空を見て! ボン・マルシェの中に150隻の船が浮かぶ。

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1月14日から、左岸のデパート、ボン・マルシェの本館中央の吹き抜けのスペースに、塩田千春のインスタレーションの展示が始まる。彼女はベルリンを拠点に世界的活動をしているアーティストで、去年グッチによるアートプロジェクト『Gucci 4 Rooms』に参加しているので、彼女の仕事と名前に目覚めた人もいるのではないだろうか。「Harbarium Room」と名付けた赤い糸で網のように覆った部屋だ。その前の年は、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で日本館にて出品している。

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左:塩田千春、ベルリンのアトリエにて。右:『Where are we going ?』展に向けて。

10年以上も前から館内あちこちに展示して、コンテンポラリー・アートを奨励するボン・マルシェ。2016年の初めは、アイ・ウェイウェイによるインスタレーションが話題を呼んだ。そして今年は塩田千春である。彼女は白紙依頼されたインスタレーションに、『Where are we going ?』とタイトルをつけた。夏休みに、よく地元の大阪から高知へと夜に船で渡った彼女。その時に、朝、目が覚めると新しい世界に到着したかのような印象を受けたという。ボン・マルシェでのインスタレーションは、世界にあるさまざまな種類の船が合計150隻。大きさはさまざまだが、すべて同じ方向に向かっている。それは希望へと、未来へと、ということだ。

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館内のインスタレーションのメーキングより。白いしっかりした糸が使われれば使われるほど、遠目にはふわふわに見えるのが面白い。

イン・サイチュで作品をクリエートしてゆくのが彼女のやり方で、ボン・マルシェでは1月6日から14日に向けて作業を始めたとか。セーヴル通り側のウィンドウでも、“編み”をライヴで見ることができた 。手の中に白い糸玉を握りこみ、まるで鉛筆でデッサンするかのように編み続け、立体にしてゆく。白い糸だけが材料というのはこれが初めだそうだ。地上階には波のようなフォルムが登場するらしい。そして、「memory of the ocean」と命名されたその場所を渡ることによって、人々はその作品に参加することになる。

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左:ウィンドウのメーキング。右:制作中のウィンドウ。

彼女のインスタレーションを前に、一体いくつの糸玉がこのインスタレーションに使われているのだろうか、いったい完成までどれだけの時間がかかったのだろうか……こうしたごく現実的な数字の疑問が見る人の心に浮かぶことだろう。それは作品と見た人の間に対話が生まれ、その人たちが彼女の作品、彼女の人生に入り込んだということになるのだと彼女は語る。ボン・マルシェというデパートでの作品展示は、アート関係者だけでなくより多くの人との出会いとなることを期待しての、彼女にとっては新しいチャレンジ。最終的にインスタレーションに使われるのは、総計何メートルの糸だろうか。気になる。

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これはまだ完成前。ボン・マルシェのガラス屋根の下、塩田千春による壮大なインスタレーションが1月14日から見られる。

『Where are we going ?』展
会期:2017年1月14日~2月18日

Le Bon Marché Rive Gauche
24, rue de Sèvres
75007 Paris
営)10:00~20:00(木、金 ~20:45)
休)日
http://www.lebonmarche.com/jp.html

réalisation:MARIKO OMURA

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