追悼:アルベール・エルバス すべての人のために、エルバスが立ち上げた夢工場。

Fashion 2021.04.26

4月24日に亡くなったアルベール・エルバス。2015年にランバンを電撃的に去った後、ファッションの別の形を与えることを目指し、2021年1月、パリで新ブランドを発表したばかりだった。

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パリ・オートクチュール・ウィークで、「AZ FACTORY」を発表したアルベール・エルバス。photo : Getty Images

発表は、2021年1月25〜28日に開催されたパリのオートクチュール・ウィーク中。エルバスは、スイスのリシュモン・グループと提携し、ブランドを立ち上げ、復帰を果たした。

「AZ  FACTORY」(Alber Elbazの最初と最後の文字、かつAからZまでのシステムを再考することを意図している)というブランドで、彼は「すべての人のために」機能する「ソリューションを重視」したデザインをすると紹介した。

2015年、エルバスのランバン退社は大きな痕跡を残した。彼は15年近くにわたり、フランス最古の現役ブランドを率いてきた。多くの人にとって、アルベール・エルバスはランバンであり、ランバンはエルバスだった。イスラエル系アメリカ人エルバスが去ってから、メゾンは、彼が築いた成功をなかなか取り戻すことができなかった。2019年にブルーノ・シアレッリを迎えた現在では、以前よりもとんがった、ソワレのドレスのイメージとは遠いタイプのスタイルへと方向性を変えている。

この5年間で、アルベール・エルバスはファッションシーンから完全に消え去っていたわけではない。2019年にトッズでカプセルコレクションを発表したのは記憶に新しい。また、世界各国で行われたカンファレンスでは、アートディレクターを「イメージメーカー」に変えてしまう業界を嘆き、CEOとデザイナーの有害な関係を告発するなど、ファッション業界について赤裸々に語っていた。

【関連記事】アルベール・エルバスがランバンで最後に発表したコレクション。

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夢の工場

現行のシステムに対する批判が、ファッションシーンへの考え抜いた復帰につながった。エルバスは新レーベルについて、2019年、ニューヨーク・タイムズに「プレ・コレクションも、コレクションも、ポスト・コレクションもやらない 」と語っている。業界のコードを変革したいという彼の意思は、まず、言葉使いを変えることから始まった。「ブランド」という言葉は、「ドリームファクトリー」や「スタートアップ」に置き換えられた。

その言葉とブランドの描く姿は、クロエも傘下に収めるリシュモン・グループの心をつかんだ。リシュモン・グループの代表取締役会長であるヨハン・ルパートは、AZ FACTORY についての声明の中で、次のように述べている。「アルベール・エルバスが、ファッションに対するビジョンと、それに触発されたプロジェクトについて語るのを聞いて、彼の創造性と洞察力に改めて驚かされました。彼の才能とアイデア、そして女性とその幸福に対する感受性は、我々のグループとメゾンにとって大きな価値を持つでしょう」

texte : Marion Dupuis (madame.lefigaro.fr)

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