シャンゼリゼ大通り。ブルレック兄弟の噴水を見に行こう。

PARIS DECO

ポンピドゥー・センター、ルーヴルのピラミッド……パリに新しい建築物ができるたび、賛否両論が巻き起こる。何かしら自分の意見を述べないと気が済まないフランス人がいま話題にあげるのは、シャンゼリゼ大通りの噴水について。モダンで素敵!という声あれば、大通りの石造りの建物とちょっとマッチしないんじゃないか?などなど。

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シャンゼリゼ大通り、モンテーニュ通り、フランクリン・ルーズベルト通りが交差するロン・ポワン。新しいデザインで20年ぶりに噴水が蘇った。photo:Claire Lavabre/Studio Bouroullec

19世紀、3本の通りが交差するロン・ポワン・ドゥ・シャンゼリゼに、6つの噴水が設置された。1932年から1958年まではルネ・ラリックによるデザインで、照明と組み合わせたクリスタルの美しい噴水だったらしい。あいにくと時の流れに耐えられず、この後はマックス・イングランによる強度ガラスの噴水に取って代わられ、そして1998年以来、噴水は休止していた。

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6箇所の噴水の模型©Studio Bouroullec

今年3月21日に3年がかりのプロジェクトが完成し、噴水が公式再開した。ロナン&エルワン・ブルレック兄弟による噴水である。ブロンズとスワロフスキーのクリスタルを材料にした、とてもシンプルなデザイン。中央に13メートル高さのマストが立ち、そこからクリスタルが鎖状に繋がった3本の枝が広がっている。そして、人間の歩調くらいのリズムでゆっくりと回転。噴水というと、水が上に一度上がって……というイメージがあるけれど、ここはクリスタルの枝から下に落ちる仕組みだ。

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ブルレック兄弟によるドローイング。©Studio Bouroullec

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13メートル高さの中央のマストを軸に、噴水はゆっくりと回転する。photo:Mariko Omura

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この噴水のために使われているのはスワロフスキーの特別なクリスタル。悪天候、衝撃、汚染に耐え、長期間の使用中簡単に手入れができるという画期的なもので、特許申請をしているそうだ。日中は太陽の光にこのクリスタルと水が輝き、夜はLEDの照明で夜空に浮かび上がるような噴水。さあ、好きか嫌いか。実際に見に行ってみなくては!

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夜の噴水もぜひ見学を。photo:Morgane Le Gall

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この噴水によって、技術的革新をクリスタルにもたらしたブルレック兄弟。©Swarovski

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スワロフスキーのアトリエでの組み立て。©Swarovski

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6基の噴水に、合計3600個のクリスタルのビーズが使用されている。photo:Claire Lavabre/Studio Bouroullec

大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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