夏はグラン・パレのテラスでアペリティフ
パリジャンの夏のバカンスへの出発が始まりました。子供たちは既に学期が終わり、大学はもう随分前からバカンスに入っています。特にお金持ちが住む区はバカンス用の別荘を持っている人達が多いので、バカンスに突入するやいなやサーッと人がいなくなってしまうのですが、バカンスへの情熱や素早さには毎度感心させられます。
バカンス出発前に肌のお手入れにお越しになるマダム達とバカンスの話で盛り上がりますが、昨日のお客さまは週末からブルターニュへ発つマダムと、地中海に面したトゥーロンに発つマダム、バスク地方のビアリッツへ発つマダム。日本人は長期休暇を取ることに慣れてないから、日本から戻ったばかりなのにまたすぐバカンスを取るのが心苦しいような気がするとあるマダムに話したら、「確かにフランス人はバカンスを取り過ぎよ。でも長期休むことにもうすっかり慣れているから、バカンス中もやるべきことがたくさんあってちっとも退屈しないわ」との答え。私の周りでは働いている人で3〜4週間、既に退職している人だと2〜3ヶ月が普通です。名所を尋ねたり観光をするわけでもなく、一日中ビーチで日焼けしたり、別荘でまったりとするのがフランス流のバカンスです。
さて、ようやく猛暑も過ぎ、夏ならではのささやかな楽しみといえば、涼しくなる遅い夕方から夜にかけて散歩をするついでにテラスでのアペリティフ。よく行くのがグラン・パレの中にあるエリック・フレションのセカンドレストランの「ミニパレ」。天井が高く開放的でタイル貼の床が素敵で、夏は心地良くお気に入りの場所です。
ただ一つの問題を除いては・・・。
必ず食べ物目当ての鳥達が集まって来てくるんです(^_^;)
スズメだけならチュンチュンと集まってきてまだ可愛いらいしいけれど、鳩や黒い大きな鳥までバサバサっとやって来てテーブルのお菓子やおつまみを奪い去って飛び立っていくのでドキドキします。追い払っても離れたところからこちらをじーっと狙っているのでかなり怖くて、まるでヒッチコックの『鳥』の気分。
結局、おつまみは他のテーブルに置いて鳥達はそちらへ行ってもらう作戦に。
オーダーを取りに来たギャルソンが笑いながら「ロゼワインをもう1杯、おつまみなしですね!」
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