代々木上原の駅から歩くこと10分余り。閑寂な住宅街の中、看板がなければ通り過ぎてしまうこと必至の一軒家が、日本料理店、茂幸だ。実家を改装したという店内は、どこか温もりを感じさせる心寛ぐ空間。
カウンターに立つ菅野茂男店主はあの3ツ星和食店、幸村をはじめ京都の名店で腕を磨いた実力の持ち主だ。その味をコース13,200円で味わえるとあれば見逃せない。「ここでは、何を食べたかがはっきりわかる料理を出していきたい」とは菅野店主。たとえば旬のアユ。スタンダードな塩焼きで素材感を出すいっぽう、茶碗蒸しにしたり、一夜干しにしてうるか和えにするなど形を変えて提供する一工夫も興をそそられる。
写真の料理はすべて¥13,200のコースから。手前がアユの塩焼き。奥は、シグネチャーメニューの「いちご素麺」。青森の郷土料理「いちご煮」にヒントを得た一品で、アワビのすり流しに素麺をのせ、ウニをトッピング。梅のお椀にちなみ素麺にも梅を用いる。
締めは季節で替わるご飯。写真はミョウガやシソなど薬味たっぷりの混ぜご飯。
現在、個室も準備中。
茂幸
東京都渋谷区西原2-17-3
tel:070-1372-0319
営)18時~21時L.O.
不定休
予算: ¥15,000~
座席数:カウンター8席、6人用個室1室
東京都渋谷区西原2-17-3
tel:070-1372-0319
営)18時~21時L.O.
不定休
予算: ¥15,000~
座席数:カウンター8席、6人用個室1室
*『フィガロジャポン』2020年9月号より抜粋
texte : KEIKO MORIWAKI, photos : YU NAKANIWA