天職を見つけた女性たち。#02

【パリの素敵な仕事人】食のセレクトショップで、喜びを売る。

特集

パリで話題のクリエイターやビジネスウーマンを紹介するシリーズ。パリ版「ディーン&デルーカ」とも言われる「メゾン・プリソン」を創業したデルフィーヌが大切にしていることとは?

デルフィーヌ・プリソン
メゾン・プリソン 」創設者

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「最初の店舗の準備中、1万点以上の食材をたった1年間でテストしたのよ。その最中に離婚を経験し、突然私と子どもだけの暮らしになってしまって……。でも、くじけることはなかった。それは私の性格では考えられないことね。退屈するというのも、私にはありえないわ」

2号店の準備中には第3子を出産。3人とも父親は異なるそうで、そんな起伏に富んだ小説のような人生をデルフィーヌは陽気な口調で語る。

「メゾン・プリソンは大成功したと言えるわ。おいしいものを売る。これはまず基本で、買い物をする場所として快適であることも大切。地元の人や観光客、いろいろなタイプの人が買い物に来るからこそ、店に拒まれていると感じる人がいないように努めているの。辞める従業員が少ないのは、ここで働くことに満足しているということでしょ。これは誇らしいことね」

おいしくて美しく、喜びを感じられる食の店。このアイデアは、1年暮らしたニューヨークで通ったディーン&デルーカに遡る。帰国したデルフィーヌは偶然からファッション業界に足を踏み入れ、そこで20年過ごしたところで「もうモードはいいわ!」と。次のステップを考えた時、誰かがやってしまうと思っていた仏版のディーン&デルーカがまだ存在しないことに気が付いた。まるで彼女を待っていたかのよう。資金調達、フランス国内での食材選びなど、準備に2年をかけ、メゾン・プリソンが誕生した。「大変だけど何もかもが楽しくて、幸せがずっと続いている感じ。野菜、ワインなどフランス中の大勢の生産者たちとともに、私たちも成長してゆくの。彼ら、そして従業員、客に対する責任はとても大きく、それを全うすることが私には大切なの」

2号店はスペースが広いため、新しい試みとして“グラトゥネット”というコーナーを作った。ル・クルーゼをはじめとするフランスの著名ブランドの台所関連用品、フランスのブランドとのコラボレーションアイテム、そしてブロカントのプロがセレクトする古い食器類を販売している。マレ地区の1号店を朝にチェックした後、自転車を走らせて2号店へ。そして夕方、再び1号店に寄ってから帰宅する毎日。店に新しい品が届くと必ず味見をし、スタッフと話をし、客とも話をして……。

Delphine Plisson
1971年 パリ郊外クレテイユ生まれ
1989年 商業専門学校に入学
1991年 ニューヨークへ渡り、アートギャラリーで働く
1993年 パリに戻り、アニエスベー、サンローラン、
       クローディ・ピエルロなど、モード界でキャリアを積む
2013年 モード界を去り、メゾン・プリソンの準備を開始
2015年 メゾン・プリソン1号店をオープン
2018年 メゾン・プリソン2号店をオープン

*『フィガロジャポン』2019年1月号より抜粋

photos : JULIE ANSIAU, réalisation : MARIKO OMURA

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