カリスマパティシエ、グロレによるZARA HOMEの調理器具が登場!

Gourmet 2021.08.03

季節のフルーツをかたどった美しいパティスリーで、世界中にファンを持つパティシエ、セドリック・グロレ。2012年からパリの老舗ホテル、ル・ムーリスのシェフパティシエを務め、18年には世界の最優秀シェフパティシエのタイトルまで獲得した。18年にオープンしたラ・パティスリー・デュ・ムーリス・パール・セドリック・グロレでは、フルーツをテーマにした格別なパティスリーを求めて人々が列を作り……。19年オープンのセドリック・グロレ・オペラでは、朝はヴィエノワズリ(菓子パン)、昼はパンとサンドイッチ、午後は花をテーマに伝統のスイーツをアレンジしたパティスリーを提案して、こちらもパリの話題をさらっている。

パリでいまいちばん旬のパティシエが、ZARA HOMEと組んで、お菓子作りに欠かせない調理用ツールのコレクションを発案した。自らも、そして調理場のパティシエチームも愛用する自慢のツールコレクションについて、セドリック・グロレにインタビュー!

――このプロジェクトの始まりについて教えてください。

始まりは2年ほど前。ZARA HOMEをよく知る友人がいて、また、僕自身も顧客のひとりだったことから企画が生まれました。パティシエは、ひと時で消えてしまうお菓子を作っています。お菓子は絵画のように展示できるわけではなく、食べたらなくなってしまう儚いもの。だからパティシエとして、お菓子作りの道具をデザインできることは大きなチャンスだと思いました。僕が望んだのは、シンプルで使いやすく、わかりやすく、美しい道具。家でお菓子を作ることを誇りに思うから、キッチンには美しい道具が欲しい。たとえて言えば、美しいビジュアル本のようなものです。そういう気持ちで、機能的で見た目も美しいツールを作ろうと考えました。

210802-Zara-Home-Pastry-Collection-designed-by-Cedric-Grolet-(22).jpg

木、ステンレス、シリコン、素のままの素材を使い、色はマットブラック。シンプルなデザインが美しい。

――このプロジェクトでこだわった点はどこですか?

僕はお菓子作りの道具を家に持っていなかったんです。家族や友人に家で作ってくれと頼まれても、道具がなければ作れないですからね。でも、シェフパティシエとして、自分がデザインした道具を家に持つのも悪くない、と思ったんです。これまで家に道具を持たなかった理由のひとつは、既存の道具がプロ向きでない、美しくない、特に、洗いにくいことが気に入らなかったから。お菓子を作った後に道具を洗うことに時間がかかるのはすごくイヤなものです。見るとわかりますが、このツールはフォルムがシンプルで、出っぱりや引っ込みの部分がないから、使いやすくて洗うのも簡単。食洗機にいれてもOKです。また、ステンレスやシリコンなど、耐久性のある素材を選びました。長く愛用できる、一生使えるものを作りたかったからです。

210802-ZARA-HOME-PASTRY-COLLECTION-BY-CEDRIC-GROLET-2-(2).jpg

シリコン製の持ち手のハンドミキサー¥1,990、シリコン製の長柄のスプーン¥1,990、ステンレス製のジューサー¥4,390/以上ザラホーム カスタマーサービス

---fadeinpager---

――泡立て器や計量スプーンのほか、お菓子作りの道具としては思い浮かべにくい、ピーラーやジューサーもありますね。フルーツにこだわるセドリックさんらしさを感じます。アイテムの選定はどのように?

最初にデザインを始めた時は30以上のアイテムがありました。その中からお菓子作りの本質的な道具で、自分でもよく使う、僕自身を表現するアイテムから始めることにしたんです。このシリーズを見た時に、みんながこれはセドリック・グロレだ!とわかるものにしたかった。そして、単純に、美しいオブジェ。パティスリーも、遊び心があって、シンプルでわかりやすいものを作っています。道具作りも同じです。

――最も誇りに思う会心の作は?

ピーラーです。実は、僕は家にピーラーを持っていなくて、野菜や果物の皮はナイフでむいていたんです。このピーラーができてから、家での皮むきの時間がとても短縮されました。とってもシンプルに見えますが、使い勝手もいいし、デザインも美しくて気に入っています。

210802-2-Zara-Home-Pastry-Collection-designed-by-Cedric-Grolet-(11).jpg

ピーラー(¥1,990)はスタッフにも好評の自慢の品。

――このツールはご自分でも愛用されているのですね。

まず自分の欲しい形をシンプルにデザインすることから始め、サンプルができると、デザインをチェックし、素材感を試し、それから実際にラボのパティシエたちと一緒にお菓子作りに使用しました。使いながら、これはダメ、こっちのほうがいい、と実際にプロとして仕事に使ってテストしたんです。これからも仕事場でみんなで使っていきますよ。

---fadeinpager---

210802-Zara-Home-Pastry-Collection-designed-by-Cedric-Grolet-(24).jpg

CEDRIC GROLET/1985年フランス、フィルミニー生まれ。2004年にフランス国立高等製菓学校を卒業し、その後、パリのフォションで経験を積む。2011年に「ル・ムーリス」へ、翌年にシェフパティシエに就任。instagramフォロワー数が200万人超えの世界的に人気のパティシエ。https://cedric-grolet.com

――パティシエになられた理由を教えてください。

昔からずっと、お菓子が作りたかったんです。お菓子は人を幸せにしてくれる、それが好きでした。お菓子はお腹が空いたからでなく、何かを祝うために食べるものです。だから自然と、単純に、仕事として選びました。だから自分のしていることが大好き。シンプルな気持ちでやっているからですね。

――最初に作ったお菓子を覚えていますか?

もちろんです! 近所の農家でイチゴ摘みを手伝って、ご褒美にもらったイチゴで作ったフレジエです。12、3歳の頃でした。アーモンドペーストを使い、イチゴが見えるように飾って、フレジエ、と文字を書いた。家族みんながその完成度に驚きました。昨日のことのように覚えています。1日がかりで作ったけれど、とてもうれしかった。この時に、自分はお菓子作りに向いているのかも、と感じたんです。僕はサッカーが得意だったので、両親はサッカー選手にしたがったけれど、パティシエになったわけです。この選択が良かったかどうかはわかりませんがね(笑)。

210802-Zara-Home-Pastry-Collection-designed-by-Cedric-Grolet-(9).jpg

210802-Zara-Home-Pastry-Collection-designed-by-Cedric-Grolet-(6).jpg

ザラのペストりーツールを用いて、イシゴのフレジエを作ってくれたセドリック。

――お菓子作りでいちばん大事なことは何でしょう。

自分が好きなものを、季節に従って作ること。素材が良くなければ、世界一技術のあるパティシエになっても、美味しいものは作れません。時間をかけて選んだいい素材をシンプルに扱うことです。僕はパン・オ・ショコラが大好きですが、レシピは、僕が仕事を始めた14歳くらいの頃と変わりません。ただ、小麦粉も砂糖もショコラも厳選し、扱いを吟味しているだけです。

---fadeinpager---

――お菓子を通して表現したいことは何ですか?

お菓子はわかりやすく、美しいものがいい。だから必要ないものを付け加えることはしません。見た目と味に専念します。そうすればお菓子自身が語ってくれます。デザートを食べたら、いま何を食べているかわかっていてほしい。それが基本です。ひとつのデザートの中に50の味と50のテクスチャーがあって、結局何を食べているかわからない、というのはイヤなんです。引き算すればするほど、お菓子を美味しく作るのは難しくなります。でも、それが僕の方向性。イチゴのタルトを作るなら、できるだけシンプルに、でも、扱いは最高に。

――このツールコレクションで、まずトライしてほしいおすすめのお菓子は?

このツールを手に入れたら、まずはあなたの好きなお菓子を作ってみてください。成功のカギは、まず、「自分の好きなものを作ること」です。

ZARA HOME x CEDRIC GROLET
2021年8月3日より、公式オンラインショップおよびZARA HOME 青山店で販売予定。

●問い合わせ先:
ザラホーム カスタマーサービス
0120-914-075(フリーダイヤル)
info.jp@zarahome.com

text: Masae Takata(Paris Office)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories