ブルターニュ8月のマルシェ「ヴァカンスのごはん」
パリのマルシェとレシピ。
今年のヴァカンスもサンマロ(Saint-Malo)に出かけてきました。
パリよりも10~15℃気温が低くて海辺は爽やかです。
早朝、目覚めてすぐ海辺に出ると、潮が引いたばかりの砂浜を朝日が照らしてウユニ塩湖のような美しさ。
朝食を済ませ、海沿いを歩いてマルシェに向かうと、人懐こい子が途中までお供してくれます。
アパートから歩いて10分ほどでパラメ(Paramé)のマルシェに到着。混雑を避けて早めに出たのに、もう魚コーナーは賑わっています。
滞在中一度は作るムール・フリット(ムール貝の酒蒸しとフライドポテト)。モンサンミッシェルのムール貝は格別です。
カキで有名な近隣の町、カンカル(Cancale)産のもの。
生きたブーケという高級エビ。ロックダウンになって以来、久々にこういうものを見ました。唐揚げが最高!
活手長エビ、贅沢だけどヴァカンスだから買いましょう。
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このマルシェが素晴らしいのは、“地産地消”がなんと豊かなこと! 家族で代々守ってきた農園、牧場から、漁師やカキ・ムール貝の養殖家から、あらゆる地元の産物が集まっていること。パリのマルシェの野菜に多くあるスペイン、イタリアの量産品、熟す前に早摘みし遠くから運ばれてくるものとは違います。
特に好きなのは、この農家。こんなにみずみずしくむっちりとしたラディッシュを初めて食べました。
香りが強いのは土壌が良い証拠。私の大ごちそう、ハーブだけのサラダを作ります。
朝摘みのイチゴが飛ぶように売れていきます。
夏らしいのは、真ん中にある自家製ピクルス用のコルニション(Cornichon)
盛りの夏野菜がとにかくおいしいので、サラダ、グリルや天ぷらをたくさん作って味わっています。
ブルターニュはトマトの一大産地なので、種類の多いこと!
名残のサクランボを見つけてうれしい。
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果肉がオレンジの甘いメロンは、生ハムを添えるだけで夏の前菜に。
夏の間に一度は食べておきたいのがこれ。最近は、インゲンと合わせたサラダにハマっています。
肉は、いつも牧場直売のラ・フェルム・デ・オウブリエ(La ferme des Aubriais)で。 ここの豚のロティーが大好物。
ブルターニュらしいバターをたっぷり使ったサブレやガトーブルトンもお薦めです。
パリのマルシェでは見かけなくなったお年寄りたちも、こちらでは元気で良かった。
帰り道は静かな裏通りへ入って、ブルターニュスタイルの素敵な家々を見ながら、この先の海岸まで歩きます。この続きとサンマロの様子はこちらから。
お昼は、イワシをさっと塩で締めてオリーブ油とニンニクを混ぜたオーブン焼き、生ハム&メロン、トマトサラダを。
夜は、海のものたっぷりのパエリアを作りました。
デザートは、サクランボのクラフティーを。
食後は海に出て、夕日を拝むのが愉しみ。こんな風に食べて寝て、あっという間に日々が過ぎていきました。
今日は、ヴァカンス中も食べていた夏野菜を使ったフランスの家庭料理の定番、ファルシーを。普通は挽き肉をたっぷり詰めますが、これは、ご飯を入れて軽く。新鮮なズッキーニは生でもおいしいのと、具材に火が通っているので、高温でさっと焼きます(オーブントースターでも可)。
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■ズッキーニのファルシー
Courgettes farcies
丸ズッキーニ 2個
ネギの青い部分 1本分(又はタマネギ1/2個)
ニンニク 1片
ドライトマト 2個
エンドウ豆(又は枝豆) 茹でたもの50g
ご飯 1膳(写真はスペルト小麦を混ぜて炊いたものを使用)
オリーブ油 大さじ1
塩、コショウ 各少々
ミニトマト 16個
タイム 適宜
<ガーリックパン粉>
パン粉 大さじ3
ニンニク 1/2片をおろす
パセリ みじん切りを少々
オリーブ油 大さじ2
塩 少々
ー 作り方
1. ズッキーニを縦半分に切り、スプーンで中をくり抜く(皮の内側5~7㎜くらい残す)。ズッキーニの中身、ネギ、ニンニク、ドライトマトをみじん切り。
2. うつわにガーリックパン粉の材料を入れて混ぜ合わせる。
3. フライパンにオリーブ油、ニンニクを入れてから火にかけて、香りが出てきたらネギを入れ、きつい香りがなくなるまで炒める。そこに、ズッキーニの中身、ドライトマト、タイム少々(葉の部分)を入れて炒め、強火にして水分が飛んだら、ご飯とエンドウ豆を入れて混ぜ、火を止める。塩、コショウで味を調える。
4. ズッキーニに3を詰めてから、ガーリックパン粉を振りかけて耐熱のうつわにミニトマト、タイムの枝と一緒に並べる、200℃に予熱しておいたオーブンで10~15分くらい焼く。パン粉が色づいたら出来上がり。
*ボリュームが欲しければ、具の中にベーコンやチーズを入れる、上にパルメザンチーズをかけて焼いてもよし。ズッキーニの代わりに、トマトで作ってもいいですよ。
冷めてもおいしいので、ピクニックにもぜひ。
旬の夏野菜を思いっきり楽しみましょう!
Place Georges Coudray, 35400, Saint-Malo France
営)水・土 8時30分~13時
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo