『ピエール プレシューズ 〈貴石〉』展。形成からジュエリーまでの旅を。

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パリの自然史博物館内で動物たちが行進するようなビジュアル効果の高い展示で人気の「進化大陳列館」。そこを会場に『ピエール プレシューズ 〈貴石〉』展という展覧会が9月16日から開催される。このタイトルを聞いて目に思い浮かべるもは石そのもの? それともジュエリー? ヴァン クリーフ&アーペルとのコラボレーションによるこの展覧会では、博物館所蔵の360点の石やオブジェ、そしてジュエラー提供の250点のジュエリーが展示されるという。

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メキシコ産の瑪瑙「マウンテン トップ」(写真)のような貴重な石をはじめ、大勢のメセナのおかげで世界で最も豊かな鉱物コレクションを所蔵する自然史博物館。ancienne collection Roger Caillois, don Van Clef & Arperls, 2017©MNHN/F.Farges

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オーストリアのマリー・ルイーズ皇后の王冠に用いられたアメシスト(77,1ct)。©MNHN/ F. Farges

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ヴァン クリーフ&アーペルの1963年の鳥のブローチ。ターコイズ、コーラル、サファイア、ダイヤモンドといった複数の石が用いられカラフルだ。Collection Van Cleef & Arpels Patrick Gries © Van Cleef & Arpels SA

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ローズダイヤモンド。展覧会では色の秘密も解き明かされる。©MNHN/F. Farges。

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自然史博物館所蔵のロッククリスタルのインタリオ。1927年頃。©MNHN/F. Farges。

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時代とテーマに沿った展示で、 デザイン建築界のスター・デュオであるパトリック・ジュアンとサンジット・マンクが構成を担当した会場は、大きく3つのセクションに分けられている。最初のパートは地球の歴史とサヴォアフェール。次が鉱物からジュエリーへ。そして最後がパリ:知の中心地。どのセクションも常にサイエンスとクリエイションの対話にポイントが置かれているのが特徴だ。

驚きが好奇心を刺激し、気が付いたら多くを学んでいる。どうやら、そんな展覧会らしい。優れた技術、魅力的なデザイン、美しいプレシャス・ストーンを生かしてクリエイトされたハイジュエリーを前にため息をつくとき、その石を生み出した大地のことまではなかなか思いいたらないけれど、この展覧会を見て、プレシャス・ストーンの長い旅路を知った後はジュエリーに新しい視線を投げかけることになる。大きな驚きのひとつ。それはフランスで採れるプレシャス・ストーンのバラエティの豊かさだろう。具体的な地名は明かされないがロワール・アトランティックのエメラルド、アヴェイロンのルビー……展示の中でも輝きとサイズという点で見事なのは、2018年に発見された99gのゴールド「オクシタンヌ ド サビーヌ」、そしてピュイ ド ドームの2つのサファイア、93.5カラットと31.6カラット。これらは今回が初公開である。

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フランスで2018年に採掘されたサファイア。左は93.5カラット、右は31.6カラット。©Hervé Jacquard

ダイヤモンドは展覧会の中でも大きな位置を占める石だが、1939年にエジプトのナズリ女王が着けたダイヤモンドとプラチナのネックレスは圧巻だ。この展覧会では、これを含めバロックパールからインスパイアされたブローチ「グラディエーター」(1956年)やクローバーのブローチ(1964〜76年)などヴァン クリーフ&アーペルのジュエリー7点がフランスで初公開されるというから、これはジュエリーファンには見逃せないだろう。

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フランス初公開のヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーより。娘ファウジア王女の結婚に際し、エジプトのナズリ女王のために1939年にデザインされたネックレス。種々のサイズとカットのダイヤモンドはトータル204.03カラット。フランス初公開である。Collection Van Cleef & Arpels、Patrick Gries © Van Cleef & Arpels SA

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左:クローバーのクリップ(1964〜66年)Collection Van Cleef & Arpels © Van Cleef & Arpels SA。右はブローチ「グラディエーター」(1956年)。Collection Van Cleef & Arpels.Anthony Falcone © Van Cleef & Arpels SA

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ウインザー公が妻ウォリスの40歳の誕生日に贈ったネクタイ結びのネックレス(1954年)。ダイヤモンドとサファイアを布のようにしなやかにジュエリーに仕上げたジュエラーの巧み! Collection Van Cleef & Arpels、Patrick Gries © Van Cleef & Arpels SA

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中国にインスパイアされたアールデコのネセセール。1925年ごろ。Collection Van Cleef & Arpels © Van Cleef & Arpels SA

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さて、この展覧会で自然史博物館とヴァン クリーフ&アーペルがそれぞれの出品展示品の中でも、これぞ宝物とあげる2点がある。自然史博物館からは石の象嵌細工で花と動物を描いたルネッサンス時代の「マザランのテーブル」。そしてヴァン クリーフ&アーペルのプレジデント兼CEOのニコラ・ボスのいち押しはジャン・ヴァンドームの「トルマリンの樹」で、宝飾、デザイン、彫刻が交差するアート作品的存在だと 語る。盛りだくさんの展覧会。幸いにも来年6月14日までと会期は長い。この間に来場し、多くを発見できる機会を楽しみにしよう!

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ラピスラズリ、碧玉、瑪瑙などが花、鳥を描く17世紀の大理石の大テーブル。©MNHN/B.Faye

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ジャン・ヴァンドームの『トルマリンの樹』©MNHN/F.Fages

『Pierres précieuses(ピエール プレシューズ <貴石>)』展
開催 9月16日〜2021年6月14日
Grande Galerie de l’Evolution
36, rue Geoffroy St-Hilaire
75005 Paris
開)10時〜18時
休)火曜、12月25日、1月1日、5月1日
料:12ユーロ

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忘れられた宝飾商、ラクロッシュ。

réalisation : MARIKO OMURA

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