花咲くホテル。泊まっても泊まらなくても、エンジョイ!

PARIS DECO

近頃パリのホテルは観光客だけでなく、パリっ子たちにも誘いの眼差しを向けるようになった。今年5月にオープンしたHôtel Le Belleval(オテル・ル・ベルヴァル)もそのひとつ。場所は地下鉄が3、12、13、14号線の4つが乗り入れ、ノルマンディー地方への列車が出るサン・ラザール駅のすぐ近く。新しいホテルながら、すでに連日満室というのもうなずける便利な立地である。

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壁と同じ色で天井まで塗られ、広さを感じさせる内装。©Studio Chevojon

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エントランスからフロントへの通路に置かれた古いソファ。通路の左手にレストラン、右手に朝食ルーム&バーがある。photo:N. Matheus

ホテルといっても通りに面しているのはバーとレストランで、その中間の通路の奥に見えるのは食事もとれる中庭。フロントは通路の奥にあるので、パッと見たところホテルと気がつかない。フランス人にとってホテルというのは観光客のためのものという認識が強いので、宿泊客以外にも開かれた飲食のスペースをあえて目立たせる構造となっているのだ。

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レストラン。中に50席、テラスに50席と広々している。photo:N. Matheus

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花に囲まれて朝食を。ウイークデーは7時〜10時。週末は15時まで、パンペルデュやアボカド・トーストなどをプラスしてミニブランチも楽しめる。

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バー。カクテル各種12ユーロ。アルコールのお供にバーが薦めるのは、マドレーヌ。というのも、このホテルからそう遠くない場所で、プルーストが『失われた時を求めて』を書いたことから、作家にゆかり深いマドレーヌをホテルでは売りにしている。サーモンとシブレット、コンテチーズとチキンなどユニークな味のマドレーヌを楽しんで! photo:N. Matheus

このホテルの中庭は、ちょっとしたシークレット・ガーデン。四方を壁に囲まれたオープンエアのスペースは、近くのサン・ラザール駅の雑踏とは無縁の静かな世界である。高い塀にはストリートアーティストのゴラ・ウンダンによる幻想の庭が描かれ、その中で宿泊客もパリジャンもティータイム、ランチなどをとりながら、のんびりとした時間を過ごすことをホテルは提案する。メニューにはホームメイドのヘルシーな料理がいろいろ。ベジタリアン、グルテンフリー派のための料理も用意されている。

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ストリートアーティストが描いた庭。6階分の壁なのでとにかく高い。photo:N.Matheus

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ココットやクロックムッシュなど、気軽な料理がメニューに並ぶ。©Studio Chevojon

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ハワイのポケ丼は最近パリでとても人気。ホテルのレストランでも早速!©Studio Chevojon

スイートを含む52室からなる4つ星ホテルのル・ベルヴァル。この名前は王様の植物学者ピエール=リシェ・ベルヴァルに由来している。ホテルがある通りの名前は苗床を意味するペピニエール通り。王室のための植物養育所に通じる道だったことから、この名前がついたという。それゆえに植物学者の名前がホテルの名前となり、そこから内装を担当したジャン・フィリップ・ニュエルはグリーンと花にあふれる庭をテーマにして、インテリアを作り上げた。廊下の花モチーフの重ね使いは、なかなか個性的。室内の椅子やカーペットも、大柄の花模様だ。そして部屋によってはベッドサイド・テーブルがなんとブランコ!!

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通路にも壁にも花が満開のホテルだ。廊下の窓からも、中庭の壁のストリートアートが眺められる。photo:N.Matheus

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室内にいったい何種の花が見つけられることか……。

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サイドテーブル代わりのブランコがユニークだ。©Studio Chevojon

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壁紙のように見えるタイル、ビストロのような丸いランプなど魅力溢れるバスルーム。アメニティはニュクス。©Studio Chevojon

楕円の窓など、古い建物の持つ魅力をそのまま残すホテル。地下のスパもワインセラーのようなアーチ型の丸天井で、昔のままの石の壁に囲まれている。ランニングマシンなどが置かれ、サウナともども宿泊客は自由に利用できる。また有料だが、ヨガやボクササイズといったプログラムにも空きがあれば参加が可能。パリっ子たちと一緒にどう?

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1階の通路。石の壁も楕円の窓など建築当時のままをリスペクトしている。photo:N. Matheus

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花の壁紙のレストランの楕円窓から、通路をつきぬけバーの楕円窓の向こうまで見通せる!

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石の壁や柱が、いかにもパリの地下フロア。スポーツジムの一角にも花の屏風が。

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サウナもある地下1階。

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観光客にはホテル、そしてパリジャンにはバー&レストラン! photo:N. Matheus

Hôtel Le Belleval
16, rue de la Pépinière
75008 Paris
www.belleval-hotel-paris.com
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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