失敗しない、マカロンの作り方を伝授。

Gourmet 2017.11.08

comment-reussir-des-macarons-selon-mercotte_0.jpg定番パティスリー、マカロンの作りのコツを、メルコットが解説。Photo : iStock

表面が割れた、メレンゲがゆるすぎる……。こんな惨事はもうたくさん! メルコットのアドバイスを聞いて、失敗マカロンなんてただの苦い思い出にしてしまいましょう。

数あるお菓子のなかでも人気の衰えを知らないマカロンだが、思い切って自分で作ってみたら、悲惨な目にあったという美食家は多い。インターネット上でほかに先駆けてマカロンを取り上げた、ブロガー、料理本作家、テレビ司会者でもあるメルコットは、数年前からマカロン専門家として知られ、 テレビ番組で“最優秀パティシエ”の審査員も務めている 。分量、生地の準備、焼き方まで、彼女の貴重なアドバイスを紹介していこう。

≫材料の卵白もひと手間かけよう。

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材料

まずはマカロン作りに必要な材料について、大事な点をおさえておこう。第一に、分量はきちんと量ること。

卵白は取り分けておく
メルコットの最初のアドバイスは次の通り。「万全を期すためには、卵白はマカロンを作る日の1週間前に取り分けておくこと。密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。作り始める数時間前に冷蔵庫から出し、卵白を室温に戻しておくのを忘れないように」。卵だけでなく、ほかの材料も、質のよいものを選ぶことが大切だ。とくに「卵は野外飼育とビオにこだわりたいですね」 

天然水を使う
都市によって、水道水の質は違う。「ボトリングされた水を使うようにしましょう。水道水はたいていカルキ臭がついていますから」。カルキ風味のマカロン・ショコラなんてごめんだ。


液体食用色素は使わない
「小さなお菓子の場合、ジェルや粉末色素を使うほうが、希望の色が出やすいものです」

器具

お菓子作りにおなじみの道具だが、これがあるとマカロン作りがぐっと楽になる。

料理用温度計
メルコットいわく、「シロップの正確な温度を知るために」、絶対に欠かせない道具。

ミキサー
「製菓用ミキサーがあれば、マカロン作りは楽になりますが、なくても大丈夫。メレンゲを泡立てるためのハンドミキサーがあれば十分です」

シリコン製クッキングシート
これは加熱調理しても生地がくっつかないクッキングペーパーのこと。「いちばんいいのはグラスファイバーのシートです。洗って、何度でも使えますから、ほかの料理を作る時にも活用できます」とメルコットは解説する。製菓器具専門店で購入可能だ。

アルミパンチング天板
シリコンパットのことは忘れてほしい。焼くのにとんでもなく時間がかかってしまう。メルコットのおすすめは、「製菓用パンチングアルミ天板。空気を通すので、マカロンを焼くのに最適です」とのこと。

口金:「生地をきれいな形に絞り出すには、8ミリか10ミリの口金が最適。使い捨てのもの が衛生的です」

ヘラ:「マカロンの生地を練るのにミキサーやフラットウィスク(フラットな泡立て器)がなければ、もちろん、ゴムべラやスクレーパーを使ってもかまいません」と、料理本作家はアドバイスする。どちらを使うかは、お好みで。

≫生地づくりで気を付けたい点は?

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生地作り

ようやく、待望の生地作りの話。ご安心あれ。メルコットの適切なアドバイスがあれば、これからはいつでも成功間違いなしだ。

レシピは最後まで読む
ほとんど当たり前のことと思うだろうが、メルコットは肝に銘じて欲しいと言う。「調理を始める前に、レシピを全部読んでおくだけで、段取りがよくなります」。すべての手順を理解しておくことで、落ち着いて順を追って仕上げていくことができる。

前日に準備する
専門家はこう断言する。「美しくおいしいマカロンを作りたければ、味わうタイミングの24時間から48時間前に作るのがポイント。寝かせることでマカロンはよりおいしくなります。それに、作っている最中に不測の事態が起きても慌てません」

メレンゲはイタリア式で
メレンゲには、フランス式、イタリア式、スイス式の3種類がある。「フランス式が調理法としてはいちばん簡単ですが、マカロンに向いているのは、泡立てた卵白に砂糖を溶かしたシロップを加えて作る、イタリア式です。こちらの方が比較的失敗が少ない」とメルコットは解説する。

シロップを適切な温度に温める
「イタリアン・メレンゲを作る時の砂糖の加熱温度はシェフによってさまざまですが、私の考えでは、117度から118度まで煮詰めるのがベスト」

卵白を2等分する
メレンゲを成功させるために、まずしておくべきことは、「 取り置いておいた卵の白身を同じ重さになるよう均等に分けておくこと」とメルコットは言う。どういうことかというと「一方は泡立て、もう一方は取っておきます。泡立てた卵白に砂糖のシロップを加えた後、 生地を練る段階で加えます」というわけだ。

加熱中にオーブンを少し開ける
こんなことをするのは、ほかのお菓子を作る時には御法度だが、マカロンを作る時はぜひやってもらいたい。具体的には、「焼き始めて最初の五分が経過した段階で一度。その後も1、2回、同じように扉を少しだけ開け、なかの湿気を逃すといい」のだそう。こうすることで、オーブンから出した時にシェルの表面が割れるのを防ぐことができる。

生地を絞り出す時は互い違いになるように
生地を絞り出す作業には、正確さが求められる。 細かい注意点はこちら。「口金を天板にできる限り近付け、絞り袋の上部を握って押し出します。配置は互い違いに 。加熱して広がっても、隣同士くっつかないようにするためです」

間に挟むクリームはガナッシュ・モンテ
「初めてマカロンを作るなら、間に挟むクリームは、チョコレートのガナッシュ・モンテがいちばん。調理も簡単で、シェルが湿りにくいという利点もあります」。

食べるのは24時間後に
「マカロンができあがった後、すぐに食べてはいけませんよ、食いしん坊の皆さん」と、メルコットは言う。「覆いをせず冷蔵庫で一晩おくと美味しくなります。その後は、密閉容器に移して、冷蔵庫か……もしくは冷凍庫で保管して下さい」。

これだけ詳しい説明を聞けば、もう成功間違いない。それでは今度の週末は、メルコット流マカロン作りに挑戦!

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上級者なら、中に挟むクリームは季節の新鮮な果物で作ってみよう。Photo : istock

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texte : Valentine Poignon(madame.lefigaro.fr)

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