シトウレイのパリコレ日記 【パリコレ日記vol.4】建築マニアの血が騒ぐ、煌びやかなショー会場。

Fashion 2020.03.27

シトウレイです、ボンジュール!

今日1番目のショーはSTELLA McCARTNEY(ステラ マッカートニー)、会場はステラといえばのオペラ座はガルニエ宮。
実はシトウ歴史的建築マニアなので、会場に入るのがもう楽しみで仕方がない。
だって見てみてーーー!

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う、美しい……。

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「一瞬も 一生も 美しく(by資生堂)」ではないですが、ディテールも全体も、どこをとってもため息必至の美しさやで……。

さて、この煌めく歴史的な空間で、今回はこんなポップで楽しい演出を。

ウサギや馬や牛やワニ、動物の着ぐるみがお出迎え! ゲストのみんな、童心に返り、一緒に写真撮ってました。自然に顔がほころんじゃいます。

フィナーレにさっきの着ぐるみでてきたー!!!
ググッとシックで深みがある今回の洋服たち(ショーのルックはコチラ)と、ファニーな着ぐるみとのギャップがとってもおもしろくって(ランウェイのモデルさんもついつられて踊ったり、笑っちゃったり)。

で、この着ぐるみの動物たち。ステラがサステナビリティだったり動物愛護に取り組んでいるのは衆口一致なところだけど、こういったものって、得てして堅苦しくなりがち。
こんな風にユーモアを持って表現することで、伝わりやすくなるんじゃないかなって思います。

おおよそすべての物事に言えることだけど、‟伝える”だけでは自己満の範疇でしかなくて、大事なのは‟伝わる”こと、伝えたい相手に受け入れてもらうこと。

そういう意味でも今回のステラの信念の‟伝え方”、最高にクールでクレバーだなって。「かっこいい」って、つまりそういうことだと思う。

そうそう、会場にはこんなギフトも。

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苗木のギフト。添えられたメッセージは「二酸化炭素の削減のために木を植えましょう」という内容だったのですが(ステラのこういうところもとても好き!)……いかんせんコレ、日本に持ち帰れません(空港の植物検疫で引っかかります)。泣く泣く諦め、次に向かったのがこれまた大好きなSACAI(サカイ)

会場に入ったら、はす向かいの席にスコット発見。
ストリートスタイルフォトグラファーの権威(そして随一のふざけたがり屋)であり、私の大事なフォトグラファー友達。

ストリートスタイルフォトグラファーって2種類に分かれるなと思っていて。
① 世界中で行われるコレクションも、開催中にあるショーもすべて回って撮るタイプ
② 自分が好きな国とショーだけに照準を絞って撮るタイプ

スコットといえば、確実に②のタイプの最たるものなのだけど、サカイで彼を見かけたのはわりと日本人として(という言い方もアレですが)誇らしいなって思って。

ショーのルックはコチラ

毎回ボリュームのある体数がサカイのランウェイには出てくるのだけれど(メンズもレディスも!)、これ全部デザイナーの阿部さんがひとりで絵型描いてるんです!!! 3カ月に1回このボリュームのクリエイションするって、あらためてこのエネルギーを持ってるってことが天才の領域だなぁって思う。

またちょっと話それちゃいますが、「自分超え」って言葉はわりと自分の人生におけるテーマになってて。
それはというと「前回(前シーズン)の自分を超える」ってことなんですが、つまり
「半年前の自分がいまの自分を見たら、多分きっと『悔しい!』って嫉妬しちゃうだろうな」って結果を残すということで。

阿部さんは、毎回毎回(年に4回も!)それをやってるのだから、本当に本当に、あらためてすごいとしか言えない。このエネルギーは一体どこからやってくるのだろう……。一度膝つき合わせてじっくりゆっくり話を聞いてみたい、女性として尊敬しないではいられない人。

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その後は、スウェーデンの友達スーザンがやってる展示会に。セリーヌやアレキサンダー・マックイーンで働いていた背景を持っていて(なのでとてもシンプルだけれども力強いものを作る)、今年「Elle Accessories Designer of the year」を獲ったりと、アップカミングなデザイナー。

彼女はちなみにとても控えめで、ある意味日本人以上に慎ましい人。
彼女の名前を冠したブランド、SUSAN SZATMARY(スーザン サツマリー)はコチラ。

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またアクセサリーが素晴らしい。特にシェイプ!

これ私のお気に入り! 着けた時に、「おおっ!」と感じるデザインになってて。
アクセサリーの世界は本当に奥が深いな、とあらためて思いました。
着けて初めて完成する造形美(や美のずらし)がある。

夜はPACO RABANNE(パコ ラバンヌ)のショップのオープニングのレセプションに。
「プリクラみたいなのできますよ~」って言われたからはやるよね。ということでみんなでキャイキャイしておりました。

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パコ ラバンヌ、海外では評価が高い(&私もすごい好みな)のに、日本ではまだまだこれから、なメゾン。実はストリートフォトグラファー視点で言うと、同業のフォトグラファーに「パコ行く?」って聞くと「Why not?(もちろん!)」って即答されるくらいにマストなショー会場だったりするんです。

それはつまり、とにかく来る人がお洒落だから、というのがその理由(そしてお洒落な人が来る会場&ブランドは、必ず伸びていくブランドになる、というセオリーがある)。
日本でも早くフルラインの展開始まるといいなぁ。

Paco Rabanne Paris
54, rue du Faubourg Saint-Honoré, 75008
 +33 1 83 97 71 55

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最終日。悔いがないように撮りきるわ! と気合いを入れて向かったのはCHANEL(シャネル)

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控えめに言って、ごく控えめに言ってここ最高だった!
ショーはもちろん、来るゲストの人たちがとにかく良くて、撮っててすっごく楽しかった!
写真の神様が、この1週間頑張ってたから最終日にご褒美をくれたのかしら……? と思うくらい撮れ高最高だった!

そしてショーはこんな感じ! ソフトでエレガントなクリエイション。

ショーのルックはコチラ

次に向かうはイエナ宮。ここは毎回MIU MIU(ミュウミュウ)がショーをやる場所。

もうね、

どれもこれも可愛くて!

この胸元パッカー! っと開きつつクラシカルってのも好き好きー!

キラキラトップにカーディガンをストールみたいに巻いてて。この着こなし好き!

ミュウミュウって、カルチャーとかに造詣が深い、中身のあるギークで可愛い女の子のための服なんだと思います。だからこそ好き。

ショーのルックはコチラ

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最後はLACOSTE(ラコステ)
ニューヨークでよく撮らせてもらってた人で、かっこいい女の人がいたんだけど、

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これはいつかのニューヨークで撮らせてもらった一枚。

この彼女(ちなみにルイーズ・トロッターだ、ということは私知らずに撮ってました……)がクリエイティブディレクターになって、すごくキャッチー&いまっぽくなって。

色使いが私は好みだった!

ショーのルックはコチラ

今回、たくさんショーを見させてもらって、そして同様にそこに来る人たちのリアルなファッションを撮らせてもらって。

デザイナー、ディレクター、バイヤー、PR。コンサルタントにインフルエンサー、編集者からスタイリスト、ストリートキッズ、そしてそれを撮る私たちフォトグラファー。

すべての人に共通して言えるのが「好き」っていうその熱量、その強さ。「自分が好きだって思ったそのことを、きっと絶対世の中で表現するぞ、伝えてやるぞ!」っていうその強い情熱。

のっぴきならないファッションに対する熱情が、世界中から集まってきてて。大きな熱情が集まる場所にいると、なんだか自然にエネルギーをもらえる。

「好き」っていうポジティブなエネルギーしかない、ここはある意味サンクチュアリだと思う。

だからこそ、行くのやめられないんですよね。コレクションって。
ああ、またもうあの怒濤の毎日が恋しくなってきちゃった—!

シトウレイ・パリコレ日記2020-21AWはこの辺で。
ではではまたね。

Enjoy Fashion &Wash your hands!

REI SHITO

日本を代表するストリート・スタイル・フォトグラファー、ジャーナリスト。STYLEfromTOKYO主宰。
毎シーズン、世界各国のコレクション取材を行い、独自の審美眼で綴られる言葉と写真が人気を博している。ストリートスタイルの随一の目利きであり、「東京スタイル」の案内人。ストリートスタイルからランウェイまでファッションに対する幅広い知見から、企業のアドバイザー、商品プロデュース、ファッションセミナーなどジャンルを超えて活動の幅を広げている。
2020年4月中に、パリコレ会場付近で撮影したスナップをもとにファッションを語る無料オンラインセミナーを開催予定。

セミナー詳細:https://www.ifi.or.jp/news/?itemid=40&dispmid=525
Instagram: @reishito

【関連記事】
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【パリコレ日記 vol.2】おとぎ話のようなプレゼンテーション。
【パリコレ日記vol.3】私が50代になったら着たい服。

photos et vidéo et texte : REI SHITO

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