ふたりの巨匠、バレンシアガとアライアはシェイプの彫刻家。

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アズディン・アライア財団で目下開催中の『Alaïa et Balenciaga Sculpteurs de la Forme(アライアとバレンシアガ、ボディシェイプの彫刻家)』展。会場に入る直前、係員から「服には触らないように!」と注意を受ける。服に限りなく接近できる展示法もさることながら、展示の56点はどれも美しい布とシェイプを見ているだけでは物足りなく、つい手で服のカーブをなぞってみたくなる魔力の持ち主だからだろうか。

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(左)アライア、2012年秋冬コレクションより。(右)バレンシアガ、1962年秋冬オートクチュールコレクションより。photo:Stéphane Aït Ouarab

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(左)バレンシアガ、1961年秋冬オートクチュールコレクションより。(右)アライア、2011年秋冬クチュールコレクションより。photo:Stéphane Aït Ouarab

この展覧会は、アライアとバレンシアガを尊敬するユベール・ド・ジバンシィの強い希望により財団とともに計画されていたものだ。アライアが2017年11月に亡くなり、ジバンシィの頭にすぐに浮かんだ企画なのだが、あいにくと彼自身もアライアを追うように2018年3月に亡くなってしまった。ジバンシィがふたりの偉大なクチュリエにオマージュを捧げる展覧会。2年をかけて財団が実現した。かつてクチュールメゾンに働いていたという様子の年配客、これからモードを職業にしようといった若い世代が交じり合い、迷路のような会場を満たしている 。

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展示法と照明により、一点ごとのシェイプが美しく浮かび上がる。photo:Mariko Omura 

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アライア? バレンシアガ? 会場では当てっこゲームを楽しむ若いモードファンも。photo:Stéphane Aït Ouarab

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プレタポルテが台頭した1968年、クリストバル・バレンシアガが突然クチュールメゾンをクローズしてしまったことは有名な話である。顧客の女性たちは行き場を失い孤児状態に……。そのうち多くの女性は、バレンシアガを師と仰いでいたユベール・ド・ジバンシィのクチュールメゾンへと。ジョルジュサンク通りのバレンシアガには多くの布地、ドレスが残されたままに……。

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(左)バレンシアガ、1953年秋冬オートクチュールコレクションより。(右)アライア、2012年秋冬コレクションより。photo:Mariko Omura

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(左)アライア、2017年秋冬クチュールコレクションより。(右)1963年秋冬オートクチュールコレクションより。photo:Mariko Omura

そこでバレンシアガのアトリエで長年働いていたマダム・ルネは当時無名だったアズディン・アライアに白羽の矢をたて、彼に布や服などを自由に選ばせたそうだ。

ふたりによるボディシェイプの美しい服は建築的、彫刻的と表現される。ドレス、ボレロ、コート……両者の仕事が対話するように展示された会場は迷路のように構成され、仕切りに用いられた半透明のパーテーションからは、後方の服のフォルムが透けて見える仕組みだ。

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バレンシアガ、1954年秋冬オートクチュールコレクションより。photo:Julien Vidal

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アライア、2003年秋冬クチュールコレクションより。photo:Julien Vidal

最後、脇の小さな別室で2016年にジョー・マッケナが制作したビデオを見逃さないように。ニコラ・ジェスキエール、グレース・コーディントン、ナオミ・キャンベルらがアライアについてバレンシアガについて語り、アライアのショーはもちろん、アトリエでのアライアの映像も見ることができる。仮縫い、布のカット……アライアの手がどう仕事をしたのか。また、愛犬と戯れる姿、有名なキッチンでゲストと食事といったアライアの素顔も映像に含まれ、少々長めのビデオだがモードファンたちは食い入るように眺めている。

1935年のバレンシアガの誕生から、2018年のロンドンでのアライア展までふたりの年表が左から右へと書かれたビデオルームの壁の上、アライアの言葉が書かれている。「女性を美しくすること。私はそのことに常に取り憑かれていました。この考えで創造すれば、時代遅れになるものなど何もないのです」

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アライアはチュニジア共和国の出身。バレンシアガはスペインの漁村ゲタリア出身で、偶然にも地中海沿岸生まれという共通点も。写真は1988年に撮影されたアライア。photo:Jean-Baptiste Mondino

Azzedine Alaïa Collectioneur
『Alaïa et Balenciaga Sculpteurs de la Forme』展
開催中〜6月28日
Association Azzedine Alaïa
18, rue de la Verrerie
75004 Paris
開)11時〜19時
無休
料金:5ユーロ

réalisation:MARIKO OMURA

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