ロミオとジュリエット(と正音)☆
パリの1枚
エッフェル塔の下の紅葉。
今はもう完全に枯れ木になってしまった頃でしょう。
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「ああロミオ、ロミオっ、どうしてあなたはロミオなのっ!!」
「ロミオとジュリエット」(ウィリアム・シェイクスピアの戯曲)と言えば!な代名詞的セリフ。
今日はそのセリフがどれほど切なくに、ロマンティックに語られ、それに対してどんなロミオはどう応えるの?と楽しみに出かけた下北沢・本多劇場。
先月の「修道女たち」に続き2度目の本多劇場での観劇は、宮藤官九郎さん演出の「ロミオとジュリエット」。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-926.html )
と、その前に美味しいと評判を聞いていた、下北沢駅からも近いお蕎麦屋さん「蕎麦切り・正音」へ。
「満島ひかりさんが降りたのは残念だったよね〜」
などと言いながらまずは、甘くないふんわりソフトな出汁巻をいただく。
お蕎麦屋さんに行ったら必ず出し巻き卵をオーダー。好きなお店との食べ比べ♬
というのも、そもそもこのお芝居に興味を持った理由は満島ひかりさんのジュリエットが観たかったからなのですが、残念ながら降板してしまったのです。
ジュリエット役は知らない女優さんだね…と、続くシャキシャキの玉ねぎサラダをいただく。
お蕎麦屋さんの蕎麦の前の一品料理が好きです。
時間があるから鶏つくねも♬
これは香ばしく、かなり大きめの肉団子で、とろりとした甘めのタレと卵黄がよく絡んで美味美味。
そして頃合いよくお蕎麦。
寒いから…と夫は温かい鴨蕎麦、お餅入り。
私は穴子せいろを美味しくいただいてすっかり満足したところで本多劇場へ向かいました。
さて、今回ジュリエットを演じることになったのは、森川葵さんという若手女優さん。
しかもこれが初舞台だそう。
キラキラと光る瞳で、初恋のジュリエットを初々しく演じていました。
(キャスト画像はオフィシャル特設サイトより)
そして気になるロミオは…!
作品の中ではまだ少年の青さも感じる16歳の青年なのに、「あーあ」「あーあ」とボヤきながら登場したのは、「四角い顔の50歳のおっさん、しかも四等身」(←私の言葉でなく、劇中のセリフですよ〜)の三宅弘城さんのロミオ。
しかも金髪のオカッパヘア、長くはない足での白タイツといういでたちとなれば、もうコント、ギャグ?!
舞台に現れるやいなや会場からはクスクスと笑いが漏れました。
更に対照的にロミオを取り巻く仲間たちが勝地涼さんや小柳友さんと言った長身イケメンたち。
ロミオ役・三宅弘城さんをはじめ、テレビドラマでもお馴染みの今野弘樹さんや皆川猿時さんが会場を笑わせっぱなし。
こんなに笑った「ロミオとジュリエット」は初めて!?
笑い続けていたらなんだかとても気持ちがすっきりして元気になりました。
笑うって大事。。
人を笑わせることは簡単ではないこと。
その演出の面白さ、今っぽさは、宮藤官九郎さんならではの世界。
要所要所に笑いを撒き散らしながらも、ベースにあるのはやはりシェイクスピアの言葉(翻訳)。
それは深く、甘く、格好良く、思わず暗唱したくなる名言セリフばかり。
「人の傷を笑うのは、傷の痛みを感じたことのないやつだ。」
「おやすみ、おやすみ。別れがあまりに甘い悲しみだから朝までおやすみを言い続けていたい。」
(↓蕎麦切り・正音、またお邪魔したいと思います)
「ロミオ、あなたはなぜロミオなの」もつくづく哲学的。
ロミオは、ロミオだからロミオなのだ。
その出自も生い立ちも環境も全部含めて今のロミオ。
単に敵対する家の息子じゃなかったら良かったということじゃないのよね〜と思うと、私はなぜ私なのか?私になったのか?などど考えてみたりで、シェイクスピアのセリフは聞くたびに思うことは色々です。
何より400年以上前に書かれたものが時代を超えても面白く感じられるところがシェイクスピア作品の魅力。
そんなシェイクスピアの中でも特に有名人気作品で今回は大いに笑わせてもらったのですが、観劇後に入口に登場した本公演用の銅像を見て、最後にププっ!
お芝居の最後に通じるオチ。
本公演は、まさに喜劇な悲劇でした。
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