奮。

フェスは自己管理が大切なので、怪我や病気、盗難に気をつけて、あとは心地よく過ごすのが一番。一時的に豪雨に見舞われることもあるかもしれませんが、大自然の中で聴いた素晴らしい音楽は一生の思い出になるはずです。私も自分の仕事と体調と相談しながら今年のプランをこれから立てますが、東京からでも日帰りも可能なフェスなので、美味しい空気を深呼吸しながらふらりと足を運んでほしいですね。

詳しい情報はコチラに。
フジロックフェスティバルのHP→http://www.fujirockfestival.com/


*To Be Continued

伊藤なつみ

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

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