Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

豊饒の海☆

パリの1枚。

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昨年、歴史的景観保護を理由に撤去が決まった大観覧車“Grande Roue”(グランド・ルー)。

この冬はもう本当に見れないのだろうか…と思うとちょっと寂しい。

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もう何年も来ていなかったので、この界隈に関してもすっかり浦島太郎状態で外を眺めてしまいました。

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と、東京新宿南口にある紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAを目指す。

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11月7日から公演がスタートした東出昌大さん主演の「豊饒の海」というお芝居の初日を観劇してきました。

ロビーに入るなり強烈な花の香り☆

届けられたたくさんの著名人からのお花を見るのもミーハー的にはちょっと面白く、義理パパからも来てますね〜と思わずチェック。

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今回急遽観劇することになったのは、島由紀夫の長編四部作を初舞台化した「豊饒の海」。

脚本は、てがみ座主宰で作家でもある長田育恵さん。

演出は、ロンドンのオールドヴィック・シアターのアソシエイト・ディレクターで、ロンドンのネクストジェネレーションのトップを走るマックス・ウェブスターさん。

そして主演は東出昌大さん。

彼が舞台に登場した瞬間、誰より長い手足、日本人離れした腰位置の高さに思わず前のめり。。

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さて、「豊饒の海」は、第一部「春の雪」、第二部「奔馬」、第三部「暁の寺」、第四部「天人五衰」の全四作からなる長編小説です。

三島由紀夫は、執筆に約6年の歳月を費やし、この小説を書き上げた1970年11月25日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地にて割腹自殺を遂げました。その自決するまでの最後の時間を費やした「豊饒の海」は、三島が目指した「究極の小説」とも言えるそう。

と、言われても実は恥ずかしながら、この中では「春の雪」しか読んだことがなく、そもそも三島作品自体数えるほどしか読んだことがありません。

なので第二部以降の作品のあらすじをざっくり確認してから出かけました。

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ネタバレなあらすじは割愛ですが、原作を知ってる方にはわかりやすいものの、全く知らないとちょっと戸惑うかもしれません。

というのも最初の「春の雪」の主人公・松枝清顕(まつがえ きよあき・東出昌大)が、次々に輪廻転生する生まれ変わり物語で、異なる4つの時代を並行させながらストーリーが展開してゆくのです。

そして最後に松枝が愛した聡子(初音映莉子)の言動から、そもそもの松枝清顕の存在自体を読者、観客の想像に任せると言う余韻を残して完。

(演劇ではお馴染みの俳優さんたち多数、若手では宮沢氷魚さんも注目出演。画像は特設サイトより)

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三島作品を読み込んでいない私が言うのも僭越なのですが、ストーリーのベースとなる松枝清顕(まつがえ きよあき・東出昌大)のキャラが何とも複雑というか屈折していてThe三島作品と言う印象、感想です。

自分も好きなのに相手からの好意は素直に受け入れられない、プライドが高い、自意識過剰。

でも手が届かないとか他人のものになると思うと、急に激しく欲する。

幸せになれるのに自分からなれない方向に持っていくような人…。

夫「男は追われるとダメなんです。追いたいんで!」

K「面倒くさい…って言うか素直じゃないのは人として可愛くないな〜。」

でも若い頃の恋愛はその面倒くさいところや、こじらせるのが醍醐味なのかもしれない?!

なとど、鑑賞後の帰り道はいつも通りあれこれ感想を話しながらの帰宅でしたが、個人的には主人公が最後に残すセリフ、

「今、夢を見ていた。また会うぜ。きっと会う、滝の下で」

は、なんともロマンティックで熱くストレートで残りました。

私もどこか人は亡くなっても生まれ変わると信じているので…。

 

☆引き続き “Belle et Bonne Blog”も絶賛更新中☆
 
<info>
2018 PARCO PRODUCE “三島×MISHIMA”「豊饒の海」
 
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24−2 タカシマヤタイムズスクエア南館 7F

 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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