21年最新コレクション、注目ルックは?

Fashion 2021.06.30

栗山愛以

人気連載「Snap of the Week」やブログ「栗山愛以の勝手にファッション談義」を執筆中のライター栗山愛以が、最新コレクションから注目ルックをピックアップ! コレクション全ルックはもちろん、各メゾンのドラマティックなフィルムと合わせてチェックして。


CHANEL

永遠の目標、品格のあるロックな姿勢。

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ムービーの撮影場所は南フランスにある元採石場のミュージアム「キャリエール ドゥ リュミエール」。今季の着想源、ジャン・コクトーの映画『オルフェの遺言』(1960)のロケ地でもあった。彼の「前衛的な作風」にならって、ロックな要素を取り入れたというコレクションは大好物なムード。とくに網タイツやダメージ加工が施されたタイツ、ダブルCのリップリング(いまはマスク生活で披露できないのが悲しいが、商品化されるのならぜひ手に入れたい!)、太ももに付けるベルトバッグといった小物遣いが気になった。こちらのルックはスカートに深いスリットが入っていて網タイツをアピールできていていい。品格があってパワフル。永遠に目標としたい姿勢である。

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LOUIS VUITTON

モードなマーチングバンド。

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PHOTOS LOOKS RUNWAY
Giovanni Gianonni

ロケ地はパリ郊外の新興住宅地にある「アックス・マジャール(大都市軸)」。彫刻家、故ダニ・カラヴァンが約40年をかけて制作したそうで、パリ近郊にこんなフォトジェニックな場所があったとは!と驚かされた。コレクションは「マーチングバンド」をイメージし、カラフルでエネルギッシュ。コロナ収束後の明るい未来を想像しているのか、ポジティブな印象を受けた。「マーチングバンド」といえばNetflixのビヨンセのドキュメンタリー「HOMECOMING」(2019)を思い浮かべてしまう私が気になったのはこちらのルック。「ビーチェラ」のバックを務めたマーチングバンドのように、これぞ!なユニフォーム的アイテムにぜひトライしたい。

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DIOR

ギリシャ風ドレスをスポーティに着る。

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ディオールの会場も壮大。ギリシャ・アテネにある近代オリンピック発祥の地「パナシナイコスタジアム」で、東京オリンピックの聖火引継式も開催されたよう。コレクションは古代彫刻を彷彿とさせるシルエットやブルーの使い方などがギリシャ的。ビョークが2001年のアカデミー賞で着た「スワンドレス」へのオマージュ?! と憶測を呼んだフィナーレのドレスも、スパルタ王妃、レダが白鳥に変身したゼウスに見初められる、というギリシャ神話から来ているとか?ということでやはり「ギリシャ感」の強いルックを選んでおきたい。クチュールライクなプリーツドレスにボディスーツやスニーカーといったスポーティなアイテムの組み合わせは軽やかに着られそう。

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CHLOÉ

中南米の薫り漂うサステイナブルスタイル。

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ガブリエラ・ハーストがクリエイティブディレクターに就任してからサスティナビリティを積極的に打ち出すようになっているクロエ。今季も環境への負荷が少ないマテリアルがコレクションの55%を占めている。さまざまな文化を取り入れ、手仕事を重視した70年代ヒッピーカルチャーがクロエのイメージの一部分を構成しているように思うが、こちらのルックはそれを体現している。ウルグアイ出身のガブリエラらしい中南米のテイストもぷんぷん。ジーンズやスニーカーでモダンに着地しているが、これらのアイテムも徹底してサステイナブルなのだそう。

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COACH

レトロなスキーウエアにキラキラアイテム。

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上海市は、今年2月上旬以降海外からの入国者を除き新型コロナウイルスの感染者が確認されていないという。コーチはそんな上海でランウェイショーを開催。「ウィンター」と銘打ち、2021-22年秋冬のトレンドでもあるスキーウエアを彷彿とさせるコレクションを発表した。あいにく筋金入りのインドア派である私はスキーをしたことがないのだが、ゲレンデから戻った後はナイトアウトをするものらしい。それをイメージしたというスパンコール付きのブラウスを合わせたこちらのルックが気になった。鮮やかな色使いやスポーティな風がモード界の本格再始動を予感させ、わくわくしてしまう。

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EMILIO PUCCI

優しさあふれるリゾートウエア。

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「旅」をテーマとし、60年代のムードに着想を得ている。光り物に目がないためスパンコールのアイテムも大いに気になりつつ、今回はリボンがあしらわれたアノラックとスイムウエアに、60年代の薫りがするシルバーのローヒールのスリングバックパンプスを合わせたルックを選んでみた。スキー未経験のうえにカナヅチなので完全に妄想だが、こういうスタイルで南国のビーチを闊歩すると、きっとすてきなんだろう。コロナ禍以降、エミリオ・プッチはアーカイブモチーフを主にこうしたパステルカラーで表現している。しかし、だんだんコントラストの強い色の組み合わせにも存在感が。皆ソフトなリラックスムードから華やかなドレスアップへと移行し始めているのか。個人的にはうれしい限り。

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text: Itoi Kuriyama

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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