パリ3月のマルシェ「花冷えのパリで味わう熱々のオニオンスープ」
パリのマルシェとレシピ。
ロックダウンが始まったパリですが、以前より規制が緩やかなせいか、あまり変わらずに暮らしています。
まだまだ寒いので、春の陽光を探しにセーヌ川に出てみると、朝からのんびりと散歩する人たちが。
そこからセーヌを横切ってサンルイ島を通り5区モンジュ広場のマルシェまで足を延ばしてみました。
真っ先に行くのは、パリの南Essonne(エッソンヌ)の農家、このマルシェの人気者Marc Masceti(マルク・マセティ)さんのスタンド。この人の作る野菜をたくさんのファンが待っています。日曜は長蛇の列で早々に売り切れますが、金曜の早めの時間はまだ人がまばら。
この武骨で砂だらけのニンジンがおいしいのです!
ひたすら地味ですが、そこが信用できる気がします。これがいまのイルドフランスの地物。
お向かいにはピカルディの農園のスタンドが。クルミをスコップ1杯入れてもらいます。
秋に収穫された甘い甘い梨もそろそろ終わり。ここのアンディーブとクルミを合わせてサラダに。
ビオのスタンドには彩りの良い根菜セットが。クレソンもおいしそう。
スペイン産のアスパラが出てきた! 初物にそそられますが、食べたいのはロワール産のものなので、もうちょっと辛抱します。
隣には珍しい新生姜。甘酢漬けでも作ろうか……
チーズのデパートがあったので、スープ用にパルメザンを切ってもらいます。
イル・ド・レの塩、ディジョンのマスタード、チーズにも合うコンフィチュール、おいしい食卓に欠かせないものが揃っています。
イチジク、きのこ、クルミ、栗入りなどなど、アルチザナルなソーセージがおいしそう。
マルシェの帰りには、近くにあるジャルダン・デ・プラントへ寄り道。
毎年の開花を心待ちにしている大桜も満開に!
冬の終わりから咲いているミモザは、そろそろおしまい。
しばしマスクを外して早春の香りを愉しみます。
こちらも南国のジャスミンのような香りでうれしくなる。
藤色の小花が寒風の中、ふるえています。
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さて、今日はマルクさんの畑のおいしい玉ネギを使って、パリのカフェやビストロのクラッシックなメニュー、オニオンスープを作りました。
■オニオンスープ
Soupe à l’oignon
使用したうつわ
Céramique うつわ : Staub
Casserole 小鍋 : BALLARINI
ストウブ、ツヴィリング、ヘンケルスの公式通販
材料2人分
玉ネギ 2個
オリーブ油(またはバター) 大さじ2
小麦粉 大さじ 1/2
固形ブイヨン 1/2 個
水 500ml
酒(又は白ワイン) 50ml
パルメザンチーズ(溶けるチーズ) 50g
バゲット 薄切り4枚
タイム(又はパセリなど) 少々
塩コショウ 少々
作り方
①玉ネギを縦方向に半分に切り、さらに縦方向に薄切り。深めのフライパンもしくは鍋にオリーブ油と玉ネギを入れてやや強めの中火で色付くまで炒める。小麦粉を振りかけて1分くらい炒めながら混ぜたら、固形ブイヨン、水と酒を加えて沸騰させる。中~弱火で5分ほど煮てから味見をして、塩コショウで味を調える。
②耐熱容器(小鍋やボールなど)に①を入れて、バゲットとチーズをのせて、200度に温めておいたオーブンでチーズが色付くまで焼く(もしくはオーブントースターで)。
③タイムを散らす。
熱々のチーズが溶けて糸を引くうちにどうぞ!
気長に炒めた玉ネギの滋味を味わいながら、ほおーっと一息。冷え切った身体の芯からよく温まる。
一昨日、大鍋に作ったポトフのスープがたくさん余っていたので、これに加えてリサイクル。肉から出たうま味とコラーゲンたっぷりだ!と思うと元気が出てきます。
イタリア人の友人がパルミジャーノの塊をくれた時に、「チーズの外側の皮の硬いところは、ブイヨンに入れると良いダシが出ておいしいのよ」と教えて貰って以来そうしています。ひとかけら入れるだけでコクが違います。
出来上がったスープをパリのビストロでも使われているBALLARINI(バラリー二)の小鍋に入れてみました。
外食ができないいま、こんな些細なことですが、レストラン気分を味わいながら、楽しい食卓にしてくださいませ!
Place Monge 75005 Paris
メトロ)7番線Place Monge駅下車
営)水・金・日曜 7時~14時30分
『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』 Sachiyo Harada著 Marabout刊 photo : Akiko Ida
Information
この連載の著者であるHaradaさんが、フランスの出版社Edition Marabout Hachette社 からRamenの本を刊行。
「フランスでは数年前からのラーメンブーム。基本のスープの作り方、焼き豚、味玉、クラシックなラーメンから、和え麺、冷やしラーメン、ヴィーガン等々…麺好きな私なりのレシピブックを作ってみました」
日本では、こちらからお取り寄せ可能、ぜひチェックしてください!
料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo