TAO'S NOTES

【TAO連載vol.12】実践! セルフラブ

TAO'S NOTES

セルフラブ。

ここ数年私の周りでよく耳にするようになったワードである。

自分を肯定する。自分を労う。自分を愛す。
簡単に聞こえるけど、これが本当に難しいといつも思う。
自信がないわけではないが、自分を愛してあげる、というのが何だか気恥ずかしくて軽視してしまっていた。

そんな私が最近あらためて自分と向き合おうと思ったのは、上手くいかないことが続いたからだ。
勇気を出して行動したことが空回りする、自信がほしくてやったつもりが逆に自信を失うような結果になった事柄が、何件かたて続けに起こった。

そんな時、あるヒーラーの方に出会った。
カウンセリングやスピリチュアルなものはあまり得意なほうではないのだが、いまの逆境から抜け出したい気持ちと、何かにすがりたい気持ちがあって、セッションをしていただくことにした。

ひととおり話した後、彼女に言われたのは、いかに私が自分自身に厳しく、過小評価しているかということだった。そしてそうすることによって、否定的な自己評価が他人からの評価へと投影されてしまっているというのだ。

考えてみたらそうだ、「私なんて」「私のせいで」などという否定的な感覚でいれば、周りに伝わってしまうものである。

たとえば私の場合、映画やテレビドラマに抜擢され、尊敬する人たちと仕事ができる時に、「私なんてまだまだ」という謙遜に見せた否定的な姿勢でいるのは、自分を選んでくれた人に対してとても失礼になる。だけどその感覚がなかなか拭えない。相手を本当に評価し尊敬しているならば、その人が選んだ私は素晴らしいものを持っているに違いない!と思うべきなのだ。

簡単なことなのに、当たり前のことなのにできないのは、上記のように日本には謙遜するという文化があるからのように思う。

自分のことを褒めたり、自分に自信があるような発言をしたりすると、「うぬぼれている」などと捉えられたりする。

ヒーラーの方曰く、実際に声に出さなくても、頭の中で唱えるだけでだいぶ違うらしい。最初は抵抗があっても、「私はこんなところが素晴らしい」「私は美しい」というように自分を肯定してあげることで、徐々に本当に信じられるようになるという。そうすることによって心に栄養が行き届き、おごったナルシシストになるのではなく、他者にも優しい人になれるらしい。

自分に厳しい人は知らぬ間に他人にも厳しい目を向けてしまうことがあるけれど、自分に優しくしていれば自然と人は他人にも優しくなれる。ごもっともだと思う。

私の周りに数人ではあるがそれを体現している人たちがいる。自分のことが大好きな彼女たちは、キラキラしたオーラに包まれ、他人のために何でもしてくれる気前のいい大きい心を持っている。そんな瞬間を見るたびに、私もこういう人になりたい!といつも思っていた。

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もうひとつ言われてぎくっとなったのが、私が「優しさ」について誤解をしているということだった。
深く意識したことはなかったのだが、実際「優しい」という性格はキャリアを築くことにおいて邪魔なことなのではないかと思い込んでいた節があった。10代の頃から人前に出る仕事を始め、周りを見渡すと、自己主張のできる人、自我の強い人たちが成功しているような気がしていて、逆に周囲を気にかけたり、一歩後ろに下がっている控えめな人たちはトップにはなれないんじゃないかと勘違いしてしまっていた。
優しさは弱さではなく、強さだということも大人になって知ったはずなのに、見よう見まねで作ってきたこうあらなければ秀でる存在になれないという思い込みから生まれた虚像に、だんだんと無理が出て本質の私とズレが生じてきたという感じだ。

この世界では目立ってなんぼだと思い、どうやらその本質をちゃんと見極められないまま自分の繊細で柔らかい部分を見せないように、バレないように被っていた殻が硬くなり、化石化してしまったらしい。このこじれを解消するのには、少し時間がかかりそうである。

LAに住むある友だちは別のカウンセラーの方に、自分の良いところ、好きなところを100個、自分がいままでに成し遂げたことを思い出せるかぎり書き出すという宿題を出されたらしい。それを聞いて私もさっそくやってみた。
自分の良いところは20個くらいは割とスラスラと書けたのだが、それ以降はかなり時間をかけてやっとこさ絞り出した感じだ。成し遂げたことも同様、思い出すのに苦戦した。

しかし書き終わってみると、不思議なことにとても清々しい気持ちになった。なんだ、私も捨てたもんじゃないな、という気持ちになれた。

人は物事がうまくいかないとその理由と原因を突き止め、自分を責めたり、改善しようと奮闘する。
向上心があるのは良いことに違いない、ただあまり自分に鞭ばかり打って、まったく飴を与えてあげないと、荒んだ心になってしまうのかもしれない。

「今日もこんな素敵な私でいてくれてありがとう!」

いまだにこそばゆいが、今後自分のために、周りの愛する人たちのために実践していこうと思っている。

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ありのままの自分を愛でる。旅をしたり、自然の力を借りて素直になってみるのも効果的。

TAO

千葉県出身、LA在住。14歳でモデルを始めた後、2013年『ウルヴァリン:SAMURAI』のヒロインとして女優デビュー。以降、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16年)やドラマ「ハンニバル」「高い城の男」(ともに15年)など話題の映画やテレビドラマに出演。18年はHBOドラマ「ウエストワールド」に出演、日本では『ラプラスの魔女』や『マンハント』が公開され、国内外で活躍の場を広げる。インスタグラムのアカウント@emeraldpracticesでは、バイオダイバーシティや環境問題について投稿。新たにポッドキャストにて「エメラルド プラクティシズ」をスタート、ゲストを迎えてグリーンなライフスタイルへのヒントを発信していく。

※TAOのオフィシャルインスタグラムでは、連載「TAO'S NOTES」で読みたいテーマを随時募集中。コメントまたはDMにてお知らせください。@taookamoto

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