彼の植物、私のピンクタッチ。快適空間に仲間が集う。

PARIS DECO

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Lorna Moquet/ロルナ・モケ
コンセプトストア「Sept Cinq」共同創立者

「ここは太陽があまり入らないのが、ちょっと残念。でも、1年半かけて気持ちよく過ごせる空間ができあがったので、とてもうれしいの」

ロルナがパートナーのギャスパー、そして猫のレオノールと暮らすのは18区のアパルトマン。メイド・イン・パリのブランドを集めたブティック「Sept Cinq(セット・サンク)」を彼女が一緒に始めたオードレー・ガリエのアパルトマンは昨年10月に紹介したが、ここからそう遠くない。

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ダイニングルーム。テーブルは通販のLa Redouteで見つけたもの。エマウスで入手した椅子はクッションが痛んでいたので、18区のアフリカ地区で購入したワックス布で母親がクッションを作ってくれたそうだ。グラスや食器などはブロカントや蚤の市で見つける。

「オードレーとパートナーがまず最初に18区に暮らし始め、徐々に友達みんなが同じ界隈に集まってきたの。今や私たちの地区ね。モンマルトルの近くで、ここの村っぽい感じが好き。それに以前住んでいたマレ地区に比べると、家賃は同じでスペースは2倍というように若い世代に手頃なのも18区のいいところね」

この50平米のアパルトマンはロルナの両親が大家さん。ペンキを塗り直して、1年半くらい前からここで生活を始めたそうだ。彼もインテリアには興味をもっているので、何を置くか、何を飾るかは二人の共同作業。

「私が欲しくても、却下されたものもあるわ。あまりフェミニンになってしまうのが彼は嫌なので、小さな花瓶などでコーナーを作ったりするのはだめなの。それから、リビングルームのソファ。私はピンク色が大好きなので、ピンクのソファが欲しかったのだけど……」 

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ダイニングルームの一角に、ロルナが好きなピンク色の椅子とギャスパーが愛を注ぐ植物が。インテリアはパートナーとの共同作業だ。

結局彼女が好きなもうひとつの色である、黄色のソファということになった。このリビングルームが家の中で、ロルナの一番のお気に入りの場所だという。ソファの上の壁には、カメラマンのギャスパーが撮影した写真が飾られている。ワゴンにお酒のボトルを並べたミニ・バーのコーナーから察せられるように、仲間たちが大勢集まって時間をすごすのがここ。食卓には4つしか椅子がないが、みな、適当に座る場所を作ってディナーを楽しむ。そして最後はこのソファの周辺に集まって……と、素敵に賑やかな時間を過ごしているようだ。

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ロルナのお気に入りはこのリビングルーム。壁の写真は昨年マイアミ旅行をしたときにギャスパーが撮影したものだ。エマウスで見つけた20ユーロのテーブルがソファの黄色とマッチしている。同じシリーズの型違いの花瓶を並べるアイデアは、インテリアのしゃれたアクセントに。

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ミニバー・コーナーがあるリビングルーム。窓側に置いたグリーンの肘掛け椅子は、ロルナが路上でみつけたもの。一方の肘掛けがかなり痛んでいるけれど、フォルムと色が気に入って拾ってきた。

黄色のソファと色のハーモニーをなしているグリーングレーの大理石のテーブルは、Emaüs(エマウス/ピエール神父が創設した慈善団体によるリサイクルショップ)で20ユーロで購入したものとか。

「エマウスやブロカントなどで、掘り出しものを発見するのが私たち大好き。50〜60年代の家具とか……。この家のインテリアには家族からのもらいものとか、道で見つけて拾った家具とかもミックスされているのよ」

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ロルナの後をついて回る愛猫のレオナール君。リビングルームに彼のベッドが置いてある。あいにくと撮影時には、頭隠して尻隠さず。

≫ 絶対に叶えたかった「靴の棚」を寝室に。

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新品で購入したソファ、ダイニングテーブルが、それらの家具と上手く調和をなしている室内。母親は室内装飾家だが、子供の頃の部屋は彼女の自由に飾らせてくれたという。

「壁にちょっとした文章を黄色とかでペイントしたり、私の表現したいようにと任せてくれたの。おかげで、こうしてインテリアに対する関心を培われたのだと思うわ。子供時代の家はまさに建築家の家で、家具もデザイン物とかが並んでいて、まるでインテリア雑誌の中の世界。でも小さいときって、こうした物を美しいと思えず。友達の家とはとても違っているけど、ママはとても美しいという……なんだか変だなあ、って思ってたのよ(笑)」

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ロルナのママは陶芸家でもある。その作品を食事に使ったり、棚に飾ったり。

ダイニングとリビングルームは通りに面しているのに対し、キッチンと寝室は中庭に面している。目の前が開け、とても静か。中庭の向こうに、テラスのある一軒家あり、バーベキューなどを楽しむ光景が目に入ることがあるとか。これには、ちょっと羨ましそうなロルナだ。

「寝室の壁は自分たちで濃いブルーにペイントしたの。そしてこの靴の棚! これは私の夢だったのよ。引っ越す前に彼に言ったのは、彼のすべての望みをインテリアで叶えていいから、寝室にはウインドーのように靴を並べられる棚が絶対に欲しい! って。念願かなって、服にあわせて靴を選ぶのがとても簡単にできるようになったの」

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白い寝室のひとつの壁を濃いブルーで塗った。コントラストが美しい。

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小さな衣類などの整理はこの3つの袋に、そしてロルナの靴はベッドの向かいのシューズコーナーに。

この寝室はもちろん、アパルトマンの至るところに観葉植物やドライフラワーが置かれている。

「ギャスパーは園芸好きなの。彼が水をやり、手入れをし、話しかけたりして……よく面倒をみているわ」

エントランス部分の壁紙を変えたい、キッチンを何とかしたい……など、いろいろ希望があるようだが、ロルナが冒頭で語っているように、快適な時間を過ごせる今のインテリアに十分満足していることが彼女の口調に感じられる。

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ちょっとした自然が、アパルトマンのあちこちに。
photos:Mariko OMURA

コンセプトストアSept Cinq

メイド・イン・パリのブランドだけを集めて。そんなコンセプトで5年前にロルナとオードレーがピガールに開いたブティックは好評で、昨年はレ・アールに2号店をオープンしたほどだ。またデパートのボン・マルシェは昨秋開催した『パリ!』展の準備にあたって、彼女たちのブティックに視察にやってきたとか。パリ・ブランドならSept Cinq! という定評を得られたのは、誇らしいこと、とロルナは喜んでいる。

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ジュエリーの展示に古書を使うアイデア、黄色とブルーの大胆な色合わせ……ブティック内ではショッピングを楽しむだけでなく、ロルナたちのインテリアセンスが盗める。

サロン・ド・テのコーナーはピガール店からレ・アール店に移動した。空いたスペースを彼女たちはオフィスに変身させ、ブランドの充実をますます強化。最近のピガール店にはモードだけでなくインテリア関連の品も増やし、さらに刺繍や陶芸のアトリエを開催するなど意欲的だ。

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店内左手のインテリアコーナー。ドライフラワーのパフュームキャンドルや、手描きの模様が愛らしい陶器のお守りや壁飾りなどがチャーミングだ。

Sept Cinq(セット・サンク)
54, rue Notre-Dame-de-Lorette
75009 Paris
tel:09 83 55 05 95
営)11:30~19:30
休)日
www.sept-cinq.com
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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