天職を見つけた女性たち。#04

【パリの素敵な仕事人】刺繍を通して、セネガルの女性を支援。

特集

美しいものを人々に提供するだけでなく、作り手であるセネガルの女性たちの自活サポートを胸に活動するオンディーヌ。その情熱は、クリスチャン ルブタンやボンポワンとのコラボレーションへと結び付いている。

オンディーヌ・サグリオ
CSAO」アーティスティックディレクター

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アフリカのプリント地ワックスに、ポジティブなメッセージと花を刺繍したクッションは、いまやパリジェンヌのインテリアに不可欠な CSAO(セネガル&西アフリカ商社)のヒット商品。セネガルにはその昔、結婚する女性に手刺繍を施した白いシーツやクッションを贈る習慣があり、創業した母親から4年前にCSAOを引き継いだオンディーヌがそれに発想を得てオリジナル商品を開発したのだ。

「最近は刺繍入りの布バッグも好評で、最初は3人しかいなかった女性の刺繍職人が、いまや150人もいるのよ! セネガルにふたつの作業場があって、新しい人には技術指導もしています。私の目的はお金儲けではなく、彼女たちを自立させること。手に職をつけた彼女たちはこの仕事で、子どもを学校に通わせることができ、年老いた両親の医療費なども支払うことができるの」

あいにくとこの成功の裏側には、望ましくない事態も。賃金の安い国で作られた粗悪なコピー商品が出回り始めているのだ。 CSAOの品が脅かされることはセネガルの大勢の女性たちの生活に関わるので、穏やかなオンディーヌも怒りを隠せない。「いまの仕事には、とても大きな喜びを感じているわ。でも150人の女性たちに十分な仕事を常に与え続けなければ、という責任があるので、不安もものすごく大きいのよ」

幸いなことに、コラボレーションの声がかかることが増えているそうだ。クリスチャン ルブタンやティラマーチ……ボンポワンとはリバティ地に刺繍を施した一点もののクッションのコラボレーションが続いている。彼女はアフリカのサヴォワールフェールを活用し、何ができるか常にアイデアを探している。セネガルの国旗をパッケージに生かした自然派石けんや、クッションにコーディネートしたくなるハンドペイントのガラスのお皿などは、CSAOの店でしか見つからないオリジナルだ。やるべきことが山ほどあり、1年のうち4、5カ月をセネガルで過ごすそう。子どもの学校が休みの時期には一緒に行く。

「小さい頃は写真家になりたいと思っていた。ニューヨーク時代、独学でモノクロのドキュメンタリーを多く撮ったわ。いまはショップカードやインスタグラムなどの写真を撮影しています」

Ondine Saglio
1973年 セネガル、ダカール生まれ
1991年 ソルボンヌ大学に入学。5年間学び、文学修士号を取る
1995年 母親と始めたCSAOでセネガルの職人技を生かした商品開発を担当
2001年 豊かな経験を求め、ニューヨークへ。長男誕生
2005年 パリに戻る。CSAOの仕事にパートタイムで関わる
2014年 人道支援組織ASAOに専念する母から、CSAOを引き継ぐ
2015年 ベストセラーとなる刺繍のクッションの製作販売、
    他ブランドとのコラボレーションに力を入れ始める

*『フィガロジャポン』2019年1月号より抜粋

photos : JULIE ANSIAU, réalisation : MARIKO OMURA

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