240年の歴史を彩るショーメ、宝石で愛のメッセージを。

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ヴァンドーム広場12番地の本店が長い工事を終えて、2月29日にリニューアルオープンしたショーメ。240年という驚くべき長い歴史の中で、メゾンのみならず宝飾史を彩る多数の逸品を生み出している。身に着けてみたいという夢をかき立てる新作の話題はいつだって気になるけれど、とりわけ自宅で過ごす時間の長いいまこそ、ジュエラーの今日を支える過去のクリエイションに目を向けてみるのも一興だろう。その昔、王侯貴族やブルジョワたちというひと握りの人々だけがジュエラーにオーダーできたハイジュエリー。1780年の創業以来、2000以上のティアラを王侯貴族のために制作しているショーメの名にすぐに結びつくのはティアラかもしれないが、ここでは王室のジュエリーの中から、愛のジュエラーと呼ばれるショーメらしいブレスレットの物語を。

アクロスティック、愛のジュエリー。

英語だとアクロスティック、フランスではアクロスティッシュ。これは詩の折句形式にインスパイアされ、18世紀、ナポレオン皇帝の時代に流行ったジュエリーだ。愛のメッセージ、愛する人の名前などを宝石に託すという、高価な石遊びである。

ナポレオン皇帝の最初の妻ジョゼフィーヌが大切にしていた2本のブレスレットは、1806年、フランソワ=ルニョー・ニトによるもので、どちらも小花の間がさまざまな宝石で彩られている。彼女はナポレオンとの間には子どもがいないが、最初の結婚相手との間に長男Eugène(ウジェーヌ)、長女Hortense(オルタンス)をもうけている。ブレスレットの1本の宝石はEmeraude(エメラルド)、Uniaxial crystal(水晶)、Grenat(ガーネット)、Emeraude、Nicolo(ニコロアゲート)、Emeraudeの順に並び、石の最初の文字をつなげるとウジェーヌとなる。もう1本は石がHessonite(ヘソナイト ガーネット)、Opale(オパール)、Rubis(ルビー)、Turquoise(ターコイズ)、Emeraude、Nicolo、Saphir(サファイア)、Emeraudeと並んでいて、オルタンスだ。宝石のバリエーションにも驚かされるが、自分の名前でブレスレットを作るとしたら、どんな宝石が並ぶのだろう、と気になるアクロスティックでは?

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ジョゼフィーヌの子どもたちの名前を宝石で描いたブレスレット。左がウジェーヌ、右がオルタンス。『Chaumet en Majesté』展の図録中、ショーメによる愛のジュエリーの代表作として掲載された。皇后ジョゼフィーヌ亡き後は、ペアのブレスレットはウジェーヌの手に渡り、その後家族の中で継承され、現在はデンマーク王室のコレクションとして所蔵されている。

ナポレオン皇帝はふたり目の妻マリ=ルイーズに結婚祝いとして3本のアクロスティック・ブレスレットを贈っている。3本とも、名前の宝石とゴールドに刻まれた年号で構成されている。2本は皇帝と妻それぞれの名前と誕生日で、3本目はふたりの出会った年と結婚年だ。

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1810年に作られた、マリ=エティエンヌ・ニトによるナポレオン1世皇妃マリー=ルイーズのアクロスティック・ブレスレット3本。上はナポレオンの名をなす宝石と彼の誕生年1769の組み合わせ。中はマリ=ルイーズの名をなす宝石と彼女の誕生年1791の組み合わせ。下はふたりが初めて出会った3月27日、結婚年1810の数字とふたりの名前の組み合わせだ。個人蔵

18世紀に始まった愛のジュエリーの創造を続けるショーメ。1890年と2004年のAmourのブレスレットは、同じ言葉でも用いる5種の宝石が異なるので、まったく異なるクリエイションとなっていて、見ていて楽しい。愛を伝えるジュエリーはメゾンの歴史において進化を続け、大切な人との結びつきを象徴するシンプルでエターナルなモチーフ、「リアン」コレクションが21世紀の女性たちの心を惹きつけている。

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上はAmour(愛)を綴ったブレスレット。1890年頃のジョゼフ・ショーメによるリボンブレスレットで、Amourを描く石はAméthyst(アメシスト)、Morganite(モルガナイト)、Opale(オパール)、Uvite(ウヴァイト)、Rubis(ルビー)。下は2007年のマルチ。ブレスレットで、ゴールドとダイヤモンドが描く絆(リアン)が愛をうたう。ともに個人蔵

 

réalisation : MARIKO OMURA

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