東京美的デザイン空間案内。 パリからやってきた、紙の新しい魅力に出合える店。

Interiors 2018.07.01

建築、内装、そこで働く人が作り出す、美しい空間。そこに足を運べば、ショッピングだけではない特別な体験ができる。日本にもファンの多いパピエ ティグルのフランス国外初のショップが、ついに東京にオープンした。

イーストサイドに溶け込んだ、紙の魅力に出合う場所。

パピエ ティグル

180701-bitekidesign-papiertigre01.jpg

1961年にできた木造建築の構造をそのまま残しつつ、補強のための鉄骨柱を建ててアップデート。グレーの壁がカラフルな紙のプロダクトを引き立たせる。ディスプレイが簡単に変えられる什器もデザイン。

 2011年、パリのマレ地区に誕生した紙にまつわるプロダクトブランド、パピエ ティグル。紙は文字を書くためのもの、何かを包むものという固定観念にとらわれることなく、素材としての紙の可能性を提案するブランドだ。グラフィカルな模様がプリントしてあるから、壁紙、プランターカバーなどインテリアに彩りを与えるアクセサリーになる。折り紙のように折ればオブジェも作れる。使う人の想像力次第で紙は七変化してくれる。

180701-bitekidesign-papiertigre04.jpg

パリでは150ほど揃うアイテムは、オーナーの旅から得たインスピレーションが商品になることも多い。新作はメキシコがテーマ。

 17年9月、フランス国外初のショップが日本橋浜町にオープン。内装をデザインしたのは大阪を拠点にするデザイナー、柳原照弘。彼が意識したのは紙のプロダクトとのつながり。パルプ繊維を圧縮してできる紙と同じ製法でできた多孔質の建材を、カウンターとディスプレイ台に取り入れた。それによって店の什器もパピエ ティグルのプロダクトのひとつに見えてくる。実はこの素材、微小な穴を無数に持つ多孔質素材のため、湿気を吸い込み、室内の温度調整を可能にする機能性建材でもある。

 店にはフランスと日本とのつながりも忍び込ませてある。入口から向かって左半分には、パリ本店にはない本格的緑茶を提供するサロン・ド・テ パピエ ティグルのスペースをこしらえた。お茶を入れてくれるテーブルは、パピエ ティグルのキャッシュカウンターの延長上でつながっている。人形町の玉英堂の和菓子も用意。フランス発、日本行きのブランドは、こうして浜町に着地することになった。

 英国のパブみたいに開放感があって、まるで界隈の一部のよう。気軽に立ち寄って、紙との出合いが楽しめる。

180701-bitekidesign-papiertigre03.jpg

11の生産者による無農薬、減農薬の日本茶は、アグリーキャラバンのもの。“立礼式”のようなお点前で、3煎目まで味の変化を楽しんで。

180701-bitekidesign-papiertigre02.jpg

通りに面して間口部が広く作られ、引き戸を開け放つと街の一部のよう。店全体がショーウィンドウとして、パピエ ティグルを発信。

パピエ ティグル
Papier Tigre

東京都中央区日本橋浜町3-10-4
営)1月〜4月、10月〜12月:11時~19時
5月〜9月:11時~20時
休)月 ※5/1〜月、火
tel:03-6875-0431
https://papiertigre.jp

【関連記事】
パリの可愛い文具店「パピエ ティグル」が日本橋浜町に登場!
東京で体感する、パリジェンヌお気に入りの店。

*『フィガロジャポン』2018年6月号より抜粋

photos : YASUYUKI TAKAGI, réalisation : KANAE HASEGAWA

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories