いまの旅気分は、豪奢なホテルより自然に囲まれて眠る小屋宿。

ロックダウン、夜間外出禁止……自由な暮らしがままならないこの1年。もうじき巡り来る春、都会からの逃避の最高の行き先は大自然である。緑に囲まれた宿での一泊は、素晴らしい気分転換となるはず。そしてその宿が水に浮いていたり、木々に囲まれ宙に浮くように立っていたら、なおさらでは？

エコツーリズムを提唱する「Coucoo（クークー）」はこの10年間に、フランス国内に魅惑的な小屋のホテルを4カ所オープンした。暖かな季節に向かう2月末、4つの宿が徐々に営業を再開した。ワイルドな雰囲気だが水と電気、バスルームなどホテルの快適は保証されているのでご心配なく。2人用、ファミリー用と小屋のタイプは複数あり、屋外に北欧スタイルのバスタブを備えている小屋もある。地元の素材を使ったディナーバスケットもオーダーが可能。こんな宿があるなんて、といううれしい驚き。4月にはパリから遠くない場所に5つ目の場所がオープンするそうだ。

フランス旅行は難しい時期だけど、旅の夢を見るのは自由。各宿の名前には、五感を刺激するヒントが込められている。それぞれのサイトに載せられた写真を眺めたら目を閉じて、小屋で過ごす一日を想像してみよう。ロビンソン・クルーソー気分？　あるいはふたりでジェーンとターザン？

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Coucoo Grands Chênes（クークー・グラン・シェンヌ）

photo：Coucoo

パリから北へたった60km。ジャン・コクトーが映画『美女と野獣』の撮影に選んだシャトーが近くにある樹齢200年のブナの森に、20の小屋が間隔をとって宙に浮かんでいる。朝は鳥たちのさえずりに耳をくすぐられ、日中は子鹿との出合いがあり、そして夜は天井の上に覗く夜空を眺めて……。

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Coucoo Grands Reflets （クークー・グラン・ルフレ）

photo：Hervé Goluza

太陽の照り返し、水の映り込みを意味するルフレ。アルザス地方の近く、水と緑に恵まれた20ヘクタールの敷地に点在する23の小屋は、水上に浮いていたり、木の上だったり。

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Coucoo Grands Cépages（クークー・グラン・セパージュ）

photo：Fabien Viallat

ブドウの苗を意味するセパージュを名前にしているように、周囲を葡萄畑に囲まれた土地だ。宿があるのはシャトー・ヌフ・ドゥ・パップの地、リヨンヌ湖の湖畔。テラスでとる朝食は、目の前に広がる静かな湖を眺めながら。

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Coucoo Grands  Lacs （クークー・グラン・ラック）

photo：Mike Travel Book

湖と命名されているように、湖上の25メートルの渡り廊下でたどり着く小屋をはじめ、多くが水に浮いている。写真は湖畔に立つ宿。バスタイムは階段を降りて湖に浮かぶオープンバスで、という素敵な体験ができる。