パリの子ども事情

パリのバレエ事情(20)

長男meiは第1回目から参加し今シーズンで4回目、次女miaは2回目の出場のNIJINSKI国際コンクールはフランスの北のリゾート地ドーヴィルで毎年開かれます。会場のこけら落としにニジンスキーが踊ったことがこのコンクールの名前の由来。

子どものコンクール出場には賛否両論ありますが、我がスクールは積極的に子どもたちを参加させています。そんな中でいろいろなことを体験したり感じたり子どもたちはしていくのですが、時にはとっても切ないことも。今回はそんなお話しです。

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2015/2016年の先シーズン、ミア(7歳)は〜9歳のカテゴリーで参加しました。先生の振り付けでポルカの音楽に乗せて赤ずきんちゃんのような衣装で踊りました。予選を通過し決勝では金賞を受賞。コンクールに出場して初めての金賞。その前の月にペロンヌ国際コンクールでは、途中で踊れなくなってしまった!アクシデントもあり、この受賞は本人のやる気を一層盛り上げる出来事でした。

そして2016/2017年の今シーズン、NIJINSKIコンクールへ出場にあたり先生から「去年金賞を取ってしまったらか今年は一つ上のカテゴリーに出場しなければならない。メイやアナエルと同じ10、11歳のカテゴリーだから、予選通過は難しいけれど」と告げられました。8歳で10、11歳の子どもたちと競うのは確かに難しい。

でも、難しいのは予選を通過し決勝進出するのが難しいだけだ。

ミアは決めました。落ちても構わない、コンクールの練習は続ける! 次のコンクールでも同じ曲を踊るのだから。週にコンクールの練習は2日、多い時で3日あってNIJINSKIコンクールに出なければこの練習にも参加できません。

我が子たちのスクールは、コンクールの練習が無料。これは先生方の熱意とコンクールにどう取り組んでいるのか、それを理解して感謝するばかりです。フランスでもほとんどが1時間いくらとコンクールの授業料を取るスクールが多い中でミアとメイは恵まれた環境で育っています。

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コンクール予選当日。理屈ではわかっていても、ちょっとブルーなミア。落ちるとわかってて出場するのですから...............。それでも会場へ行くとやる気満々! 「もしかしたら衣装着れるかもしれないよ!」などと意欲的。 予選通過すると決勝は衣装を着て踊ります。

しかし結果は予想どおり、予選通過は叶いませんでした。

ミアの成長は、予選通過できなくても出場する! 練習を重ねる! と自分で決めたことに大きな意味があったんだと思います。

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決勝を見終わって表彰式。

同じスクールのお姉さんたちと混ざって発表を待つミア。

一人ずつ呼ばれてみんな舞台の上に。

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私は一人だけ客席に残されたミアを切ない気持ちで見ていたのですが、表彰式が終わってサッとミアに駆け寄って来てくれたお姉さんたちに心がポカポカしました。

本人はケロッとしたもので、その夜元気にパリに戻りました。

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ⒸEcole de danse TERPSICHORE Paris

その2ヶ月後にベルギーで開かれた国際コンクールでは、銀賞を受賞。この真っ白な衣装が着たかった!  そして前ブログ<パリのバレエ事情19>での子どもたちの会話。賞を取ることについてどう考えるか? に繋がります> https://madamefigaro.jp/paris/blog/maiko-matsunaga/19-1.html

このべルギーの国際コンクーエルでは、兄妹そろって南フランスのカルパントラの夏のワークショップに招待されました。毎年オペラ座の学校へ生徒を送り出している名門のスクールが企画するワークショップ。今週末から行ってきます!

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松永麻衣子

ポパイからはじまりMCシスター、プチセブン、ラヴィドゥトランタンなどいろいろな雑誌でファッションエディターとして働く。 1996年に渡仏。子供3人の母でもある。 バレエに疎い私たちの元に育ったのにも関わらず、長男&次女はバレエダンサーを目指すことに。 5人家族であるのに二匹の猫も加わって。 人間関係&猫関係も時々綴っていきます。 

パリ発おとなとこどものwebマガジン『chocolatmag』の編集長。 

http://www.chocolatmag.com/    

MilK JAPON WEB ダイアリー「パリの12ヶ月」 

http://milkjapon.com/writer/080_maikomatsunaga   

OPENERS BLOG 「パリところどころ」

http://m-matsunaga.blog.openers.jp/

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松永麻衣子

パリ在住ジャーナリスト

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