「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ」コレクションが放つ美しさ。

特集

今年、創業240周年を迎えるショーメは2月29日、パリ・ヴァンドーム広場12番地の歴史的な本店を大々的にリニューアルしてオープンを祝ったばかり! この時発表された「トレゾール ダイユール」リングに続いて、この7月、建築をテーマとしてハイジュエリーに昇華したスペシャルな「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ」コレクションが発表された。
ジャン=マルク・マンスヴェルトCEOが、パリ本店から本コレクションの魅力を案内してくれた。

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ヴァンドーム広場12番地、ショーメの歴史的本店は、2月29日にリニューアルオープンした。

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歴史を語る「ル・グラン・サロン」のフロアにある、「ティアラのサロン」には、250点のマイヨショール(ティアラの模型)が飾られている。

ハイジュエリーのテーマは、建築。

ショーメは毎年、メゾンの歴史にちなんだテーマのもとにハイジュエリーのコレクションを発表している。
「テーマは、メゾンの歩みを振り返るきっかけです。2016年の『ラ ナチュール ドゥ ショーメ』コレクションではメゾンの永遠のテーマである自然を、『ショーメ エ ユンヌ フェット』コレクションでは祝祭の場に欠かせないジュエリーを語りました。『レ モンド ドゥ ショーメ』コレクションでは、さまざまな文化との出会いがショーメのクリエイティビティを育んできたことをお伝えしました」とマンスヴェルトCEOは語る。

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ショーメCEO、ジャン=マルク・マンスヴェルト氏。今回の「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ」コレクションのオンライン発表会では、瀟洒な本店内のさまざまなサロンやアトリエを歩き回りながら、ショーメの美しきビジューを創り出すスタッフたちに、CEO自らインタビューしながら、コレクションを紹介するという洗練されたプロのMCばりの活躍。

「今年のテーマは、メゾンの永遠のインスピレーション源『建築』です」
コレクションを構成するのは「スカイライン」「リュクス(光)」「ラシ(レース)」「オンドゥラシオン(しなやかさ)」「ミラージュ(幻想)」「ラビラント(迷路)」の6章だ。
ショーメはこれまでも、建築の渦巻き模様や円柱などのフォルムを通して古典建築を再解釈し、ジュエリーに表現してきた。
「コレクションは、メゾンのクラシックを再解釈すると同時に、時代性を表現する機会。これまで何度も語られてきたルネサンス建築からのインスパイアもあれば、フランク・ゲーリーやザハ・ハディドなど、現代の脱構築主義建築に触発されたものもあります」
小さなジュエリーと巨大な建築物の間に、マンスヴェルト氏はいくつもの共通点を見出す。それはボリューム、均衡、緻密さと空間のバランス、光……。
「コンセプトの段階だけではなく、制作にも共通点があります。アトリエの宝飾職人の仕事は、素材を操り、素材とデザインの双方の美を引き出すことです」

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見どころは、メゾンを象徴する4つの技法。

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メゾンを象徴するフィルクトー(ナイフエッジ方式)のテクニックで作られたベルエポックの「ロアン チョーカー」は1910年の作品。

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今回の「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ ラシ ティアラ」のグアッシェとビジュー。フィルクトー(ナイフエッジ方式)のテクニックを駆使しつつ、ホワイトゴールドとダイヤモンドのレースが、オーバルカットとペアシェイプのふたつのダイヤモンドをそっと支える。ホワイトゴールド、ブリリアントカット ダイヤモンド、オーバルカットダイヤモンド(1石5.02cts)、ペアシェイプダイヤモンド(1石2.21cts)¥166,100,500

「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ」コレクションでは、センターストーンの格別な美しさもさることながら、メゾンを象徴する4つの技法によるデザイン性が見どころ。
たとえばラシでは、伝統技法のひとつ、フィルクトー(ナイフエッジ方式)の技術こそがデザインを支えている。過去の代表作は、まるでレースのような繊細なデザインが美しいベルエポック時代のロアン チョーカー。もともと金属部分を極細にカットしてその存在を消し、宝石を浮き上がらせるための技術であるフィルクトーだが、今回はそのコードを反転させて、表情を変えた。繊細なホワイトゴールドとダイヤモンドのレースがジュエリー本体のボリュームを作り、大きなカラーストーンを浮き上がるように包み込む。「古くからの技術を違う視点で使うことでモダンな要素を引き出した」というマンスヴェルト氏もお気に入りのシリーズだ。
また、ショーメらしいカラーパレットを追求したのはリュクス。イタリア・ルネサンス期の空を丸く望むドームを想起させる円形のデザイン。センターストーンの輝きに調和するべく選び抜かれたカラーストーンが、カボションの周囲を囲む。調和する色、対照的な色の石をどう揃えるかは、ビジューストーンの担当者にとって大きなチャレンジだったという。

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中央のブラックオパール(10.08cts)の煌めきに呼応するように、ツァボライトガーネット、ダイヤモンド、ラピスラズリを周囲に配した。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ リュクス ネックレス」¥50,490,000

そして、姿を変えるトランスフォーマビリティの代表作はミラージュのティアラ。ダイヤモンドだけ、サファイアだけ、サファイアとダイヤモンドの両方を重ねて、と3通りの纏い方が楽しめる。

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ホワイトゴールドに、ラウンドサファイア、ブリリアントカット ダイヤモンド、バゲットカット ダイヤモンド、ペアシェイプ ダイヤモンド(1石5.07cts)で構成された「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ ミラージュ ティアラ」¥159,500,000

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ジュエラーの仕事はチームワーク。

コレクションにモダンなテイストを与える技法として、忘れてはならないもうひとつのキーワードは、イエローゴールドの加工。それは70年代のジュエラー、ピエール・ステルレの作品への再訪から生まれている。
ピエール・ステルレは60〜70年代に活躍した独立ジュエラー。
「当時はジュエラーにとって、時代の節目。廃業するメゾンも多く、確信が求められていた。その時、新しい息吹を求めてショーメが迎えたのがステルレでした」
ハンマー加工やエングレイビング(刻印)を施すような技法で、ゴールドの表面の輝きを変化させ、新風を吹き込んだ。その遺産はスカイラインのネックレスの左右不対象なゴールドの表情や、オンドゥラシオンの肌に添うように滑らかなゴールドメッシュに反映されている。ここでは、アトリエの高度なテクニックこそがデザインの鍵だ。

200720-CHAUMET_127.jpg©Paris, collection Chaumet 

200720-CHAUMET_128.jpg©Paris, collection Chaumet 

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200720-mus-106.jpg©Chaumet / Nils Hermann 

上の5点のグアッシェと写真1点は、すべてピエール・ステルレのデザイン。

「ジュエラーの仕事はチームワーク。その意味でとても『いま』という時代を反映しています」とマンスヴェルト氏は言う。デザイナーが発想し描いたデッサンは、すぐにアトリエのスタッフと共有され、どのように立体のプロダクトになるかが検討される。
「平面のデッサンを立体にするには数え切れないほどのやり方がありますから、ジュエリー作りは初日から完成まで対話の連続です。どんな技術で? 重さは? 機能は? 着け心地は? アトリエのテクニックがデザインに影響を与えます。ですからグアッシェはジュエリーが完成するまで描かれることはありません」

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本店の上にあるアトリエ。アトリエでの技術の探求からデザインが進化することも多い。

ショーメは多面体。

建築を軸に、さまざまなイメージの広がりを見せる81ピース。
「このコレクションには、たくさんのファセットがあります。ダイヤモンドが主役のピースもあれば、カラーストーンの調和で描かれるものがあり、伝統から発想を得たデザインも、モダンなデザインもある。ショーメのコレクションには、具象的なモチーフもあれば、「リアン」コレクションや「ビー マイ ラブ」コレクションのように抽象的なイメージから生まれるものもあります。その多様性がショーメの美点。ショーメはポリモーフ、たくさんの形を持っているのです」
パンデミックによるロックダウンを経て、いま世界中に過度の消費を考え直したり、ゆったりした時間を求める風潮が広がっている。
「この時期、身近な人、愛する人との絆を大切に思った人も多いでしょう。現にショーメでは、大事な人にお守りのような印として贈り物したいというリクエストをたくさんいただいています。時間の観念、オーセンティックさ、相手への気持ち、いまのキーワードは、ジュエリーに、特にショーメにとって大切な観念です。ジュエリーは、いまこの時期こそ、求められているのだと思います」

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「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ」コレクション6章の代表作。

Skyline 大胆な建築からインスパイアされたフォルム、スカイライン。

現代建築にインスパイアされたモダンなフォルムの作品集は、70年代のピエール・ステルレの作品の流れを汲んだハンマー加工とオープンワークによるイエローゴールドの表面加工が美しい。立体的でゴールドのさまざまな加工による表情の違いがエッセンス。

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エメラルドとダイヤモンドを非対称にあしらったグラフィックなデザイン。イエローゴールド、コロンビア産ペアシェイプのヴェヴィッドグリーンエメラルド(16.06cts)、バゲットカット ダイヤモンド。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ スカイライン ネックレス」¥278,300,000

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イエローゴールド、バゲットカット ダイヤモンド、最高の純度を備えた希少なDカラーで高レベルの輝きを与えるためのアッシャーカット ダイヤモンド(7.34cts)。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ スカイライン リング」¥159,500,000

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ふたつのパーツからなる彫刻のようなリングはダイヤモンドがあしらわれて。トランスフォーマブルゆえ分けて身に着けられる。イエローゴールド、ブリリアントカット ダイヤモンド。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ スカイライン リング」¥15,950,000


Lux  ルネサンス期のドームの美しさにオマージュを捧げるリュクス。

イタリア・ルネサンスの空に向かって開かれたドームを思わせる円形のデザインは永遠のシンボル。センターストーンの色合いと完全に調和するカラーストーンをサークル状に配置。カラーパレットがショーメらしい。

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カボションカットのエンジェルスキンコーラル(6.33cts)の優しい色に、バゲットカット アクアマリン、ブリリアントカット ダイヤモンド、オレンジトパーズとターコイズを合わせて。ホワイトゴールドとの構成。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ リュクス リング」¥21,230,000


Lacis  ダイヤモンドを繊細に大胆に遊ぶ卓越した技術、ラシ。

モロッコの建築に見られるマシャラビヤ窓を思わせる、レースのようなデザイン。フィルクトー(ナイフエッジ手法)を駆使したホワイトゴールドのレースが作り上げる、軽やかなボリューム感。本来は石を支えルメタルが姿を消すテクニックであるフィルクトーのコードを転換させ、フォルムを作る構造として表舞台に。

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ホワイトゴールドとダイヤモンドのレースが、ペアシェイプのルベライト(21.93cts)をふわりと包む。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ ラシ ネックレス」¥65,010,000

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Ondulation 限りなく柔らかなゴールドの調べ、オンドゥラシオン。

脱構築主義建築の動きと曲線、光の反射、そしてピエール・ステルレのゴールドの加工からインスパイアされた、セカンドスキンのような滑らかなテクスチャーと動きのあるデザインが魅力。

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960個のゴールドのインゴットを繋ぎ、首のラインにフィットするネックレスはまさにセカンドスキン。クッションカットのイエローサファイアがさりげないアクセント。イエローゴールド、イエローサファイア、クッションカット インディコライト トルマリン(1石30.22cts)。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ オンドゥラシオン ネックレス」¥78,320,000


Mirage 動的な強さを持つグラフィックな美しさ、ミラージュ。

船や橋のシュラウドや帆など、動きのある建造物からインスパイアを受け、ダイヤモンドとサファイアのふたつの要素の重なり、動き、奥行きを考察したシリーズ。ホワイトとブルーの輝きが生む、硬質なグラフィックが美しい。

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ハイジュエリーとウォッチのアトリエのコラボレーションから生まれたシークレットウォッチは、ブレスレットに隠されたボタンを押すとダイアルが現れる。ムーブメントはクオーツ。ホワイトゴールド、ラウンドサファイア、ブリリアントカット ダイヤモンド、バゲットカット ダイヤモンド。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ ペルーミラージュ ウォッチ」¥65,010,000


Labyrinthe  幾何学的デザインと大胆な色彩、ラビラント。

ロシア構成主義、イタリアの未来派、アールデコの再考と、ギリシア神話イメージから生まれた幾何学的なデザイン。迷路という意味を持つラビラントの名のごとく細かく緻密な線が構成するデザインは、段差をつける構造から立体感が生まれ、石の美しさが際立つ。

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ザンビア産エメラルドの周囲に重なり合うように段差をつけてオニキスとアゲートが配置されたリング。ホワイトゴールド、アゲート、オニキス、ブリリントカット ダイヤモンド、ザンビア産エメラルド(3.70cts)。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ ペルーラビラント リング」¥22,550,000

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ホワイトゴールドにダイヤモンドとジェイドをあしらったチェーンがアールデコの香り。ペンダントヘッド部分の立体的なデザインも注目。ホワイトゴールド、オニキス、ジェイド、バゲットカット ダイヤモンド、ブリリアントカット ダイヤモンド、ペアシェイプ ルベライト(合計20 cts)。「ペルスペクティブ ドゥ ショーメ ペルーラビラント ネックレス」¥50,490,000

※価格はすべて2020年7月現在のものです。

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texte : MASAE TAKATA(PARIS OFFICE)

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