ますますダンスと関係を深めるモードの世界。

パリとバレエとオペラ座と。

プチバトーがマリ=アニエス・ジロとコラボレーション。

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パレ・ロワイヤルの池で発表されたプチバトー×マリ=アニエス・ジロのカプセルコレクション。

9月から始まるオペラ座の新シーズン2017〜18では、3名のエトワールが引退する。そのうちのひとり、マリ=アニエス・ジロはピナ・バウシュの『オルフェとユリディス』で3月31日にアデュー公演を行うことが予定されている。数年前から外部における活動も活発な彼女。この連載でも昨年11月に、彼女のモード界でのミューズぶりは紹介済みである。

そのマリ=アニエス、今度はダンスウエアと自由な動きからインスパイアされたというカプセルコレクションをプチバトーとコラボレーションした。中でも、バレエの稽古着のように背中が大きく開いたマリニエールは、ヒット確実アイテムだろう。またプチバトーでは撥水性の高い素材を使った黄色いパーカがおなじみだが、このカプセルコレクションでは黄色ではなくマリンブルーで、ジャケット、ロングスカート、帽子、バッグに使われている。7月のオートクチュール週間に行われたパレ・ロワイヤルでの発表会では、このスカートをつけた彼女とエトワールのアリス・ルナヴァンが丸い池の中で2羽の白鳥のごとく舞い、拍手喝采を浴びた。

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カプセルコレクションの撥水性の高い素材のスカートをはいたオペラ座のエトワール、マリ= アニエス・ジロ(右)とアリス・ルナヴァン。

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意表をつくプレゼンテーションに、パレ・ロワイヤルの散歩者も足を止めてふたりのダンスに見入っていた。

さて、オペラ座の女性ダンサーたちはキャリアの構築だけに人生を限らず、私生活も普通に営んでいる。出産の可能性を逃すことのないよう、42歳の定年までに1〜2人の子供を持つダンサーは少なくない。マリ=アニエスもそのひとりで、2013年に男の子を出産。母親である彼女はこのカプセルコレクションにおいて、自分の幼少期、そして母親としての日常にインスパイアされた子供用アイテムも用意した。防水のマリンブルーのサロペット、星がちりばめられたワンピース……。

なお、このカプセルコレクションによる全収益は、パリ・オペラ座と文部省が毎年開催している「学校とオペラ座の10か月」という教育プログラムに寄付されるという。過去にチャリティイベントに複数関わっているマリ=アニエスらしいファッションブランドとのコラボレーションのやり方と評価したい。

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プチバトー×マリ=アニエス・ジロのカプセルコレクションは、10月25日からシャンゼリゼ大通り116番地のブティックとオンラインショップにて先行販売が始まる。その他のブティックでは11月2日より販売。価格はレディース35ユーロ〜、キッズ14.90ユーロ〜。マリ=アニエスも長男と共にカプセルコレクションを着てポーズ! photos:Matthew Brookes

≫ 動くことで美しさが際立つ、メゾン ラビ ケイルーズのドレスに生命を吹き込むダンサーたち。

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ダンスが生命を吹き込むメゾン ラビ ケイルーズのドレス。

ラビ ケイルーズがデザインするドレスやコートは、動いた時に美しさがより輝く。昨夏、モデルではなくダンサーに服を着せて、彼は2017年の春夏コレクションを発表。その時はマリ= アニエス・ジロの振り付けで、彼女が率いるオペラ座の10名の若いダンサーが彼女と共に会場で踊って服を見せた。

さて1年後、2018年春夏コレクションのショーもオペラ座のダンサーによるものだったが、世代交代がみられたのが面白い。前回は10名のひとりで、昨年末エトワールに任命されたレオノール・ボーラックが今回は中心となり、マリオン・バルボー(スジェ)とシルヴィア・サン・マルタン(スジェ)の3名でコレクションを披露した。コートの下から登場する素材の軽やかさとたっぷりしたボリュームが特徴のドレスは、彼女たちの動きにあわせて緩やかに揺れて……。ちなみにステージでピアノ演奏並びに歌を担当したのはクリストフ。今年71歳になる彼はフランスでは伝説的な人物である。ダンサーたちが纏ったドレスの優雅さに、彼の歌声が感動をプラスしたショーとなった。

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コートを脱ぐ仕草も優雅で美しいレオノール・ボーラック。

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レペットの香水の新しいエジェリーでもあるマリオン・バルボー。

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怪我による長い休業からの復帰以降、活躍がめざましいシルヴィア・サン・マルタン。photos:Jonathan Philippi LEVY

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メゾン ラビ ケイルーズの2018春夏コレクションより。photos:PERSONA Editions

大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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