デザイン好きが見に行く、コンスタンス・ギセの10年展。

PARIS DECO

Ensci(国立高等産業デザイン学校)で学ぶ間、学費稼ぎのためにブルレック兄弟のアトリエで働いていたというコンスタンス・ギセ。2007年に卒業し、現在に至るまでの彼女の10年間のクリエーションを集めた「Constance Guisset Design Actio !」がパリの装飾芸術美術館で始まった。

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コンスタンス・ギセ。この名前を知らない人は、ぜひ覚えておくように。©Constance Guisset Studio

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2011年にPetite Friture(プティット・フリチュール)のためにコンスタンスがデザインし、ニューヨークのMomaでも販売されている染色ミラーFrancis。©Constance Guisset Studio

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2014年にPetite FritureのためにデザインしたソファのNubilo。©Constance Guisset Studio

彼女の名前を知らなくても、展示されている品の中には「あ、知っている!」というものがあるに違いない。というのも、彼女はさまざまなブランドのためのデザインをしていて、例えば大ヒット作のランプVertigo(ヴェルティゴ)も、彼女の名前ではなくPetite Friture(プティット・フリチュール)というブランドから発表されたもの。ゆらゆら浮遊するようなランプを自宅で毎日愛でている人でも、それをデザインしたのがコンスタンス・ギセだと知らずにいるのだ。

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サイズの異なる複数のランプVertigo(ヴェルティゴ)が吊るされたモノクロームの展覧会場。この会場のために作曲された音楽が流れている。photo:Mariko OMURA

デザインに関する賞もさまざま受賞している彼女とはいえ、10年のキャリアでこれほど大掛かりな展覧会が催されるとは、珍しい。装飾芸術美術館の館長オリヴィエ・ギャベはこう語る。「Vertigo は今やあちこちで見かけられます。フランス女性によるデザインの大成功。しかも、これを彼女がデザインしたのは、まだ36歳だった時です。とても素晴らしいことですね。将来のいつか、2010年代のデザインをふりかえる時、コンスタンス・ギセの仕事がそのエスプリを象徴することになっているでしょう」と。

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コンスタンスによるコラージュ。©Constance Guisset Studio

ダンスの舞台装置や展覧会の会場構成などセノグラフィーも手がけている彼女。今回の展覧会場である装飾芸術美術館では、2013年の「Mécanique des Dessous」展が彼女の仕事だった。この美術館では学生時代に会場構成経験をしているそうで、今回の展覧会の第一部は彼女が知り尽くしている美術館の常設展の中世、ルネッサンスの展示と自分の作品を対話させる、ということを試みている。

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装飾芸術美術館の展示室の中に、ランプやロッキングチェアなどコンスタンスのデザインした作品を軽やかに展示。photo:Mariko OMURA

第二部はテーマに分けて、作品を展示。テーマごとに部屋に書かれているのは「迎え入れる」「対話する」「回転させる」といった動詞である。そもそも、この展覧会のタイトル「アクシオ!」というのは、彼女がしょっちゅう口にする「アクション(行動)!」 という言葉からのもの。これが、この10年間彼女の推進力となっていた言葉なのだ。

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ランプVertigo、ソファNubiloなどを配置し、来場者を迎えるカラフルな部屋。photo:Mariko OMURA

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ソフトクリームのようなランプChantilly(シャンティイ)はMoustacheのためのデザイン。photo:Mariko OMURA

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鳥かごの中に魚を飼う水槽をセットしたMezzanine(メザニンヌ)など、ユーモラスでポエティックだ。photo:Mariko OMURA

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展覧会の会場構成、アンジュラン・プレルジョカージュのバレエの舞台装置などもコンスタンスは行っている。会場の通路には今回展示しきれない情報がいっぱい。なお、装飾芸術美術館では大人気の『クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ』展が1月7日まで開催されているので、行列は長いけれど、2つの展覧会を同時に見られる機会。ディオール展を見ない場合は、この展覧会だけのチケットをインターネットなどで事前購入しておくと、行列せずに入館できるそうだ。photo:Mariko OMURA

「Constance Guisset Design Actio !」展
会期:~2018年3月11日まで
Musée des Arts Décoratifs
107, rue de Rivoli
75001 Paris
tel:01 44 55 57 50
開)11:00~18:00
休)月
料金:11ユーロ
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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