マクロン大統領は、#Me Tooの先駆者。

Paris 2021.01.31

エマニュエル・マクロン大統領についての著書『怪盗マクロン大統領』を上梓したコリンヌ・ライクが、12月17日にユーロップ1のラジオ番組に出演。番組司会者のアンヌ・ルマノフによるインタビューの中で、マクロン大統領の紳士的な人柄について語った。

emmanuel-et-brigitte-macron.jpgマクロン夫妻は”一心同体”の夫婦とコリンヌ・ライクは語る。(パリ、2020年3月11日)photo : Getty Images

「お互いになくてはならない存在」。ジャーナリストのコリンヌ・ライクは、ブリジットとエマニュエル・マクロン夫妻についてそう明言した。 昨年12月17日にユーロップ1のラジオ番組に出演した彼女は、大統領夫妻の強い絆と、大統領の紳士的な人柄について語った。『怪盗マクロン大統領』*の著者であるライクは、2011年以来マクロンの政治家としての活躍を追っている。

「マクロン大統領にとって、女性はばらばらの部品の寄せ集めではない」

ラジオ番組”Ça fait du bien”にゲスト出演したライクは、マクロン大統領は「女性と誘惑ゲームをする」ことをよしとしない、と述べた。

番組司会者のアンヌ・ルマノフから「歴代大統領と違って、マクロン大統領は妻以外の女性の脚をじろじろ見る人ではない、とあなたは語っていますね」と話を向けられたライクは「彼にとって、女性はばらばらの部品の寄せ集めではないのです」と答えた。

彼女によれば、それは政治家の世界では「極めて珍しい」態度だという。そしてこう続けた。「大統領は誰よりも先にMe Too運動を実践していたのです」。”同時に”(マクロン大統領が好んで使う言い回しだ)、ライクはマクロン大統領の軌跡を追った伝記の中で、彼は普段、女性に対して距離を保つことを心掛けているものの、ときに「身体的な勇気」の証として、自らその距離を縮める行動を取ることもあると記している。

首都ベイルートの港で爆発事故が発生した数日後に「レバノンを訪れた際、大統領が対人距離のルールを破って、窮状を訴える女性を抱き締めた」ことがその例だという。

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「マクロン大統領の魅力は、その眼差し」

著作でもラジオ番組の中でも、ライクはマクロン大統領の人を惹きつける力について強調している。「彼の魅力は、まずは身体的なものです。彼は相手をよく見る人」とライクは説明する。

「マクロン大統領といえば眼差しです。私が出会った人たちの誰もが、じっと相手を見据えるその眼差しが印象に残っていると語っています。瞬きひとつしない、魅惑的で透明な眼差し。それからスキンシップです。大統領はスキンシップを大切にしています。手を取る、腕や肩に触れる……。ただし、女性にはあまり積極的に身体的な接触はしません。女性に対しては距離を保つべきだと感じているからです」

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 ”一心同体”の夫婦

ライクはマクロン夫妻の結婚生活の長続きの秘訣についても触れている。

「夫妻の絆の固さには驚くばかりです。25年間を経てもこうした関係を保てるカップルは珍しい。まさに一心同体の夫婦です。マクロン大統領は厳密な意味の政治に関わる問題は別にして、それ以外のテーマではつねに夫人から同意が得られるように努めています。個人的な問題やプライベートに関わることついては必ず夫人に意見を求めます」。

妻のブリジットの方も、夫に対して「心から賞賛の念を」抱いているという。「同時に、夫を大目に見るわけではなく、批判するときもある。カップルとしてとてもうまく機能している」。

著書『怪盗マクロン大統領』の中で、ライクはふたりを結びつけている緊密なつながりについて次のように説明している。「夫妻の絆の真相を解く鍵は別のところにある。このカップルには強固と融合、大地と空気、物理学と錬金術といった性質の異なるものが混ざり合っている。二人は一緒に見る必要がある」。

大統領夫妻の関係を物語る逸話として、ライクはある出来事を回想している。「エリゼ宮の1階にある執務室に、マクロン大統領とふたりの側近とともに座っていた時のこと。マクロン夫人が執務室に入ろうとしたところ、すぐさま大統領が声を上げ、”僕たちはここにいるよ!” と呼び掛けた。(中略)まるで、妻が(邪魔を恐れて)慌てて立ち去るのを心配したかのように……。大統領もしばしば夫人の執務室を訪れ、一日中ふたりで話し合っている。スケジュールの都合で互いに離れているときは、メッセージを送り合う」。ライクは番組の中でも「ふたりはしょっちゅうSMSを送り合っています」と語っている。通信手段も活用するマクロン夫妻。ふたりの愛は大統領就任後の波乱に満ちた3年間を見事に乗り越えてきた。

 

*Corinne Lhaïk 『Président cambrioleur』Editions Fayardより11月25日に発売。342ページ、20,90€。

texte : Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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