カラフルなビストロ・チェアは永遠にパリのシンボル!

PARIS DECO

パリの街中を歩いていると、籐の土台にカラフルなリングイーネ・パスタを編んだような椅子をカフェやビストロのテラス席で見かける。パリの景色の一部になっているともいっていいかもしれない。椅子は店によって、色、フォルムがさまざまだ。これらの多くは創業1885年のメゾン・ドリュッケーか創業1920年のメゾン・J.ガティのもので、椅子の後ろ側に名前を書いた金属プレートが留められている。

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左:妻はフレンチ・ヴォーグの編集長という人気のADフランク・デュランがプロデュースした16区のHoliday Caféのテラスにも! 右:ベンチタイプもある。9区のピザ・レストランでは陶のスツールと組み合わせて。

 

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左:メゾン・ドリュッケーの歴史、アトリエ仕事、過去のカタログ、クリエイターによる特注品などビジュアル満載で見せる1冊。「La chaise parisienne」(Editions la Martinière刊/40ユーロ) 右:ビストロ・チェアの背に留め付けられたメタルのプレートで、製造者の名前を知ることができる。

 

例えば、カフェ・ド・フロール。テラス席に並ぶのは赤と緑を編んだメゾン・ドリュッケーの椅子だ。フロールにはこの緑と赤の椅子でなくてはならず、そして、これはフロールのための椅子である。ビストロ・チェアがその場所のアイデンティティともなっているのは、ちょっとしたレストランやカフェでは、店の雰囲気、内装に合わせて特別オーダーをするからだ。色の組み合わせだけでなく、編み込み模様もまるでニットのように可能! 手編みされているのはRislanという色を混ぜ込んだ樹脂の一種で、発色が美しく透明感が魅力の素材である。時代にすたれることなく、頑丈で、エレガント……フランスの職人仕事が生きたこの椅子は、パリから消えてほしくないもののひとつに数えたい。お気に入りのビストロ・チェアをみつけるためのパリ散歩をするのもいいだろう。その種類の豊富さに、きっと驚くはずだ。

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左:7区のシックなカフェ・レストランでは爽やかなブルー系のビストロ・チェアが。 右:ロワイヤル通りのMinim’sでは、タータンチェック風。

 

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左:サンジェルマンのAu chai de l’abbayのテラスにはベンチと椅子がずらりと並んでいる。 右:9区のカフェ。草間彌生のかぼちゃ色の椅子を赤いテーブルに合わせて、ポップに。

 

座るだけ、あるいは見るだけで、買えない!? いえいえ。デザイナーのフィリップ・モデルは内装を手がけたある店のために、色やモチーフをデザインしてメゾン・J.ガティに椅子をオーダーした。その経験から、今度は自分のブランドのために春夏、秋冬と年に2回のカラー・コレクションをメゾンとコラボレーションすることに。室内での使用を意識して、フォルムも少し繊細だ。10月15日までデパートのボン・マルシェで開催中の「パリ!」展で、秋冬色の椅子を販売中。彼の9区のインテリア・ブティックに行けば、他のカラー・バージョンも見ることができる。セバスチャン・ゴダールやローズベーカリーが並ぶマルチール通りから、そう遠くなく、お向かいはMaison Kitsuné 、お隣はAésopという場所にある。

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左:フィリップ・モデルによる今秋冬用の色をまとったメゾン・J.ガティのビストロ・チェアとスツール。右:ボン・マルシェの「パリ!」展にて販売中。10月15日まで。

 

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左:フィリップ・モデルのブティックにて。トリコロールは490ユーロ。右:ビストロ・チェアの利点は、このように重ねられること。各420ユーロ。

 

Philippe Model Maison
65, rue Condorcet
75009 Paris
Tel. 01 48 03 92 58
営)11:00~19:30
休)日・月
www .philippemodelmaison.com
大村真理子 Mariko Omura madame FIGARO japon パリ支局長 東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏する。フリーエディターとして活動し、2006年より現職。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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