ディオール、オートクチュール・アトリエの秘密。

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2019年春夏、オートクチュールのショーのわずか数日前。メゾン ディオールが、マダム・フィガロのために、アトリエの扉を開いた。

ディオール 2019春夏 オートクチュール コレクションまで、あとわずか5日。この日の私たちの待ち合わせは、モンテーニュ街30番地。ここは、プティット・マンと呼ばれるお針子たちが働く、パリを代表するメゾン・ディオールの本拠地だ。オートクチュールといえば、夢のドレス。そして、ドレスといえば、「フルー」と呼ばれるアトリエ。夢のドレスのパターン作りと縫製に捧げられたアトリエである。

私たちを迎えてくれたのは、フルー担当のプルミエール・ダトリエ(アトリエの第一責任者)、フロランス・シュエ。
オートクチュールコレクション前の、膨大な仕事を抱えた時期のわりに、驚くほど落ち着いている。「まったくストレスはありません。どんな瞬間もよい時間なのです。最後の週末にリタッチをしなくてはならない時も、モデルでのフィッティングにドレスが間に合わない時でもね」と彼女は言う。
「オーガナイズやプランニングについても同じです。マリア・グラツィア・キウリには子どもがいますし、子どもたちを学校に送っていく姿を見ていますから」

この仕事で素晴らしいのは、ひと巻きの布から、こうした夢のドレスを作り上げることができることなんです。

メゾン ディオール、フルー・アトリエのクチュリエ、イザベル・アンドレ

落ち着いている、といえば、アトリエのクチュリエの一人、イザベル・アンドレも同様。
彼女はプリーツを寄せ、刺繍を施したチュールストラップを縫い上げたところだった。
ディオールの前はメゾン・ランバンにいたという彼女は、オートクチュールの世界で38年の経験を持つ。「この仕事で素晴らしいのは、ひと巻きの布から、こうした夢のドレスを作り上げることができることなんです」。きちんとした仕事をやり遂げること、アーティスティックディレクターのビジョンにぴったり寄り添うクリエイションを形にすることの満足感。それがディオールのアトリエという巣のミツバチたちを生き生きとさせている。

ディオールのアトリエの秘密を動画でご紹介。

ビデオでは、クチュリエとして、15年半前から働いているフロランス・シュエがアトリエをナビゲート。「このコレクションはとても興味深いものです。さまざまなものがあり、アトリエの手仕事がいっぱいあり、細かく繊細で、アーティザナルな要素がたくさんあるので、私たちも気に入っています。コレクションはそれぞれ違います。同じものは絶対にありません」
クチュリエのイザベル・アンドレはドレスのストラップの仕上げを見せてくれた。
「この仕事で素晴らしいのは、ひと巻きの布から、こうした夢のドレスを作り上げることができることなんです」
フルー・アトリエには研修生もいる。
「普通は来られない場所です。ちゃんと受け止めて、しっかり吸収して、自分たちの力を見せなくては。だって、すごいことですから」

1着のドレスを仕上げるには150から400時間の手仕事が。

サーカスをテーマにしたディオール 2019春夏 オートクチュール コレクションのために、30人のいつものクチュリエたちに加え、コレクション作成のために30人の助っ人クチュリエが招聘される。ドレス1着のために費やされる時間は150から400時間(もちろん、刺繍にかかる時間はこれに含まれない)数シーズン前からマリア・グラツィア・キウリが培ってきたスタイルとは別のクリエイション、特に彼女の評価を築き上げたレーザー風のカットによるチュチュとはほど遠い「デストロイ」な仕上げのもの。「非常におもしろいコレクションで、アトリエの手仕事、繊細な仕事がふんだんに盛り込まれています。アーティザナルで、私たちもとても気に入っています」とフロランス・シュエは言う。彼女によると、クロッキーから、パターン作りと縫製を経てショーまで、最大2カ月半かかるのだそう。

今回のショーシーズンのために集められた新人の一人、カシーは17歳。1週間前から研修生として働いている。クチュリエである叔母と、有名メゾンのお針子として働く祖母の影響を受けてこの道を目指す彼女は、ルーアンの学校のクラスから選ばれ、フルー・アトリエで1カ月間の研修を受けている。「ここで働けるなんてとても恵まれていると感じています。クラスのみんなができることではない。だからしっかり吸収しなくては」。彼女が手がけているのはコルセット。きっと数日後のショーで、モデルが着用することになるはずだ。

1月21日月曜日、14時30分頃。
190130_defile-christian-dior-printemps-ete-2019-paris-look-1.jpgフロランス・シュエはロダン美術館の庭園に建てられたサーカステントのバックステージで目を光らせている。どこかにリボン結びが欠けているところがないか、スナップボタンが弾けているところがないか……と。
「これが最後のチェックポイント」と言う彼女は楽しそうだ。そして数分後、招待客たちの喝采に続いて、ショー会場の出口に現れた彼女は、感動を隠さなかった。「私たちの仕事の結果が目の前にある。それがショーの舞台を進む様子を見るのは感動的です。いったい誰が作ったのかしら?と思ってしまう。もちろん作ったのは自分たちなのですが、作っている時と同じ目では見られないんです」

 

ディオールの2019春夏 オートクチュール コレクションをチェック

cOcéane Ciuni, Marie-Caroline Bougère, Thibaut Rozand / lefigaro.fr / 24.01.2019, tradution:MASAE TAKATA

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